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念願は叶えるもの
令和の「年暮る」
東京・山種美術館所蔵の、京都の四季を描いた「京洛四季」のうちの「年暮る」は、東山魁夷画伯の傑作で、ひと目でその世界に引き込まれてしまうという方が多いと感じる。
この絵は、1960年代の大晦日に、しんしんと降る雪の中で除夜の鐘が響き渡る京都の街並みを描いたもので、京都のホテルオークラからの眺めだという。その景色を観たくて、雪こそ降っていなかったが、早朝スタートのモーニングに行ってみた。
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6:30スタートのため、眺望が売りのレストランからの眺めは、到着した時は夜景であった。
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じつは、到着時には、このレストランから「年暮る」の眺めを見るのはどの方角なのか、まだ把握しておらず、ホテル内のどこか、程度の認識であった。
そこで、「年暮る、ホテルオークラ、どの方角」というキーワードで検索したところ、やはり同じことを考えてこのホテルを訪れた方の検証結果が投稿されていた。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/e13edff4ce9a241c24e4407f04c976a1
そして、このリンク先の投稿文中の2012年の眺めと眼下の景色を照合してみたところ、案内された席からの眺めが、まさにビンゴ!であった。引き寄せ成功である。
令和の今は、絵の中心奥側に見える要法寺の屋根を除き、すっかり街並みが変貌を遂げていることがよくわかった。
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(要法寺のさらに後ろの山際に見えるのがウェスティンホテルと思われる。)
絵が描かれた当時との違いを嘆く気持ちは上のリンク先のブログの主ほどには強くはない。全ては移ろいゆくものだということを再確認できたと思うし、また、好奇心から発した熱意はまるで引き寄せかのように叶うことがあることに驚いた。
会計時に、夫に促されて、担当の若い女性に年暮るの話をしたところ、さすがはオークラの職員、東山魁夷画伯の絵のことは知っていた。東京の山種美術館に「年暮る」の絵があり、本物を見た時に心惹かれて現地へ行ってみたくなって暮れの京都にきた旨を伝え、その願いが叶うような席を割り当ててくださってよい思い出ができた、とお礼を伝えたところ、勉強不足、と謙虚におっしゃって美術館の名前を確認されたので、手元のメモ用紙に書きおいてきたところ、本当に気持ちのよい笑顔を返して見送りくださった。
名画が作る物語
今年は、琳派三巨匠の「風神雷神図屏風」を全て鑑賞できたり、思いがけず英一蝶を知ったり、伊藤若冲の世界初公開作品を嵐山の福田美術館で鑑賞し、錦通市場商店街で若冲めぐりをしたり、今回のように「年暮る」の現場で、素敵な思い出ができたり、と宝物に恵まれた当たり年だったと振り返っている。
名画と旅行は来年もときめく物語を運んでくれそうで、大事にしたいテーマであるし、念願は引き寄せを起こして果たせることがあるのだ、ということも今回強く印象に残ったので、下心のようでもあるが笑、そんなことを心がけて夢を叶えてゆきたいと思う。
ご縁あって拙文をお読みくださる皆さまにも今年の感謝と、新年が夢を叶える一年になるように念をお送りしたい。