マイノリティー in マイノリティー / 参
どうもこんにちわ。メイプル楓でございます。
「別れを告げたその後が気になるのは、まだ別れていないんだよ」って酷だよな。向こうは全く気にしてなかったら、どうするんだよ?
「マイノリティー in マイノリティー / 参」をクリックしてくれてありがとう。私はアナタのその後が気になる♡
連載しているから、是非、始めから記事を読んで堪能して頂きたい。
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食事会は良い頃合いになって、ワイワイと話しが弾んでいる。すると突然、
コイツ、僕に向かって◯◯って言ったんですよ!
と、私に向かって一人のヤンキーが騒ぎだした。「外角低めに集う下々はボール球」がしきりに言っていた「おまえ、アイツに◯◯って言ったらしいな」のアイツとはこのヤンキーの事だ。
この一番ウマの合わないヤンキーは、シンナーのやり過ぎで前歯二本を失った事を「十人相手にケンカして前歯を失ったって事にしたい願望」がある程の頭の持ち主だ。
当時勤めていた社長も「またコイツか…」って顔を浮かべていた。
ちなみに、この人はめっちゃ良い人。スンゲー良い人。この人が私の青春時代を支えてくれたから今がある。機会があればこの人との出会いと、お世話になった事をブログに書いて、皆に知って欲しい。
とにかく、私がこのヤンキーに向かって差別用語を言ったと叫んで騒ぎだした。私はその言葉を知らないし、もちろん差別用語とういう事も知らない。
急にこのヤンキーが騒ぎ倒していても、私には分からない。もっとハッキリ言うと、何が起こっているのか分からなかった。
今から思うと、全く分かっていない私を他所に、会社の先輩や上司は分かっていたようだ。
私がこんなヤバいヤンキー相手に、そんな言葉を言うはずも無い。年齢だって私より年上だ。自分より弱いヤツとウマが合わないから、面白くなかったんだろう。
なんだったら、知っててこんなヤバいヤンキー相手に言うヤツは、それ以下の大バカだ。存在が平時の時でさえ有事なヤツだからな。
あの「行き場を無くした前職リストラおっさん」に理由を聞いても教えてもらえなかったのは、皆が集まるこの食事会まで、私に知ってて欲しくなかったんだろうな。
「チーム・外角低めに集う下々はボール球」で根回しをしてたんだろう…。
つまり、このヤンキーは自分の身上を利用して、私を陥れようとした。しかし誰もこのヤンキーの言った事を信じている人はいなかった。
このヤンキーを含む「チーム・外角低めに集う下々はボール球」だって分かっててやった事だ。食事会が終わった後に、皆して白々しい顔をしてたよ…。
ハッキリ言って私はニブい…。そして頭が必要以上に悪い。加え社会不適応者だ。嫌いな人間には態度にでてしまう。人と上手く足並みを揃える事がデキない。だから仕組まれた。
そしてあのヤンキーを含む「チーム・外角低めに集う下々はボール球」が私を陥れるために、画策したと分かったのはずいぶん後だ。っていうか数年経ってからだ。会社を辞めたずっと後からだ。ちなみに金さんのことも十年以上経ってからやっと理解できた。
今だから思える事だけど、もし仮に、私が差別用語だと知っててその言葉を使っていても、どうやって私が言った事を証明することができる?
もし仮に、周りにいた人達までもが信じたら、このヤンキーを含む「チーム・外角低めに集う下々はボール球」は、それを心地よく思ったのだろうか?
私を陥れようとしたあの「チーム・外角低めに集う下々はボール球」も信じられないが、私はあのヤンキーが自分の身上を利用した事を、今でも上手く解釈できない。
差別用語を言った人間は絶対に「悪」で、差別用語を言われた方が絶対に「善」。このような図式を描いていたのだろうが、彼自身に信用がなかった。
彼の中では、その差別用語は伝家の宝刀のように思っていたのかもしれない。
だけど私は思う。金さんがこの事を知ったらどう思うだろう?
彼女は14歳の時に私と出会い、それ以降も様々な人と出会い、様々な経験をしながら、様々な乗り越え方をしながら、様々な人達に見守られ、今も彼女は彼女であり続けていると思う。
被害者を演じた加害者が正しくなるのであれば、世の中の人間は全員被害者を演じたら良い。
だけど14歳だった金さんは、私に正しい在り方を今でも教え続けてくれている。
彼女は「私が彼女を受け入れた」と思ったらしいが、私は「彼女が私を受け入れてくれた」と今は思う。
在日外国人の方々には様々な事情がそれぞれにあるのかもしれない。だけど私の人生で一番最初に金さんと出会えた事は、私にとって本当に今でも大切で貴重な出会いだ。
ではまた!次号で!