アドレナリンとニキビ
ある朝、起きたら口の下が痛かった。蚊に刺されたかなと思いきや、鏡の中でニキビを発見する。
(アラサーでニキビって恥ずかしい)
(大人は吹き出物って言い方するけど、これ絶対ニキビだよなぁ)
顔を鏡でよく見ると、ニキビの赤ちゃんみたいな奴らも口周り、おでこに生まれてきている。
私は中学生から大学まで、すごく肌荒れに悩んだタイプだ。おでこはニキビで埋め尽くされていたし、頬もいつも赤い炎症だった。だからニキビについては経験が厚い(決して専門家ではない。おそらく専門家ならニキビできないと思う。)。
学生の頃とは違って、会社員をしていると鏡をそんなに頻繁に見ることもなく、触る頻度が下がりひどく悪化はしないが、肌がボコついてるのはややストレスだった。
日曜日、久しぶりにエステに行ったら良い話を聞けた。
「いつもの肌質じゃなくて、ざらっとしてますね…お疲れですか?」
というお姉さんに、最近の仕事の話をする。後輩がなかなか仕事を覚えられず、やる気もない、ミスを取り繕う…などなど。ひとつひとつは愚痴にもならないレベルの話だが、話してみるとその量が多いことに気づく。
「わかります、うちの店舗も新人が入ってきたばかりで。」というお姉さんと、共感し合う。
「イライラすることもあるし、自分がやった方が早いなって思いつつ、この子に仕事してもらうことが、今の自分の仕事だったなって気づいたり。あと厳しく言っちゃうこともある。」
なんて話す。
新人に教えることで、責任感が強まり、集中力が引き上げられ、イライラすると同時に自分自身を落ち着かせようとする。色んなことが自分の中で同時進行していく。これがストレスになっていくらしい。
「ストレスが溜まるとアドレナリンが増えるんです。アドレナリンが増えると皮脂の分泌が増えるんです。だからザラつきとかニキビとか増えちゃったのかもしれませんね。」
と教えてもらった。聞いていてナットク。たしかに最近、10代の頃のように肌がオイリーになったり髪がぺたっとしていた。皮脂の分泌が明らかに増えていた。
もしかしたら、10代でニキビに悩んでいた時。気づいていないだけで身体がストレスを感じ取っていたのかもしれないと思った。アドレナリンはいつも出ていたけれど、ストレスによるものも少なからずあったんだろう。
ニキビのメカニズムがわかって、すっきりした。後輩の指導は学ぶことも多いけれど、自分にとってはストレスだったということ。ニキビもメカニズムを知らないから、ストレスだった。エステから帰ってきたら、オイリーだった肌が少しソフトになっていた。ストレス解消できた証拠だ。
タイムマシンがあれば、過去の自分に伝えてあげたい。
タイムマシンが無いので、下の世代に伝えたい。