どうしてワインは難しい?
先日、休日に旧知の同期でワインアドバイザー資格をもった友人と久しぶりに会い、色々と話をしてきた。帰りには自社の店舗にも寄って、これまたいろいろ話をしてきた。
やっぱりワインアドバイザーなんていう資格を取っちゃうくらいなので、基本的にはワインラヴァーだし、自分の愛しちゃってるものはみんなにも愛してほしいし、ってなことでそれぞれ各々の立場とか思いとかでいろんなチャレンジをしてるわけで、……そこに壁があるとね、やっぱいろいろ思うよね。
とりあえず、わが社は現在ワインの販売にまったく力を入れていない。ワインの資格とか持ってても、システムをやっているこの私がいい証拠。というと角が立ちすぎるけど、実際問題そうなんだから仕方ない。
「あー、ワインねー、そうだねー、頑張って売った方がいいんだろうけど、ムツカシイよねー」辺りが営業のみんなの結構ホンネなんじゃなかろうか。
と、そういうことを考えつつの今回の日帰り旅だったけど、大分頭の中がまとまってきたので、ちょいとまとめようかな、と。相変わらず長い前置きだ……
ワインが他のお酒に比べて難しい、というのにはまず味わいが難しい。たとえば日本酒だと甘口⇔辛口と芳醇⇔淡麗の二つくらいで大まかにタイプ分けすることが多いと思うんだけど、これだと座標軸二つで、タイプ4つだから、まぁあるよね、と。焼酎の場合は甘口はないけど(香りが甘いものはある)、その分原材料の麦とか米とか芋とかその他、に製法が若干あって(泡盛とか)でも風味を左右するのはその位。
が、ワインがまず赤白その他(ロゼ・スパークリング等)あって、赤は濃さで判断、白は甘辛とボリューム(濃さと似た概念かなぁ)だけど、単純に甘辛言っても酸味の効き具合で甘さの度合いも結構違うし、赤だって濃さと一概に言ってしまえばこれまた結構乱暴で、タンニン(渋み)なのか、果実の風味なのか、これまたバリエーションが無限にある。
んで、何が一番面倒って、ワインって醸造酒の上に、添加物(糖分等)を基本使わない上に熟成したりするもんで、一種類ごとに味が全部違うわけよ。
一種類と言うか、えっとあれだな、極端に言うと一本ごとに。
焼酎とか日本酒は○○の△△ってのが美味しかったなーと思えば、それをもう一度買って来れば結構同じくらい美味しかったりするんだけど、ワインの場合はなんせ世界で大量に色んな種類が生産されている上にヴィンテージ(収穫年〉違えば味も微妙になってたりして、一期一会なんだよね。
でも実は。
それがワインの醍醐味であったりするわけで、でもそれを言っちゃうと難しさが醍醐味? 結局マニアの飲み物なんじゃん! ってな身もふたもない話になってしまう。
なんてことを午前中に思いつつ、午後からお店に行って、POP(商品についている説明を書いた紙)の話に…… あれこれ書いてあって、分かりにくい! と店長。ですよねー。で、ふと思う。じゃぁ何が書いてあればいいんだろう?
生産国? 品種? それも要るよ。あっていいと思うよ。でもね。
自己紹介でたとえば「広島出身です」って言われても「で?」と思うか「ふーん」と思うか、どっちかじゃね? いやいや「広島出身なんだ、じゃぁ穏やかで温厚な人かな」「広島出身なんだ、じゃぁカープファン?」とか多少「広島の人」にイメージある人はそう思ってくれるかもしれない。でも私、決して穏やかで温厚なカープファンではないわけよ(すべて間違っている)
その人がもっている「広島の人に対しての知識とかイメージ」が合ってる保障がないんだな。広島人でイメージ湧いたと思うので、産地の話をもう一つ例で挙げるね。「イタリアワインは失敗がない」という人が居ました。前述の友人によると「チリワイン下さい」って来る人もいるそうです。その人の経験上多分そうなんでしょう。でもそれって「他の人にとってもそう」なのかどうかは分からない。
イタリアの例えば「バローロ」というワインがある。これは一定の基準をクリアしないとバローロと名付けられなくて、だから「バローロ」を美味しいと思った人は次から「バローロ」を飲むのは割と当たる。でも「バローロ」を飲んで美味しかったから「イタリアワインは美味しい」と思ったら、バローロ以外のイタリアワインの立つ瀬がない。
口にするものである以上、産地情報は要るよね。でもそれ以外にもっと情報が欲しいと思うものじゃないかなあ。葡萄品種もね、ワインって元々の葡萄のポテンシャルをいかにして発揮させるか、という思いで作られることが多いから、特定の葡萄品種が好きだったら、それを選ぶというのはあながち間違ってない。でも、それはある程度色んなワインを飲んで、自分の好みが分かって来だして、からじゃないかなぁ?
と、ここまで考えて、次の壁は「ワイン用語」……
なんとなく分かる言葉もあるけど、なんか難しい言葉を使いたがる人っていたりするんだよね~ でも逆に、ワインの勉強してたら、この「用語」って結構便利なのよ。特定の○○の香り、って言ったらぴんと「あれだな」って思うから。香りとか味わいって、なかなか言葉で通じないじゃない? 近いものや比喩表現で表すしかない(草の香りとかスーッとした香りとか)んだけど、ワインの勉強してたら「青草の香り」というと若くてフレッシュな白ワインに特有の「あの香り」のことだなって分かるんだな。分かるって言うか「通じる」んだよ、共通言語だから。
だから自分好みのワインを見つけて、それと近いワインを飲みたいと思ったらラベルとかネットでそのワインを調べて「どう表現してあるか」を見て控えておいて、同じような表現のワインを探せばいい。
とここまで書いて。それが難しいんじゃ!って話に戻る。そんなもん、全部書くから文字が増えて、フォントが小さくなって、読みづらいんじゃ。ですよねー。がっくり。
今日ね、某犬が鳴く電子マネーの大手の酒売り場行ったら、胸に見慣れないバッジをつけたスタッフさんが居ました。聞いたら「社内の試験に合格したリカーアドバイザー」のバッジなんだそうです。なんつーかね、あ、やっぱり専門職育てないとダメよね、と某社さんも思ったんだなぁと改めて感じました。
しかもね、ワインに……メーカーズノートというと大げさなんだけど、持ち帰り用の小さいカラーコピーのリーフレットついてた。ワインの特徴や生産国、使用品種と合う料理とさらにそれのレシピまで書いてあった。こういうのあるといいよなぁと思ってるものを先にやられると、やっぱへこむね。
あー悔しい。最後、ただの愚痴になった。すまん。うん、この悔しさをばねに、頑張って行こう。それに尽きるな。結論、これで。