池波正太郎(1923.1.25-1990.5.3)『真田太平記 二(完本 池波正太郎大成 19)』講談社 1999年4月刊 908ページ 丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)「小説作法」『好きな背広』文藝春秋 1983.8
池波正太郎(1923.1.25-1990.5.3)
『真田太平記 二
(完本 池波正太郎大成 19)』
講談社 1999年4月刊
908ページ
2011年8月24日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4062682192
「武将と武将、忍者と忍者。
真田家の命運を賭した関ヶ原の戦!
雄渾の大河小説 秀頼誕生(昭51年)から
紀州九度山(昭和55年)まで。
関ヶ原の決戦と真田家の絢爛の人間絵巻!
徳川家康の大いなる野望をはばまんとする石田三成。
日本合戦史上最大の戦いの幕は上がった。
お江をはじめとする忍びの者の死闘と
束の間の愛も描いて物語最高潮!」
『週刊朝日』
1976年11月19日号~1980年1月11月号連載
1982年12月15日号連載完結
この全集は、二段組み900ページ、
価格7,665円という豪華な造本なので、
とても自分では買えるものではありませんが、
福岡市総合図書館から借りて、一週間毎日、
長い長い物語を読み続ける幸せを満喫しました。
これで三分の二を読み終わって、残りが一冊、
900ページになりました。もう一週間楽しめそうです。
「その日の夕暮になり、下久我の忍び宿の、
屋根裏の部屋で眠っていたお江から合図があったので、
権左が隠し梯子を下ろした。
すでに、奥の小部屋から奥村弥五兵衛も起き出ている。
階下へ降りて来たお江は、弥五兵衛と共に夕餉の膳についた。
権左が支度した、熱い粟飯である。
この粟飯は、権左が得意とするもので、
干し柿と干し大根が刻み込まれていた。」
p.868「紀州九度山」
https://ja.wikipedia.org/wiki/真田太平記
「池波正太郎さんの小説に
うまさうな食べものが出て来るのは、
ひよつとすると、
[イアン・]フレミング
[Ian Fleming 1908.5.28-1964.8.12]
の影響ではないか。
フレミングの007ものはきつと読んでゐるにちがひないから、
知らず知らずのうちに影響を受けたといふのは、
充分にあり得ることではないか。
007ものの翻訳が出だしたのは昭和三十年代のはじめで、
池波さんの作品中、食べものがいちばん多く出て来る
『鬼平犯科帳』の連載がはじまつたのは昭和四十三年だから、
摂取する時間はたつぷりあつたはずである。
あんなにしょつちゆう食べもののことに言及する作風は、
池波さん以前の時代小説にはなかつた。」
「第二次大戦後、食べものがやうやく豊かになつたとき、
戦中戦後の食糧不足を存分に体験した
二つの国(イギリスもかなりひどかつたらしい)の
代表的な作家二人が、食べものを小説に書くのは
大事なことだとといふ秘訣を発見した、
といふことかもしれない。」
「池波さんはあの飢えた一時期を体験したせいで、
人生における食べものの意味を意識化することができ、
さらにそのせいで小説作法上の一大発見をしたのではないか、
そしてフレミングもまた、とわたしは考へたいのである。
違つてゐたら、ごめんなさい。」
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「小説作法」
『オール讀物』
1982年5月号
『好きな背広』
文藝春秋 1983.8
文春文庫 1986.11 p.39-46
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J7BQHU
https://www.amazon.co.jp/dp/4167138069
『快楽としてのミステリー(ちくま文庫)』
筑摩書房 2012.11 p.195-202 に再録
https://www.amazon.co.jp/dp/4480429999
https://note.com/fe1955/n/nd41726da27bb
http://swdworld.starfree.jp/syotaro/ike-nen1.htm
池波正太郎年譜 その壱 1923-1955
http://swdworld.starfree.jp/syotaro/ike-nen2.htm
池波正太郎年譜 その弐 1956-1975
http://swdworld.starfree.jp/syotaro/ike-nen3.htm
池波正太郎年譜 その参 1976-1998
読書メーター
池波正太郎の本棚(登録冊数28冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091233
https://note.com/fe1955/n/n340dc7ac9d04
池波正太郎 (1923.1.25-1990.5.3)
『真田太平記 一
(完本 池波正太郎大成 18)』
講談社 1999年3月刊
908ページ
https://note.com/fe1955/n/naa86fd8067c2
池波正太郎 (1923.1.25-1990.5.3)
『雲霧仁左衛門 忍びの女
(完本 池波正太郎大成 17)』
講談社 2000年2月刊
954ページ
https://note.com/fe1955/n/n58b2b7088b0f
北村薫(1949.12.28-)
「中野のお父さん
[池波正太郎]「白浪看板」と語り」
『オール讀物』2023年1月号
六代目三遊亭圓生「白浪看板」
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