酒井順子(1966.9.15- )「松本清張の女たち 第四回 初めての恋愛小説」『小説新潮』2022年11月号
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第四回 初めての恋愛小説」
鈴木美千代・画
p.366-372
2023年5月22日読了
『小説新潮』2022年11月号
新潮社 2022年10月21日発売
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松本清張(1909.12.21-1992.8.4)
「松本清張の女性誌作品[お嬢さん探偵もの]に変化がみられたのは、
『女性自身』[1959年5月29日号]にて初めての長編連載となった
『波の塔』。
「はじめて描かれる恋愛小説」と銘打った上でのスタートだった。」
p.366
「[掲載号惹句]
"点と線" の作者が世に問う長編ロマン登場
愛に生きる若き二人の青春の哀感を描く!
歴史小説、推理小説にひきつづき恋愛小説で、
決定的な作品を残そうという努力は、
この作品によってなし遂げられるだろう」
p.367
「『波の塔』は
昭和三十五年(1960)に早速、
映画化[1960年10月30日公開]される。
頼子を有馬稲子[1932.4.3- ]、
喬夫を津川雅彦[1940.1.2-2018.8.4]
というキャスティングのこの映画が大ヒットすると、
二人の逢引の場である深大寺もブレイク。
二人を真似て逢引きするカップルが激増した。
深大寺が今のように観光地化したきっかけは
『波の塔』だった。」
p.371
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「清張は小説の舞台となる地を設定するセンスに長けていた。
元々が時刻表好きで、鉄道や旅に強い興味を抱いていた清張は、
当たり前の観光地ではない場所を小説の舞台として選び、
それが読者の旅情を刺激することとなった。」
p.372
「不倫の恋と汚職事件、両方の行方を読者に夢中で追わせる
『波の塔』は、清張のミステリー・ロマンのなかでも屈指の名作
と言ってもいいだろう。」
p.370
「『波の塔』はキラキラした消費生活を提示する小説でもあった。
頼子と喬夫はタクシーを飛ばして横浜へ行って、
ニューグランドホテルのレストランで、
ジンフィーズと生のオイスターソースを楽しむという
セレブぶりを見せる。」
p.372
「『波の塔』においても、清張は
…
清純なお嬢さんを、本当の意味で泥まみれにすることはなかった。
清純なお嬢さんに対する遠慮を清張が捨てる時は、
はたしてやってくるのだろうか……?」
p.372
松本清張の作品一覧
https://ja.wikipedia.org/wiki/松本清張の作品一覧
酒井順子の掲載雑誌記事
http://www.hatirobei.com/ブックガイド/作家から/酒井順子/雑誌掲載記事
読書メーター
酒井順子の本棚(登録冊数34冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11092015
https://note.com/fe1955/n/n1474f3c18934
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち 第一回
初めての女性誌連載」
『小説新潮』2022年8月号
https://note.com/fe1955/n/n5789709a4899
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第二回 『ゼロの焦点』の表と裏」
『小説新潮』2022年9月号
https://note.com/fe1955/n/n3f15b2dc39d9
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第三回 お嬢さん探偵の限界」
『小説新潮』2022年10月号
https://note.com/fe1955/n/ncc1a2176c33c
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第五回 転落するお嬢さん達」
『小説新潮』2022年12月号
https://note.com/fe1955/n/n644b2c0ce468
酒井順子(1966.9.15- )
「松本清張の女たち
第六回 『婦人公論』における松本清張 1」
『小説新潮』2023年1月号
北村薫(1949.12.28-)
有栖川有栖(1959.4.26- )
「『ゼロの焦点』を解き明かす!」
『オール讀物』2022年6月号
https://www.amazon.co.jp/dp/B09ZCQTY1B
酒井順子
『日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか』
講談社 2023年4月26日発売 224ページ 1760円
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