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訪問歯科診療のメリット・デメリット

 外来患者様からの要望や政府の在宅医療推進により、訪問診療を始めようと考えている歯科医院が増えています。
そんな訪問歯科診療、実際にはどういったメリット・デメリットがあるのかいくつかあげてみたいと思います。

メリットについて

外来に来られなくなった患者様を最後まで治療できる

 ずっと外来に通って来てくれている患者様も、一人での通院が困難になる時がきます。そんな中、患者様のご家族が仕事や家事の合間をぬって患者様の通院のサポートされているケースもでてきます。
そういった患者様に診療を最後まで提供し、ご家族の負担を軽減させてくれる訪問診療は通常の外来診療より感謝されることが多いです。

他医院との差別化による集患効果

 現在、訪問診療対応の実績のある歯科医院は全国で約2割※、か強診認定医院は約1割。割合として多くないからこそ、他院との差別化を図る際の大きなポイントとなってきます。
患者様がネットで質の良い歯科医院を吟味する昨今、サービスの幅を広げる【訪問歯科診療】の開始、予防に重点を置く【か強診】の取得は患者様獲得の武器になってくれます。
※初診料等の算定がある医療機関約60,000施設中、歯科訪問診療料の算定があった医療機関は13,475施設。
(*中医協 総-2 29.11.10 より:出典「NDBデータ(平成28年5月診療文」)

外来のボトムアップにつながる

 訪問診療は一診療当たりの単価が約1500点+500単位、外来診療の平均単価を約650点と考えると訪問歯科診療の患者様お一人に対する単価はかなり高くなっています。その為、効率よく診療回数を増やしていく、または口腔ケア等で1人あたりの月の診療数を増やしていければ、外来以外の収益の柱になってくれます。
 また、訪問診療5回の実績があれば【か強診】も取得しやすくなります。【か強診】認定医院になると長期管理加算+120点、歯周病安定期治療+120点等の加算が取れるようになる為、外来での収益UPも見込めるようになります。



デメリットについて

集患速度の読みにくさ

 外来の患者様で訪問診療を希望されている方がおらず、院にて集患活動を行った場合、半年間継続しても依頼が来ないケースや、逆に1か月以内に依頼が来るケースと、地域により集患速度がかなり異なってきます。
 それは地域の周辺施設数、競合医院の数、高齢者人口といくつかの条件が複雑に関わっている為です。同じ県でも市によって速度が変わってくることがある程、速度が読みにくいです。

移動のタイムロス

 訪問歯科診療で保険請求が可能は範囲は医院から半径16㎞以内です。
競合クリニックの多い地域だと近場の患者様からの依頼が来ないため、対応範囲を広げていき、結果的に大幅に移動時間がかかってしまうというケースは少なくないです。
 長期継続し収益化を目標としていく場合は初期の段階から効率的なルートを組むことが必要です。

帳票類やツール準備の手間

 訪問診療は必要な帳票類が外来とは異なり、さらに種類も増えてきます。
患者様の情報を記載するためのヒアリングシートや申込・同意書、介護保険請求をする際はケアマネージャー様への報告書も必要になります。
 また、集患活動を行う場合には院内ポスター・ハガキ・チラシ等の準備も必要になってきます。

まとめ

 このように訪問歯科診療にはそれぞれメリット・デメリットが存在します。
デメリットを解決するにはコンサルティング会社に相談する、スタッフの協力を得る等、医院規模やスタッフ数に見合った計画を立てていくことが重要となってきます。

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