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小林信彦『映画を夢みて(ちくま文庫)』筑摩書房 1998年1月刊 『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』キネマ旬報社 2013年4月刊 鈴木清順『野獣の青春』日活 1963.4.21
小林信彦(1932.12.2- )
『笑う男・道化の現代史』晶文社 1971.7
中原弓彦『日本の喜劇人』晶文社 1972.5
中原弓彦『世界の喜劇人』晶文社 1973
『パパは神様じゃない 』 晶文社 1973.12
『東京のロビンソン・クルーソー』晶文社 1974.6
『われわれはなぜ映画館にいるのか』 晶文社 1975.2
『東京のドン・キホーテ』晶文社 1976.10
『エルヴィスが死んだ 小林信彦のバンドワゴン1961→1976』晶文社 1977.12
「生活のためとはいえ、私がいかに多くの雑文、コラムのたぐいを書いてきたかは、
『東京のロビンソン・クルーソー』[晶文社 1974]
『東京のドン・キホーテ』[1976]
『われわれはなぜ映画館にいるのか』[1975]
と、三冊の大きな本にぎっしり詰め込んで、まだ入りきらず、四冊目のこの本が生まれたことでわかる。
しかも、まだまだ余り、あと二冊ぶんぐらいあるのではないかと思う。 … コラムによって、年代記、1961年から現在までのサブカルチュア史をつくるというのは、津野海太郎氏の発想で、選択は、すべて、氏にお任せした。」
『エルヴィスが死んだ』p.256「あとがき」https://www.amazon.co.jp/dp/B000J8S24Y
「1970年12月2日(水)曇
晶文社(ここには美術出版社にいた長田弘[1939.11.10-2015.5.3]がいるはずだ)からTELあり。喜劇映画のエッセイ集を出したいという。
植草さん[甚一 1908.8.8-1979.12.2]の本が出ているサブカルチュア・シリーズの一冊だとか。妙に引き合いが多いのは、どういうわけか。不況のせいか。来年は活字の方で発展しそうな予感あり。
12月3日(木)晴
晶文社の高平という、元気のないアーロ・ガスリーみたいな人に会う。昭和21年生れというと、24ぐらいか。(注・高平哲郎氏[1947.1.3- ]。当時は一橋大学の学生だった。)小野二郎[1929.8.18-1982.4.26 私の明治大学文学部恩師]という『新日本文学』編集長の義弟だという。いきなり、晶文社の出版リストを出して、欲しい本に丸をつけろ。全部あげる、という。オモシロイ。
12月16日(水)晴
高平氏(晶文社)にあう。晶文社の本は、落語まで含む <ユーモア大全> 的なものにすることに意見が一致して、一月半ばに内容の細部を示すことにする。(注・これは『笑う男・道化の現代史』として、翌年、刊行された。)」
小林信彦『1960年代日記(ちくま文庫)』筑摩書房 1990.1 p.298-301
https://www.amazon.co.jp/dp/4480023720
1970年代に、上記8冊、あれほどの本を刊行した晶文社と、なにかトラブルがあったのか、すべて絶版。
『笑う男・道化の現代史』は、
『道化師のためのレッスン』白夜書房 1984.11
https://www.amazon.co.jp/dp/4938256746
『われわれはなぜ映画館にいるのか』は
『映画を夢みて』筑摩書房 1991.10
『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』キネマ旬報社 2013.3
になりましたが、
『東京のロビンソン・クルーソー』
『東京のドン・キホーテ』
『エルヴィスが死んだ』
は、古書店で高価ですから、入手困難。
『植草甚一スクラップブック』全41巻 1976-1980
を刊行した晶文社だから実現した、
小林信彦ヴァラエティブック三冊を、
復刊できる出版社は、いまや無いでしょうね。
![](https://assets.st-note.com/img/1667895428006-jZVgiVdmzL.jpg)
小林信彦『映画を夢みて(ちくま文庫)』
筑摩書房 1998年1月刊 496ページ
瀬戸川猛資(1948.7.5-1999.3.16)
「小林信彦の映画批評から何を学ぶべきか」p.467-470
https://www.amazon.co.jp/dp/4480033610
「花田清輝、寺山修司との論争に始まり、ジョン・フォードやマルクス兄弟といった当時日本ではメジャーでなかった監督やコメディ作品にいち早く注目し、論評。“時代”に左右されず、エンタテインメントについての豊かな知識と深い洞察力で秀れた評論を書き続けた著者の30年にわたる映画評論の集大成。」
2005年11月6日読了
福岡市総合図書館蔵書
2019年10月9日購入
アマゾン中古397円
明治大学文学部学生の頃(1973-77)、
『キネマ旬報』連載を夢中で読んでいたのが、
Ⅱ 架空シネマテーク p.93-237
です。
1 鈴木清順論のためのノート 『野獣の青春』のあとさき」
2 ハンフリー・ボガートの肖像 「ハイ・シェラ」を中心に
3 ジョン・フォードは光り輝く 「タバコ・ロード」を中心に
4 マルクス兄弟映画は五本立て
5 ビリー・ワイルダーの演出は〈一流〉だろうか?
6 ドン・シーゲルの暴力的祭典
7 B級娯楽映画を観るたのしみ 「ハニー・コールダー」その他
8 ジョージ・ロイ・ヒルの不思議な世界 「モダン・ミリー」から「スティング」まで
9 MGMミュージカルから何を学ぶか? 「バンドワゴン」を中心に
10 黒澤だけしか頭になかった
11 和製B級映画はどう作られるか
[前田陽一『進め!ジャガーズ 敵前上陸』1968.3.30
脚本 中原弓彦・前田陽一]
https://www.allcinema.net/cinema/142373
12 「仁義なき戦い」スクラップブック
「私が、つたない文章で『野獣の青春』評を書いたのは。1963年初夏で、そのころの映画ジャーナリズムには清順のセの字も見えやしない。
その文章がのったのは、『映画評論』1963年7月号だが、三年後の『映画評論』1966年11月号は、「呪文に魅入られて」という清順を囲む座談会をおこない、この辺でそろそろ神格化が始まっていることが分かる。」
p.96「架空シネマテーク 1 鈴木清順論のためのノート 『野獣の青春』のあとさき」
『キネマ旬報』1973年10月上旬号
小林信彦『われわれはなぜ映画館にいるのか』晶文社 1975.2
「石原裕次郎[1934.12.28-1987.7.17]、
小林旭[1938.11.3- ]、
宍戸錠[1933.12.6-2020.1.18]、
二谷英明[1930.1.28-2012.1.7]、
和田浩治[1944.1.28-1986.7.6]
というローテーションのうち、
和田浩治の脱落は時間の問題とみえたが、問題は宍戸錠にあった。
1963年1月といえば、日活がもうダレきった時期であるが、
ふるわない宍戸ものの
『[探偵事務所23]くたばれ悪党ども』[1963.1.27]
https://www.allcinema.net/cinema/140700
の監督が鈴木清順[1923.5.24-2017.2.13]にまわったのは、適任であった。」p.97
「ゴールデン・ウイークまえの宍戸ものとして、
『くたばれ悪党ども』と同じ原作者大藪春彦[1935.2.22-1996.2.26]の「人狩り」を、池田一朗[隆慶一郎 1923.9.30-1989.11.4]と(弟子格の)山崎忠昭[1936.9.15-1999.8]が[『野獣の青春』]脚本執筆にかかった。
監督は、<セイタロウ>(清順の本名)に決まった。『くたばれ悪党ども』の出来が良かったからというのが理由で、プロデューサー[久保圭之介]は、脚本に出てくる、蛇を見ると、かっとなって剃刀で人を斬るホモ(川地民夫の役)のキャラクターをなおせ、と命令する。蛇なんかに清順が凝り始めたらどうなるか分るか、蛇もミミズも全部いかん、と念を押した。
出来上がった映画は、きわめて耽美的な暴力的な映画であり、ユーモラスなタッチはない。成人指定を意識して作ったのを、あとで、会社の方針で一般向きに変えたため、エロとグロのシーンがカットになったという。」p.99
「[宍戸錠の]アクション・コメディーは
『気まぐれ渡世』1962.2.18
https://www.allcinema.net/person/115469
『危(やば)いことなら銭になる』1962.12.1
https://www.allcinema.net/cinema/140635
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』1963.1.27
https://www.allcinema.net/cinema/140700
『悪名高きろくでなし』1963.3.3
https://www.allcinema.net/cinema/140746
あるのみで、この他、
『野獣の青春』1963.4.20
https://www.allcinema.net/cinema/140801
のように全く別種の秀作があるわけである。
当時、ぼくはフランソア・トリュフォーの『ピアニストを撃て』[1960]
https://www.allcinema.net/cinema/18875
を見て、アメリカの古いギャング映画の徹底したパロディーであることに舌を巻いた。日活の宍戸錠コメディーにも、ああいうものになり得る要素はあったように思う。
しかしよく考えれば『ピアニストを撃て』と日活活劇との距離は、ほんの少しのように見えて、実は千里のへだたりがあったのかも知れない。」
p.366「戦後日本映画の狂い咲き 日活活劇の盛衰」
『映画評論』1963年9月号
『笑う男・道化の現代史』晶文社 1971.7
「『野獣の青春』
[1963年の]ゴールデン・ウイークまえに、そっと封切られて消えてしまった作品である。客の入りも良くなかったときいている。批評家、ジャーナリストも、あまり見に行かなかったのではないか。そういう不運な作品である。ところが、これが、秀作だったのだ。」
「欠点はあるものの、とにかく、これだけゼイタク(お金がかかっているというイミではない)な感じがするプログラム・ピクチュアは、ちょっとない。この線を伸ばしたら、鈴木清順は、貧困な邦画界で、まちがいなく、ユニークな存在となるだろう。
市川崑が古風なメロドラマ『雪之丞変化』を完全に市川流に作りかえたように、鈴木清順は、日活アクションという枠を借りて、自己の美的世界を形成している。」
『映画評論』1963年7月号
小林信彦『コラムは歌う エンタテインメント評判記 1960~63(ちくま文庫)』筑摩書房 1989.12 p.473 p.476
https://www.amazon.co.jp/dp/4480023623
「このあいだ、時間があいたので、[銀座]並木座で『けんかえれじい』[日活 1966 監督 鈴木清順]を見たら、横のアベックの男が、これで六回目だといい、女は二回目だと語り合っていた。
『吾輩はカモである』[マルクス兄弟 第5作 1933]は必ず客が入るという意味を含めて、清順作品の中で『けんかえれじい』が占める位置に似ている。『ココナッツ』[マルクス兄弟 第1作 1929]は「『野獣の青春』[日活 1963] かもしれない。」
『ワンダーランド』1973年9月号
『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』
p.115「マンハッタンに赤潮が来た夜」
![](https://assets.st-note.com/img/1667897849838-PaPx1BbUuW.jpg?width=1200)
小林信彦 『新編 われわれはなぜ映画館にいるのか』キネマ旬報社 2013年4月刊
http://www.amazon.co.jp/dp/4873764203
「1970年代のキネマ旬報に連載した《架空シネマテーク》《ニューヨークで起こったこと 1974夏 》などをメインに収録、
マルクス兄弟、ジョン・フォード、ビリー・ワイルダー、MGMミュージカル、ドン・シーゲル、黒澤明、日活活劇、
アルフレッド・ヒッチコック、クリント・イーストウッド、笠原和夫、そして植木等……、小林信彦氏の名批評のすべてを集めた決定版
【本書のための語りおろし】
対談:芝山幹郎×小林信彦 今ひとたびの「仁義なき戦い」
【単行本初収録】
植木等×小林信彦
【目次】
●架空シネマテーク
・「仁義なき戦い」スクラップブック
・ハンフリー・ボガートの肖像 「ハイ・シェラ」を中心に
・ジョン・フォードは光り輝く 「タバコ・ロード」を中心に
・マルクス兄弟映画は五本立て
・ビリー・ワイルダーの演出は〈一流〉だろうか?
・ドン・シーゲルの暴力的祭典
・B級娯楽映画を観るたのしみ 「ハニー・コールダー」その他
・ジョージ・ロイ・ヒルの不思議な世界 「モダン・ミリー」から「スティング」まで
・MGMミュージカルから何を学ぶか? 「バンドワゴン」を中心に
・黒澤だけしか頭になかった
●極私的クロニクル
・映画少年のころ
・十七歳の映画ノート 1948~49
・マンハッタンに赤潮がきた夜 マルクス兄弟の方へ
・双葉十三郎さんに学ぶべきこと
●ニューヨークで起こっていること 1974夏
●日活活劇の盛衰 戦後日本映画史の狂い咲き
●お熱い批評をあなたに
・「二重の鍵」とヒッチコック
・花田清輝氏の批評を読んで――サイコでなければいいが……
・贋作の季節――寺山修司氏の〈御返事〉への御返事
・俗物は俗物である――白坂依志夫氏の「女は女である」評を中心に……
・活劇の発想
・これらの作品はイーストウッド印です――屈辱とリヴェンジと……
・イーストウッドと娘たち――「ミリオンダラー・ベイビー」
・「荒野の決闘」
・「流れる」――架空世界の方位学
・「サイコ」
・「東京の暴れん坊」
・「ニッポン無責任時代」1
・「ニッポン無責任時代」2
・「鳥」
・「おかしな、おかしな、おかしな世界」
・「トム・ジョーンズの華麗な冒険」
・「砂漠の流れ者」――または「ケーブル・ホーグのバラード」
・ハワイで観た「地獄の黙示録」
●植木等との別れ 対談:植木等×小林信彦
●今ひとたびの「仁義なき戦い」 対談:芝山幹郎×小林信彦
装幀・扉絵・本文イラスト7枚 和田誠
小林信彦(1932.12.2- )
読書メーター 小林信彦の本棚(登録冊数134冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091202
![](https://assets.st-note.com/img/1667899100388-gxjYodfsKL.jpg?width=1200)
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6051880468219875
2021年8月30日に、アマゾンプライムビデオで、
『野獣の青春』日活 1963.4.21
https://www.amazon.co.jp/dp/B08L5N8B2D
https://www.nikkatsu.com/movie/20719.html
https://www.allcinema.net/cinema/140801
監督 鈴木清順
原作 大藪春彦(新潮社版「人狩り」より)
脚本 池田一朗・山崎忠昭
出演 宍戸錠 川地民夫 渡辺美佐子
を観ました。
鈴木清順(1923.5.24-2017.2.13)
池田一朗(1923.9.30-1989.11.4) 別名 隆慶一郎
山崎忠昭(1936.9.15-1999.8)
1974年10月5日 池袋文芸坐オールナイト
1975年2月8日 新宿ロマン劇場オールナイト
1975年6月26日 文芸坐地下
以来なので46年ぶりでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1667936270376-ZKNRSoaRud.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1667936270505-RthzwClKXK.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1667936270477-FecHrNZ58y.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1667936270343-fDFX7y9heg.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1667936270390-bBGvne7Irh.jpg)
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