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アウラルと光の竜 Gathering Light 感想

プレイタイム33時間
全コンテンツクリアまで

DL siteで売られているので、なんかモン娘系ジャンルのR-18 RPGっぽく見えてしまうし、実際、各仲間キャラクターは「どこかで配布されているパッチさえあればいつでも"R-18のすがた"になれますが?」という見た目をしているんだけれど、全年齢対応版です パッチもありません。
ないの?どっかにはあるだろ ない? ないんだ……

ゲーム内用語図鑑より
主人公のアウラルさんからしてエロRPGから出てきたような種族設定
味方のうちアルラウネ・ハーピー・サキュバスの3人に似たような設定があり、
パーティーは人間男1人 他8人は全員モン娘というド直球のハーレムパーティー!
でもパッチはどこにもありません

■総評

個人作成・ツクール製であることを前提とした点数です
9.5/10

ストーリー◎ 難易度◯ ホスピタリティ◎
ホスピタリティとは何か?と言えば作者のもてなしの心です

どれくらい気が利いてるかと言うとフリーゲームであるところの前作が本作の後日譚なので、最高のエンディングを迎えたあと即座に「その後」の話をプレイできるくらい気が利いてます(未プレイ)
というのは別としても、ゲーム中あらゆるシステムやメッセージに作者の善性が滲み出ているので、最後まで心地よくプレイできます。
隠し宝箱ほぼ無し 取り返しのつかないコンテンツ無し 先に進むとバトルが発生する場合はその様に表示 うーん完璧! 温泉旅館か?

難易度的にはややぬるめ。ボスは攻撃力が高い代わりにHPはかなり低めに設定されているので、戦法がブっ刺さった時はダメージレースが成り立たずにボスが2-3ターンで沈んじゃうこともしばしば。
終盤のボス~クリア後コンテンツの難易度はもうちょっと辛口に寄せるか、寄せられるようなオプションがあっても良かったかもね(クリア後はレベルダウン機能が開放されるので極限低レベルチャレンジなどは勝手にやれるんだけど、そうではなくて)、とは思ったけど、クリアまでがチュートリアル!クリア後に100時間遊べます!とか言われてもそれはそれで困っていたので今のボリュームで良かったのかも。

ストーリーについてはここでは何も触れないけれど、自称している通り王道ど真ん中。終盤は欲しい会話、欲しい演出全部盛りました!といった感じでエンディングはとても満足。全体を通してストレス無く、非常に良質な時間を過ごせるRPGとしてかなりオススメ。

章をクリアすると「スキット」が追加される。
これが非常に面白いのでスキットを大量に追加してくれるDLCが売られたら普通に買います

■戦闘・キャラ育成

キャラモーションは凄い凝ってる

戦闘はターン制。仲間9人を制限なく自由に入れ替えしつつ戦えるので、あーあ、敵との相性が悪い4人で戦闘に入っちゃった、リセット……とする必要はない。
どのキャラにも頼れるシチュエーションがあり、「最後まで全然使わなかったキャラ」はいなかった(勿論メインアタッカー陣と比較するとバッファーや回復役の出番は少ないが)。
また、各キャラはスキルコストとしてTPという数値を持ち、戦闘開始時のTPは4。通常攻撃で+2、ターン経過で+1、攻撃被弾で+1…といった具合に増加していく。増加量は控えめだが消費は激しく、長期戦になると頻繁に控えとの入れ替えが発生する。控えに回していてもTPは回復しないので、いずれは低TPのキャラを表に引き出して適切にTPを稼がなければならない。
敵の攻撃力が高めに設定されていることもあって、か弱いキャラだけを矢面に立たせると1ターンで半壊することもあり、「次のターンに総攻撃をかけたいが、バッファーだらけでどう考えても被害が出そう。本当にこのメンバーでターンを回していいのか?」と適度に悩めるバランスは良くできている。

うろうろ歩き回って取得する、ツクールらしさのあるスキルツリー
最終的には全部取り尽くせるが、終盤に差し掛かるくらいまではポイントが全然足りないので「このキャラには何をさせるのか」というプレイヤーの意思が割と大きく反映される。


■以下ネタバレ・感想

・キャラコメント
当然ながらネタバレ全開です

ツッコミ役・苦労人代表 主人公ではない
中盤くらいまでは世間からモン娘連中にそこそこ強めの偏見が向けられているのに、
仲間は続々と加入してくるので心労凄かったと思う
ハーレムパーティーながらも誰ともくっつかず、サキュバスに誘惑されても童貞を貫いた真の男
むしろ逆に心配になる

てっきりアウラルとくっつくのかと思ったけど、そうはならなかったね
百合の間に挟まらない節度もある

バトルでは序盤はウルヴェのアジリティバイトが単体で強すぎたので影がかなり薄かったが、アジリティバイトだけでは火力が不足してくる中盤くらいからはエンチャンターとして引っ張りだこ。アウラルにもシェニにもウルヴェにもモテモテの助演男優賞。
彼にも前線で剣を振らせてあげたかったけど、単純にそんなことしているヒマがなかった。
実際グレンをメインアタッカーとして持ち上げるようなパーティーにするのは大変そう。
魔法剣全種作ってボスに合わせて持ち替えつつ、常時瀕死の状態をキープして係数7のショックを連発するような運用になるのかな…… 死なないように守ってあげれば強い気がしてきた
頼れるところを散々見せておきつつも終盤で自己評価の異常な低さが露呈し、その一方でセレちゃんは立派に成長していく……という一連のバランスがとても良い。
まさかの百合カップル誕生で、ラストでは2人ケーキ入刀してたね 最高のエンディング

戦闘では開幕のTP4でできることの限界点が低いのが欠点。中盤まではアウラルおばちゃんつえー、メインアタッカーよろしく!といった運用をしてきたのに、一時離脱したあたりで「……なんかシェニのが強くない?」となってしまい、復帰してからの雑魚戦は育った若者達に任せてベンチに座りがち……でも強敵戦ではよっこらしょ、と出てきてクリティカル倍率をガン盛りした極光斬でボスを真っ二つ!というあまりに「それっぽい」運用になってかなり満足。
狙ってやったなら作者は天才だけど……
「歳経ているが自我が幼い上位存在」を描くのが上手すぎる
本作は実質アウラルとセレの成長物語
終盤はグレンがずっと成長したなあ…とつぶやいているがプレイヤーも概ね同じ気持ちになる
「適当に生成した肉体」ということもあって奥義を撃った時のカットインは凄い姿をしている
アウラルとセレが直球で可愛くないと話が成り立たないのでトカゲ寄りにしなくて良かった
(トカゲはもうパーティーに一人いるしね)
メルーザは可愛くないのか?みたいな話をすると刺されそうなのでやめておく

終盤まではティンクルレインや奥義による全体回復、光属性のエンチャンターやスポット参戦的に光魔法で攻撃させる程度の運用だったが、終盤でクリティカル激盛り装備が余ったので近接に切り替えたらかなり強かった。クリティカル率と倍率盛れば誰でも強い?まあそれはそう
ケモ度90%くらいのケモ。序中盤のMVP。彼我の敏捷値差でダメージを出すアジリティバイトが事実上の防御力無視攻撃で非常に強かったが、装備品を敏捷に寄せていると他の腕力依存の攻撃ではほとんどダメージを出せなくなってしまう。面白そうな爪装備を拾っても「いやまあ敏捷上がらんならいいか」となってしまうのはちょっともったいなかったね
終盤は敏捷をメチャクチャに盛る手段が無いので失速してしまったが、通常攻撃回数を増やす「双刃」のバフがシェニにぶっ刺さって非常に強かった。あとは最速行動を活かしたアイテム役として、どちらかと言えばサポーターとして大活躍。

下半身を露出しているのは仲間のワーウルフから見てもおかしいらしいが、ストーリー中に回収されることは無い。やっぱりどこかに不思議なパッチがあるんじゃないですか?ci-enで金払えばいいのか?(無料プランしかない)
終盤のMVPはマイコニドのシェニちゃん グレンとは完全に「妹」って感じで良かったね
頭にキノコを被っているだけで体はほぼ100%人間 でも風呂にいれるときのこ出汁が取れるらしいので中身は菌糸なのかな… アウラルよりも再生力ありそう
アウ光R-18パッチ?シェニちゃんに手出したら下のリザードマンと一緒に殴るぞ

運装備+運撃ハンマー+通常攻撃回数増加アクセで最終的に通常攻撃がメチャクチャに強くなる。
多段通常攻撃でボコボコにし、稼いだTPで武器に状態異常胞子を片っ端から塗りたくり、相手を状態異常漬けで行動不能にしつつ安定して高ダメージを出し続け、とどめに運依存なので相手の物理防御力も無視。
状態異常に穴がない敵はラスボス含めて殆どいないので、ちょっとズルいまであるキャラ。
運ハンマーによる通常攻撃が強すぎて、他の攻撃力依存スキル(とほぼ全ての短剣武器)はほぼ死にスキル。ウルヴェの爪と合わせてもったいなかったポイントではあった。
システム的な苦労人
全ての攻撃を引き付けて殴られるいわゆるタンクなのだが、本人がそんなに硬くない。
よってたかってメルーザを活かしつつ戦うその姿はなんかMMOっぽくもあった。
敵を引き付けた上で防御してればそうそう倒れなくなるものの、防御ばっかりしているとTPが足りなくて肝心なところで強力な全体軽減や無敵技を使えないので、彼女にタンクと並行してどこまで何をやらせるかはプレイセンスの見せ所だと思う。

キャラ的には仲間の中でも完全に"モン"寄りなのだが、なんか胸が異常にでかい
異常にでかいので皆も異常にでかい…異常にでかすぎる…なんなんだ…という反応をしている
なぜこんなにでかくしてしまったのか 癖か?
https://mimuimu.booth.pm/items/2931708 (作者のBooth)
癖だね ならよし
キャスター兼ヒーラーのスライム娘
キャスター陣三人全員に言えることだけど、種族魔法は一つの属性に偏っているため、エンチャントで属性付与可能な物理攻撃メンバーと比較して汎用性が低くなるのは致し方がないところ。
せめてサブでもう1属性、まともな倍率の魔法を覚えても良かったかもね
プリュンは別の役割として回復スキルを覚えるのでスポット的に仕事がある。
あとは敵の敏捷を問答無用で0にするスライミーバインドが強烈。
ストーリー的には天涯孤独の身ではあるものの、クリア後コンテンツで救済されて良かった
バストアップは人間なんだけど、手は翼だし脚は鶏で完全にモン寄り
歌によるバフは強いしテテピを引っ込めても継続されるのだが、死ぬと切れるのと、歌い終わった当人を引っ込めると必然的に歌がかかっていない誰かがでてきてしまう、という欠点がある。どちらかと言うとメルーザが竪琴持って暇な時に歌う方が適している。
確率でダブルアタックするので風属性キャスターとしてはそこそこダメージを出せるが、残念ながらシェニちゃんとウルヴェが相手の防御力を無視しつつ風属性で殴れるので、出番は極わずか。
もうそのまんまのエロキャラ枠 クリア後は風俗店を立ち上げて異種族レビュアーズを始める
彼女がいないと中盤以降は話が全く立ち行かなかったので結構な功労者
全体を通して闇っぽい敵と戦うお話なので、闇属性弱点の敵が殆どいないのはかわいそうだった
とは言え確率で1.5倍撃になるのでマジックバースト一発ブチこんでクリティカル狙い……みたいな使い方はそれなりにできた。係数3技がTP5じゃなくて4で撃てたらもっと使いでがあったかな


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