小林信彦『唐獅子株式会社 小林信彦コレクション』フリースタイル 2016年12月刊 『唐獅子株式会社』文藝春秋 1978年4月刊 『唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)』文藝春秋 1978年11月刊 『唐獅子超人伝説(スーパーマン)』文藝春秋 1979年6月刊 『唐獅子源氏物語』新潮社 1982年12月刊
小林信彦『唐獅子株式会社 小林信彦コレクション』
カバーイラスト・解説 江口寿史
フリースタイル 2016年12月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4939138836
「「スター・ウォーズ」から「源氏物語」まで──ギャグとナンセンスとパロディの一大狂宴! 社内報の発刊、放送局、映画製作、音楽祭…… 大親分の思いつきで、今日も始まる新・任侠道。『唐獅子源氏物語』をも含む初の全作収録版!」
小林信彦コレクション第二回配本
洋書のペーパーバックや早川書房のポケミスみたいな縦長の判型570ページ。
第一回配本は、
『極東セレナーデ 小林信彦コレクション』2016年3月刊https://www.amazon.co.jp/dp/4939138798
でした。
『別冊文藝春秋』139号〜148号(1977年3月〜1979年6月)、
『週刊サンケイ』1980年1月3日10日合併号・1月17日号・1982年8月5日号・8月12日号、
『小説新潮』1981年5月号〜1982年8月号
に掲載された、
「唐獅子株式会社シリーズ」17篇。
「唐獅子株式会社」『別冊文藝春秋』139号 1977年春号
「唐獅子放送協会」『別冊文藝春秋』140号 1977年夏号
「唐獅子生活革命」『別冊文藝春秋』141号 1977年秋号
「唐獅子意識革命」『別冊文藝春秋』142号 1977年冬号
「唐獅子映画産業」『別冊文藝春秋』143号 1978年春号
「唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)」『別冊文藝春秋』144号 1978年夏号
「唐獅子探偵群像」『別冊文藝春秋』145号 1978年秋号
「唐獅子暗殺指令」『別冊文藝春秋』146号 1978年冬号
「唐獅子脱出作戦」『別冊文藝春秋』147号 1979年春号
「唐獅子超人伝説(スーパーマン)」『別冊文藝春秋』148号 1979年夏号
「唐獅子選手争奪(ストーヴリーグ)」『週刊サンケイ』1980年1月3日10日合併号・1月17日号
「唐獅子渋味闘争」『小説新潮』1981年5月号
「唐獅子異人対策」『小説新潮』1981年11月号
「唐獅子電撃隊員(レイダース)」『小説新潮』1982年3月号
「唐獅子源氏物語」『小説新潮』1982年6月号
「唐獅子紐育俗物(ニューヨーカーズ)」『小説新潮』1982年8月号
「唐獅子料理革命」『週刊サンケイ』1982年8月5日号・8月12日号
学生の頃(1973-78)、父が買っていた『別冊文藝春秋』で初めて読んだ時の驚きは強烈でした、抱腹絶倒七転八倒。もう五十年近く前、毎日のように映画館へ通っていた私は、毎号、貪るような気持ちで読み耽ってました。
「喜劇的想像力をどこまでエスカレートさせ得るかという試みとして、最初の一篇が書かれ、それが話題になったので、あとの暴走が始まったといえるだろう。」p.542 と、「あとがき」にありますが、
二冊目の『唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)』あとがきには、
「『唐獅子株式会社』におさめた四つの話だけで打ち切るつもりだったのを、続ける気になったのは、畏友長部日出雄氏のはげましと、雑誌『幻影城』にのっていたごく数行の批評(男性一人称のそれを書いたのが中島梓さんと知ったのは、だいぶ、あとだった)のためである。――というのは、認めてくれたのが、このお二人だけだったということでもあるが。」p.295
とありました。
「東京に生まれて、日本橋で育った私が、関西弁を書くというのはどうも無理がある。
どう考えても変なのだが、そこを押し切ってしまったのは、大坂生まれの畏友、稲葉明雄氏[1934.2.1-1999.3.17 https://ja.wikipedia.org/wiki/稲葉明雄 ]のおかげである。氏は関西の生まれであり、葬儀のときに、氏が非常に特殊な育ちであることがわかった。そういう事情がなかったなら、彼(か)の地の人々の中で特殊なPR誌(?)が出ていることを知っていても、それを実現させるなどということはとても不可能だからだ。
私の下手な文章を、みごとな関西弁に仕立てるなどということはとても無理。氏の実家の近くの喫茶店やら新宿のホテルのレストランで、こまかく直して頂けたのが、不幸中の幸いだったのである。」
p.543「あとがき」
単行本
『唐獅子株式会社』文藝春秋 1978年4月刊
裏表紙・推薦文 北杜夫 筒井康隆
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J8QCY6
「唐獅子株式会社」『別冊文藝春秋』139号 1977年春号
「唐獅子放送協会」『別冊文藝春秋』140号 1977年夏号
「唐獅子生活革命」『別冊文藝春秋』141号 1977年秋号
「唐獅子意識革命」『別冊文藝春秋』142号 1977年冬号
「雲をつかむ男」『小説サンデー毎日』1971年4月号(『早川ミステリマガジン」1972年1月号に転載)
「雲をつかむ男ふたたび」『早川ミステリマガジン」1972年1月号
「JELLIES ジェリーズ」『月刊プレイボーイ』1976年1月号
「第三話[「唐獅子生活革命」]の中のマザーグース童謡(「だれが駒鳥を殺したか?」)の珍訳は、雑誌発表のさいは二節しかなかったのだが、この単行本には、全十四節を完訳(?)して、収めた。第三話では、ほかにも、かなりの加筆がある。
東京の下町生まれの作者にとって、会話のすべてを関西弁で書くのは容易ではなく、エネルギーの半分以上をそちらに吸いとられた。作中の <私> =黒田の言葉は、大阪弁ではなく、呉から広島へと進出して <広島抗争> を生んだやくざたち独特の方言が混っている。インテリの原田の言葉は比較的、共通語(標準語)に近く、ダーク荒巻は興奮すると河内弁がひどくなるように、少しづつ変えてある。」
p.304「あとがきに代えて 喜劇的想像力の練習」
映画『仁義なき戦い』シリーズ 1973-74
https://www.allcinema.net/cinema/144227
の登場人物達の方言ですねぇ。
『唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)』文藝春秋 1978年11月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J8L0FC
「唐獅子映画産業」『別冊文藝春秋』143号 1978年春号
「唐獅子惑星戦争(スター・ウォーズ)」『別冊文藝春秋』144号 1978年夏号
「唐獅子探偵群像」『別冊文藝春秋』145号 1978年秋号
「衰亡記」『潮』1964年12月号
「中年探偵団」『早川ミステリマガジン』1969年9月号
「横になった男」『流動』1974年5月号
「甚助グラフィティ」『オール読物』1978年5月号
『唐獅子超人伝説(スーパーマン)』文藝春秋 1979年6月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J8G9K8
「唐獅子暗殺指令」『別冊文藝春秋』146号 1978年冬号
「唐獅子脱出作戦」『別冊文藝春秋』147号 1979年春号
「唐獅子超人伝説(スーパーマン)」『別冊文藝春秋』148号 1979年夏号
「わがモラトリアム」『オール読物』1979年6月号
「親子団欒図」『non・no』1978年12月20日号
「家の中の名探偵」『ミステリマガジン』1974年10月号
「鉄拐」 『笑う男 道化の現代史』晶文社 1971年7月刊
「おとなの時間」『小説現代』1966年3月号
「消えた動機」『宝石』1959年2月号
『唐獅子源氏物語』新潮社 1982年12月刊
http://www.amazon.co.jp/dp/B000J7IGHI
「〈わしらが大親分〉が光源氏に過激に感情移入した。
ギャグがギャグを呼ぶ抱腹絶倒の連作。」
「唐獅子選手争奪(ストーヴリーグ)」『週刊サンケイ』1980年1月3日10日合併号、1月17日号
「唐獅子渋味闘争」『小説新潮』1981年5月号
「唐獅子異人対策」『小説新潮』1981年11月号
「唐獅子電撃隊員(レイダース)」『小説新潮』1982年3月号
「唐獅子源氏物語」『小説新潮』1982年6月号
「唐獅子紐育俗物(ニューヨーカーズ)」『小説新潮』1982年8月号
「唐獅子料理革命」『週刊サンケイ』1982年8月5日号、8月12日号
「『超人探偵』新潮社[1981.3]
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/907005602707413
http://www.amazon.co.jp/dp/B000J80AO4
http://www.amazon.co.jp/dp/410115807X
を忘れかけた読者は、あの第五話[「大阪で起った奇妙な出来事」『小説新潮別冊』1980年冬号]の中に <野球のユニフォームを着て、泥だらけになって> いたダーク荒巻がいたことを想い出して欲しい。なぜ、そうなっていたかは、説明するまでもないだろう。
世に、 <与謝野源氏> とか <谷崎源氏> という呼び方があるが、本書は、<唐(から)・源氏> と気軽に呼んで欲しい。ただし、そそっかしい人が、唐十郎氏[1940.2.11- ]の作品とまちがえたとしても、それは、当方の責任ではない。」p.269
小林信彦(1932.12.2- )
読書メーター 小林信彦の本棚(登録冊数134冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091202