Inkbound ファーストインプレッション

9/10

非カードデッキビルド系ローグライト

強化システムはHADESとAutochess
バトルシステムはInto the Breachと……ファントム・ブレイブ!?

これはInkboundではなくファントム・ブレイブです

あれこれ混ぜ込んだ上にオンラインCoopまで仕込んで豪華に仕上げたこの作品、3000円の価値はあります。

■ゲームプレイ

基礎職業4種+ゲーム内クエストクリアで開放される職業4種の中から選択

職業ごとに固有のパッシブ1つと固有技3つを持ち、ダンジョン内で汎用技を2つ増やせる。

各技(バインディング)はダンジョン内で3段階ランダム強化でき、更に3種類に進化可能。
進化は全く別物になるわけでもなく、範囲・威力・追加効果のカスタマイズに近い。
3回+進化1回で強化は打ち止めなので、雑に取ると中途半端になったり、目指すビルドと噛み合わなくなる

そして、ダンジョンの中で見つかるヴェスティージ(以下アイテム)を7つまで所持できる。これらのアイテムはそれぞれに固有の効果と、1~3個の属性を持っている。同じ属性を持つアイテムを複数個所持していると追加の特殊効果が発生する。オートチェス系ゲームによくある、同属性キャラクターを揃えることで発生するボーナス効果にあたる。

アイテム。
アイテム名の下に2つアイコンが並んでいる。
同じアイコンを持つアイテムを特定個数集めるとそれぞれ特殊効果が発生する。
この「熟練のバインダー」であれば3個、5個、9個所持している時に三段階の効果が発揮される。
アイテムは7つしか持てないのに9個とは?

ダンジョン内に設置されている祭壇にアイテムを捧げることで、アイテムが消滅して固有効果は失われるが、そのアイテムが持っていた属性アイコンは2倍になって残り続ける。
固有効果が重要なアイテムは手持ちに残しつつ、高めたい属性を持つアイテムは固有効果を犠牲にしてでも祭壇に捧げて特殊効果を発現させ、ビルドを尖らせていくことになる。

アイテムは大量に手に入り、捧げるのを渋っているとすぐに溢れてしまう。祭壇も数が限られているため、属性が1個しかついていないようなコモンアイテムを捧げるよりも、2~3個ついているアイテムを捧げた方が効率が良い。でもそういったレアリティの高いアイテムは固有効果も強いから捧げたくないし……と、取捨選択は常に悩ましい。ローグライト(ライク)は悩ましければ悩ましいほど面白い。そういった意味でInkboundのビルドシステムは良くできている。

バトル画面。
敵のターンで何をしてくるかは画面に表示されている。
「今この位置でターンを終えると72ダメージ食らってお前は死ぬ」という予告が表示されている。

戦闘は上のような円形のバトルフィールドで行われる。
赤いゲージがHP、青いゲージが意志力(技コスト)となっていて、1ターン毎に基本4ポイントの意志力が尽きるまで攻撃できる。
このゲームには意志力を回復する手段・ノーコストで技を撃つ手段・クールダウンを短縮する手段が大量に用意されているのでそれらを総動員し、ターンあたりのダメージを最大化しつつ、ターンエンド時に受けるダメージを最小化していく……という戦い方になる。

上の画像は現在HPを大幅に上回るダメージを受けることが予告されていて非常に危険そうに見えるが、プレイヤーキャラに必中の攻撃を仕掛けようとしているのは画面下にいる敵1体のみ(見えにくいが、プレイヤーに対して矢印を伸ばしている敵は必中攻撃を繰り出そうとしている)。なのでその1体を倒し、足元に敷かれた円形の範囲攻撃予告から外に出てしまえばこのターンの被害は0ダメージとなる。

どうしても敵を処理できない場合に受けるダメージをどのように軽減するか?毎ターン出てくる増援に押しつぶされないように、どのように敵にダメージを与えるか?スキルを使う順番は?そもそもこのターンで最大何回攻撃できるのか?敵を倒した後に範囲攻撃から離脱するだけの移動力は余るのか?

Into the Breachの詰将棋感と、ファジーに動ける移動システム、システマチックなスキルビルドの相性は抜群で、1ターン、敵の攻撃を無事に捌き切った時の快感は中々得難いものがある。秀逸。




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