中野京子「クリムトと黄昏のハプスブルグ 第3章 マカルトの時代」『オール讀物』2023年1月号
『オール讀物』2023年1月号
文藝春秋 2022年12月21日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B00AM1073C
https://www.bunshun.co.jp/business/ooruyomimono/backnumber.html?itemid=809&dispmid=569
中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第3章 マカルトの時代」
p.223-227
2023年6月12日読了
Hans Makart (1840.5.28-1884.10.3)
https://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Makart
https://ja.wikipedia.org/wiki/ハンス・マカルト
Gustav Klimt (1862.7.14-1918.2.6)
https://en.wikipedia.org/wiki/Gustav_Klimt
https://ja.wikipedia.org/wiki/グスタフ・クリムト
「ウィーンが建設ラッシュの好景気に沸いた1870年代を完全制覇した画家はハンス・マカルト(1840-1884)だ。歴史画家、肖像画家としてばかりか、ファッションデザイナー、インテリアデザイナー、ページェント監督としても活躍し、その作品は公共スペースのほぼ全てを飾ったと言われるほどだ。性格も派手で、社交界のスーパースターでもあった。「マカルト時代」「マカルト・スタイル」「画家の王」などの言葉が彼に捧げられている(「マカルト帽」なる帽子名も)。」p.223
「マカルトは[1884年10月]梅毒性髄膜炎で死去。
四十四歳の若さだった。
もしマカルトがあと二十年、いや、
十年でも長生きしていたら、
クリムトは出現していなかったのではないか…
クリムトの初期がマカルトの影響下にあったのは否定できない。
新ブルク劇場の天井画『シェークスピア劇場』がその好例。
「画家の王[マカルト]」の早い死により、
クリムトに舞い込んできた大仕事だった。
ロンドンのグローブ座で演じられた
『ロミオとジュリエット』のラストシーンを、
舞台と客席、同時に描いている。
右端、バルコニー席の下にいる三人の男性。
自画像には興味がないと言い続けていた
クリムトだが、若さの勢いか。
ここに唯一の自画像が認められる。
白いラフを首に巻いた横顔がそうだ。
…
エリザベス時代のイングランドの
服装や風俗もきちんと調べ、
歴史画としての漏れがないよう
注意深く仕上げている。
当時の人々がマカルトの後継者はクリムト、
と考えたのも道理の出来栄えである。」
p.227
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Klimt_-_Theater_Shakespeares.jpg
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「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第1章 ハプスブルグ家、延命成功」
『オール讀物』2022年11月号 文藝春秋
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第2章 ウィーン大改造」
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第5章 クリムト的エロス」
『オール讀物』2023年3・4月合併号
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「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第6章 カフェ文化」
『オール讀物』2023年5月号