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Design Scramble Cast#6 永瀬由衣さん

Design Scramble Cast」は、デザインプロジェクト『Design Scramble』が運営する参加型の音声番組です🌈 🎧 🤝

毎回様々な分野の第一線でご活躍されているクリエイターさんと、そのクリエイターさんと「お話がしたい」と応募してくださった若手クリエイターさんをお迎えして対談の様子をお送りしています。
こちらのマガジンでは、対談の内容を一部抜選してご紹介いたします。全ての内容を知りたい方は、音声番組「Design Scramble Cast」をぜひご視聴ください。

永瀬由衣さん
1991年生まれ、東京都出身。女子美術大学芸術学部ファッションテキスタイル表現領域卒業。女子美術大学在学中に株式会社れもんらいふのインターンを経験。2014年、新卒で入社。以降、デザイナーとして広告、雑誌、CDジャケットなど様々なプロジェクトに携わる。女性アーティストのCDジャケットや、アパレルブランドのカタログ、広告、香港でのイベントのメインビジュアル・空間ディレクション、俳優のカレンダー等も手掛けている。
🔗:Web, Instagram, note

1. Design Scramble Castへの応募のきっかけ

永瀬:はじめまして。れもんらいふでアートディレクター(AD)をしている永瀬と申します。本日はよろしくお願いします。

鈴木:鈴木と申します。2020年に新卒で株式会社メンバーズキャリアに入社しまして、現在はクライアント先に常駐してWebデザイン系の仕事をしております。永瀬さんの作品を拝見して、雰囲気やデザインなど、手がけられているお仕事が自分の憧れに一番近いなと思いまして、今回お話しさせていただきたく応募しました。よろしくお願いします。

2. 自分の好きなものを大切にする

鈴木:僕が仕事をしていくなかで、「自分らしさ」を持っているとクライアントさんへの提案がし易くなるなと感じている部分があります。でも今は「自分らしさ」あまりないなと日々悩んでしまっていて。永瀬さんは自分らしい表現をどのように出しているのか、本日お聞きしたいです。

永瀬:ありがとうございます。れもんらいふ代表の千原から「受け継いでいるもの」と「自分自身の中から生まれる表現」の2つの方向でお答えできればと思います。
まず、千原から受け継いでるものはとても多くあります。基本的なビジュアル表現から細かい文字の入れ方等のテクニック、あとは物作りに対する姿勢など、基本的には全てを受け継いでいるつもりではあります。お互いの好きなものや考え方などは共有しながらも、それぞれで趣味嗜好が違うので、そこから必然的に千原とはちょっと違う表現になってきているのかなと思います。

個性に関しては、私も最近ようやく見えてきた感じです。中学生のときに中川翔子さんと蜷川実花さんのコラボ写真集を見てから、写真表現の世界に興味を持ちました。そこから自分のルーツとして、「ガーリーな世界観」があるかなと。魅力的な女性アーティストの方々とお仕事させていただく機会が多くて。一言に「ガーリー」と言っても本当に様々な表現があるので、その中でまだ他の人がやっていないような表現、自分らしさって何だろうということを私もずっと考えながらやってきています。
自分の強みとして、女の子のパワーをクリエイティブに変換することが得意かもしれないって思いました。いずれにせよ自分が昔からやりたいと思っていたような表現に繋がっていることを実感して、最近はちょっと感動しています。

鈴木:過程のなかで自分のルーツを大切にしたほうがいいなと感じる瞬間があったということですよね。一方で、好きなものをデザインに繋げることを難しいなとも感じてしまいます。

永瀬:確かにそうですよね。でも自分が見てきているものって、直接的ではなくても繋がっていくと思います。例えば私も映画のワンシーンやセリフを思い出して、アイデアに落とし込んだり。そこから新しいデザインが生まれていけばいいと思っています。だから、今はまだ表現に落とし込むことまでは難しくても、好きなことは大事にしたほうがいいと思います。それがアイデアの引き出しになっていくので、自分だけの表現にも繋がっていくのだと思います。

3. チーム全体で生み出していく作品

鈴木:実際にADとしてお仕事されるとき、チームでの制作コミュニケーションをどのようにしているのか教えていただきたいです。

永瀬:れもんらいふは人数も多くなく、年齢層も比較的若い会社であることもあり、コミュニケーションをとても大切にしています。忙しい時期には特に、少しのコミュニケーションのロスが大きなミスに繋がったりもするので、チームみんなで意識を高めて丁寧に共有をしながら進めるようにしています。
ADは監督的な立場なので、自分の考えをしっかりスタッフの皆さんに共有しないといけません。でも私が現場で大切にしていることは、自分の考えの軸をしっかり置いた上で、クライアントさんや他のチームメンバーのアイデアもキャッチすることを常に心がけています。皆さんそれぞれプロなので、私だけでは生まれないアイデアが出てきたりします。それが盛り上がったとき、予定に無かったものが生まれてそのままCDジャケットの表紙になったりするので。常にみんなが楽しくて、この撮影良かったなと思ってもらえる現場作りは大事にしていますね。

鈴木:れもんらいふの方々って、実際にタレントさんやフォトグラファーの方もそうですけど、距離が近いのかなって思います。

永瀬:そうですね!(笑)やっぱり千原の巻き込み力がすごくて。みんなと仲良くなって、タレントさんとかも気軽に遊びに来たりするんです。色々な方がくつろいで帰っていくような会社なので、そこは他と違って面白いかなと思っています。そういう環境は、千原が大切にしているものですね。

4. ADまでの道のり、初めて任されたプロジェクト

鈴木:もう一つ、実際にデザイナーからADになるまでのことをお聞きしたいです。

永瀬:元々、ファッションデザイナーになりたいと思っていました。歌手のYUKIさんの衣装デザイナーになりたかったんです。それで女子美術大学に行ったんですけど、そこで大学の先輩である吉田ユニさんと野田凪さんの存在を知りました。野田凪さんがADとしてYUKIさんのCDジャケットを作っていたことをきっかけに、ADという職業があることを知りました。野田凪さんはファッションデザイナーとしても活躍されていたので、幅広く活動できる部分に魅力を感じました。それで大学2年から、れもんらいふでインターンを始めました。そこから色々な人と関わらせていただいて、ADになりたいという強い意思を作り出していったなと思っています。

その後、れもんらいふに新卒で入社してから、2年くらいデザイナーさんのアシスタントをしていました。大学ではずっとファッションの勉強をしていたので、技術が全然無いまま入らせてもらって。それは本当に修行の日々で辛かったんですけど。それでも絶対ADになりたいという意思があったので、気がつけば今10年目とかになってます(笑)。

ADとして初めてお仕事をしたのは2016年の25歳のときに、SHE IS SUMMERというプロジェクトでした。元々はバンドでボーカルをしていた、みこちゃんという女の子のソロプロジェクトです。バンドだったときに千原が担当していたものを、「ゆいゆい、やったら?」と言っていただいたんです。「え、私が?!いいんですか?!」という感じでしたね(笑)。みこちゃんとはバンド時代に仲良くさせてもらっていたり、お互いのルーツが似てたりしたんです。多分そういう部分を見て任せてもらったんじゃないかなと思います。

鈴木:初めてADとしてお仕事した際に、デザイナーとの違いだったり大変だった部分もあったんですか?

永瀬:もう大変だらけでした(笑)。それまでは千原のサポートをしていたので、実際に自分がやり始めたら何にも出来なくて。一番最初にご一緒したカメラマンの方と、打ち合わせの後にみこちゃんを含めて3人で飲みに行ったんですけど、「お前のやりたいことがわからない」と言われてしまって。本当にすみません...と思いました(笑)。でもそこで挫けたりはせずに、「もっとちゃんとしなきゃ駄目だ、でもどうしたらいいんだろう」って葛藤を抱えながらなんとか撮影をしました。チームにいた周りの方々が本当に素晴らしくて、素敵な作品を仕上げてくださって。今はそのジャケットもすごく気に入っているんですけど、当時はこれでよかったのかなって思っていましたね。

鈴木:25歳のときにそんなお仕事をするって、自分だったら自信がなくて出来ないんじゃないかって思ってしまいました。

永瀬:本当にそうでした。でも「SHE IS SUMMER、やらなきゃいけない!」と思って。あとは周りの皆さんのおかげでって感じでした。

鈴木:そうだったんですね。今日お話を聞いて、自分の好きなものを大事にしてものを作ったり、同じように僕も仕事を頑張っていきたいと思いました。なんだかこれからやっていくことが見えた気がします。本日はありがとうございました。

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永瀬さん、鈴木さんありがとうございました!🌈
Design Scramble Cast」ではその他に以下のようなお話をしています。
興味のある方はぜひこちらから聴いてみてください。

💭  アイデアの生み出し方、インスピレーション
💭  WEBから広告へのキャリアチェンジ


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「Design Scramble Cast」では毎月1つ、対談を配信予定です。
また、憧れのクリエイターさんと「お話ししてみたい」「相談してみたいことがある」という若手クリエイターの方も募集しています!
参加希望の方は、Googleフォームからぜひエントリーしてください。

それではまた、お会いしましょう👋🌷

Design Scramble Cast 公式サイト:https://designscramblecast.jp/


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