2022年7月19日のメルマガ
今日は子どもたちの終業式です。
たった三連休でも最終日はぐったりしているのに
またすぐに夏休みが始まるなんて…
ちょっと青ざめている束の間の休息です。
週末から1学期のテストや図工作品などの
たくさんの荷物を持ち帰ってきていて、
6年生の次男は
普段はサササッと書いている字が多いけど
掲示物では丁寧に書こうと意識しているんだな、とか
2年生の末っ娘は
書ける漢字が増えたな
書くことに慣れて余計な力が抜けてきたな、など
それぞれの書く字で成長を感じる機会になっています。
よく、小学校入学前のお子さんのママから
「まだひらがながちゃんと書けなくて」
「いつになったら書けるか心配してしまう」
「何度言っても鏡文字が直らなくて」
「鉛筆の持ち方が変だけど声をかけると嫌がってしまう」
というお悩みを聞くことがあります。
そういう時は
「全然心配しなくて大丈夫。
1年後には自然に変わっているから、貴重な今だけの字を可愛がってあげてほしい」
と答えています。
・
『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』
というタンポポのような黄色い表紙が
書店でも目立つ本をご存知ですか?
私、この本が大好きで。
美術教師でアーティストの著者が
美術作品を取り上げて読み手に質問を投げかけながら、
「すばらしい作品」ってどんなもの?
アート作品の「見方」とは?
自分だけの答えってなに?
と授業を進めるように
「考え方のヒント」を教えてくれます。
私にはこの美術を通じたアート思考が
書道教室で伝えたいことや子育て、
自分の人生にもつながっているように感じて何度も読み返しています。
本の冒頭
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いま、あなたの目の前に、小さなタンポポが咲いているとします。
そのタンポポはどんな姿をしていますか?
できるだけ『完全なタンポポ』を『5秒間』で思い描いてみてください。
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という一節があります。
ぜひ、この機会に
頭の中で思い描いてみてください!
・
「地面から顔を出した鮮やかな黄色の花」を
思い浮かべた人がきっとほとんどですよね。(もちろん私も)
でも実は、これはタンポポのほんの一部です、という展開。
完全なタンポポではありません。
想像を膨らませて地面の中を覗いてみれば、
ゴボウのように長い真っ直ぐな根が1mも続くこともあるそうです。
別の角度で、今度は時間の流れを見てみると
1年のうちに1つのタンポポの花が咲いているのはたった1週間ほどだそうです。
花がしぼむと1ヶ月後綿毛になり、地面から姿を消し
春、夏、秋、冬と姿を変えていきます。
思い浮かべた「黄色い花を咲かせたタンポポ」は、
さまざまに姿を変える大きな植物の
【ほんの一部・ほんの一瞬を切り取ったもの】でしかない、という事実が
私たちにある固定概念と
見方や考え方を広げるヒントに気づかせてくれます。
・
私には、このタンポポが
子どもたちの字に見えるところがあります。
子どもたちのほんの一部・一瞬の姿を切り取って、
思い浮かべるタンポポの姿と違うからと
私たちが不安になることなんてないんだと思います。
そうしているうちについ
目の前のタンポポの姿や成長を喜ぶことができるチャンスを
見失ってしまいがちだから。
せっかく一緒にいるのに、そんなのもったいないですよね。
それに、自分が思い浮かべているタンポポが
実はあいまいで不確かで間違っていることもあるイメージ図だった!
ということも字の世界では超あるあるです…
クリアにきれいなタンポポを思い浮かべられること、
地上に見えていない根を想像することや
一瞬、一瞬、時間の流れの中で成長を感じること
こんなことが
私たち大人にも大切で必要な力だな、と
感じています。
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