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GENKYO横尾忠則展にいって
今週の平日に、MOT(東京都現代美術館)で開催中のGENKYO横尾忠則展に行ってきた。
天気がいい日だったので、行くまでの木場公園の散歩も気持ちがいい。
展示数が多いのとみるのが遅いのとで、入ってから出るまで3時間くらいかかってしまった。正直、途中で疲れてしまって、3Fはもうザーッという感じになってしまった。1日でしっかり見るにはキャパオーバーしてしまうくらい、濃密だ。
最近描いた作品に寒山拾得というシリーズがあった。どんなものか気になっていろいろ検索してみたらおもしろいインタビューがあった。
https://casabrutus.com/art/197804
たくさんの絵師が描こうとしたので、寒山拾得が気になって描き始めたいうことだが、こちとら最近の横尾さんが描こうと思ったテーマということで、気になった。人の興味というものはこんな感じで連鎖していくものなんだなと思う。
寒山拾得の絵を見た最初の感想は、GENKYO展の前半の展示から比べて、明らかにパワーが感じられないというところだった。ただ単に歳とったから?と思ったりもしたが、インタビューを読んで、描きたくない気持ちのままで絵を描いたというのを知ってとてもしっくりきた。
多元宇宙論というコーナーに、2枚以上の題材らしき絵を1枚の絵として描いてある作品があった。ガイドでは、カァンバス・オン・カァンバスと解説していた。アタック25のパネルみたいに面がわかれていて、滝の風景とか映画のシーンとか、神秘的な絵がバラバラに描かれている。すげぇなぁと単純に感動した。
西脇再訪のコーナーでは、紙漉き体験の和紙を作品に生かすもので、ある新聞の切り抜きが作品の中にあった。内容は、横尾さんとの約束に職員が遅刻してしまい、横尾さんが製作意欲がそがれたといってキレたというものだ。こういうのを作品の中に取り入れてしまうユーモアさも独特で好きだ。
いつも作品の前ではなんか意図とか意味とか考えてしまう癖があるのだが、それをしていて今回は途中で疲れてしまった。
別に難しく考えずに、ただ目の前のものをみて、何を思うか。何も思わなければそれはそれ。世間の評価はあったとしても、自分にとっては琴線に触れなかっただけのこと。未熟でわからないからであっても成熟する必要なんてない。いつか同じものをみて感動するときに感動すればよい。頭で変に考えようとせずに、本能にしたがったその場の好き嫌いを大切にしたい。
そんなスタンスのほうがこれから楽しめそうだなって思うきっかけになった展示だった。