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【2025年ジャズ】Apple Cores / James Brandon Lewis
James Brandon Lewis(ジェームス・ブランドン・ルイス)はアメリカの作曲家、サックス奏者です。1983年生まれ、2014年に初作を出してから2025年の本作は12作目にあたります。チャド・テイラーDs、ジョシュ・ワーナーB&Gとのトリオで“ヒップホップやファンクのリズムやテクスチャーを取り入れた”ジャズ作品になっています。
前回のスティングの投稿にも書きましたが、ジャンルを超えたミクスチャー感の中に一本筋が通っているのがジャズの真骨頂だと思っていまして、スティングの場合はそれがロック。今回のジェームスはソニー・ロリンズに代表されるモダンジャズへのリスペクトを感じます。ほかの二人が醸す音空間の中で、実に骨のあるサックスがガツンと響いて気持ちいいです。
ファンクドラムとぶっといベースから始まる1.Apple Cores #1 のセッションのなんとカッコイイこと。サックスがラッパーしています。3.Five Spots to Caravan はオーネットやドン・チェリーへのオマージュとなっていて、部屋全体にサウンドが拡がります。7.Broken Shadows はエレクトロダンスミュージックを生楽器でジャズしたような面白い楽曲だなと思います。それぞれが短い曲ながら、“これぞ今のジャズサックス”を聴くことができるオススメ作品です。