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立秋 そよりともせいで秋立つことかいの 上島鬼貫(1661-1738)
今日2024年8月7日は、
旧暦2024年7月4日、
二十四節気の第十三、
立秋です。
次は処暑。
http://koyomigyouji.com/24-risshuu.htm
https://www.calc-site.com/search_dates/8/7/2024
「大暑から数えて15日目頃。
朝夕が涼しくなり、秋の気配が立つ日。
立春からちょうど半年が経過し、この日から立冬の前日までが秋。
暦の上では秋になりますが、日中はまだ残暑が厳しく1年で最も
気温が高くなる時期です。」
秋来(き)ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
藤原敏行朝臣
秋立つ日よめる
古今和歌集 巻第四 秋歌上 169
「立秋の日に詠んだ歌 「ああ、秋が来たな」と、景色を目で見たところでは、はっきりとはわからないが、風の音を耳にすれば、自ずからはっとして、秋の訪れを感知する。」
『完訳 日本の古典 9 古今和歌集』
小学館 1983.4 p.114
さやか 際立ってはっきりしているさま、冴えてくっきり見えるさま。
風の音に 風の音の方には。「ぞ」は第二句の「目には」の「は」と対応する。
おどろかれぬる 秋が来たな、と自然にはっとさせられる。「れ」(終止形「る」)は自発。「ぬる」(終止形「ぬ」)は確定事実の判断を表す。
そよりともせいで秋立つことかいの
上島鬼貫(うえしまおにつら 1661-1738)
https://blog.goo.ne.jp/5522eyes/e/97c6a74e2b278335ef9fb0de1305a31d
鮎川哲也(1919.2.14-2002.9.24)
のミステリ
『黒いトランク』1956
などに登場する鬼貫警部の名前は、
上島鬼貫からとったそうです。
小林信彦(1932.12.2- )
『オヨヨ大統領』シリーズ他では
鬼面警部に変貌しています。
神南備の御室(みむろ)の山のくずかづらうら吹きかへす秋はきにけり
中納言家持
題しらず 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 285 巻頭歌
「神南備の御室の山に生い茂る葛、その葉裏を白々と風が吹き翻す秋は来たことだ。」
『新日本古典文学大系 11』岩波書店 1992.1 p.97
家持集・秋歌。
神南備の御室の山 成語。神南備も御室も神のいます所で、大和国では飛鳥の神岳(かみおか)や竜田大社のある竜田のそれが有名で、歌枕となる。
くずかづら 葛。マメ科の蔓性多年生草本。山野に叢生し、葉は大型の三出複葉、裏は青白い。立秋をまず告げるのは風とされ、主語は風であるが、葛を中心に置いた視覚的な表現が新古今当時の嗜好に合ったか。葉裏の白は秋の色でもある。
参考「秋風の吹き裏がへす葛の葉のうらみてもなほ恨めしきかな」(平貞文 古今 恋五)。
「立秋」「初風」の歌。
大伴家持 (おおとものやかもち 718?-785)
奈良時代の貴族・歌人。
拾遺集初出。勅撰入集六十三首。
「万葉集の歌人でその編纂に関わったと考えられている。家集『家持集』の内実は万葉集抄であり、新古今入集歌も多くは家持の真作ではない。」巻末 作者名索引 p.23
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では藤原清輔と番えられている。
小倉百人一首 6 「かささぎのわたせる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける」
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/yakamot2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/大伴家持
いつしかとをぎの葉むけのかたよりにそそや秋とぞ風もきこゆる
崇徳院御歌
百首歌に、初(はつ)秋の心を
新古今和歌集 巻第四 秋歌上 286
「早くも荻の葉の向きは一方に靡き、それそれ秋が来たよと風も告げるように聞える。」
『新日本古典文学大系 11』岩波書店 1992.1 p.97
久安六年(1150)、久安百首。
いつしかと 早くとせつくさまであるが、早くもの意にも用いる。
葉むけ 万葉語の「穂むけ」に基づく造語。
そそや それそれ、ほらほら。「物を聞き驚く詞なり」(顕昭・詞花集注)ともいうが、ここは「傍らなる人に物を告ぐるにそそやといへる」(名語記[みようごき 語源辞書。経尊 (きょうそん) 著。1275(建治1)成立]の意でよい。そよそよと吹く風の擬声辞でもある。
参考「秋の田の穂むけのよする片寄りに君に寄りななこちたかりとも」(但馬皇女 万葉集二)。
「荻の葉にそそや秋風吹きぬなりこぼれやしぬる露の白玉」(大江嘉言 詞花 秋)。
「立秋」「初風」の歌。
崇徳院(すとくのいん 1119-1164)
第75代天皇(在位 1123-1142)。
仁平元年(1151)頃、藤原顕輔に命じて第六勅撰和歌集『詞花和歌集』を撰進させた。
詞花集初出。新古今七首。勅撰入集八十一首。
隠岐での後鳥羽院による
『時代不同歌合』では清慎公[藤原実頼]と番えられている。
小倉百人一首 77
「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/sutoku.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/崇徳天皇
https://note.com/fe1955/n/nce8e9a0c3675
https://note.com/fe1955/n/n3c66be4eafe5
https://note.com/fe1955/n/n56fdad7f55bb
https://note.com/fe1955/n/na3f30338eba0
五味文彦「後白河院と後鳥羽院 国王の美術」
https://note.com/fe1955/n/nfb0e8238a1ee
https://note.com/fe1955/n/n8dfcbf3d6859
https://note.com/fe1955/n/n56103ed6f3e9
https://note.com/fe1955/n/n47955a3b0698
https://note.com/fe1955/n/nbe13c3cb00d4
https://note.com/fe1955/n/n545a8520ba24
https://note.com/fe1955/n/ne79797a05ea1