金属の規格品を使って家具を作るという特殊趣味
サイドテーブルを設計しました。
デザインの姿勢はやや攻め気味の性格ですが、今回は将来的に販売を見据えて設計したため、あまり凝りすぎず、シンプルなデザインにしました。
シンプルなサイドテーブルを追求するとキャンプ用品などを扱っているヘリノックスというブランドが持っているサイドテーブルがかなり良いデザインだと思います。
持ち運びできる軽さを追求したシンプルなデザインが居住空間においても使いやすく、一定の需要があるように思います。
ただし、軽量な素材は形状が良くても、少しチープに感じられることが多いです。
これは、プラスチックのコップとガラスのコップのどちらが高級感があるかという感覚に似ています。
そのためシャープな見た目と重い質感という少し矛盾を抱えたようなデザインをしてみようということにいたりました。
また、基本的には家に置く家具なのであまりコンパクトになるようなギミックもそこまで求められないように思いましたので、組み立てなどもないデザインにしました。
IKEAやニトリなどの有名家具メーカーの家具を含む多くの家具は配送やストックの都合上、机であれば天板と脚が離れた状態になるほうが望ましいのですが、今回は注文が入ってから製作を始める一品生産の為、あまり与条件のことは考えず、天板と脚が溶接によって一体になったものにしました。
当然ネジやボルトを使わず、ドライバーや六角レンチなどの工具も不要です。このようなシンプルな家具は意外と珍しく、特注生産ならではの独自性を感じます。
天板は6㎜のスチールプレートを丸く切ったものを使っています。
脚は鉄の丸棒で直径は9㎜です。
脚の丸棒の太さを5㎜にするのか12㎜にするのか、はたまた8㎜にするのか考えましたが、ホームセンターで実際の丸棒を色々見て9㎜に落ち着いたというところです。
三本で立つ三脚式にするか、四本足の机にするかという論点も自分の中ではありましたが、美しさの他に精度よく安定したものにすることを考えると感覚的に三本のほうが良いと思ったのでこのデザインにしました。
ガタガタする小学校の椅子を例に出すのはあまりいいことではありませんが、4本で立っているものについては、対角線にあたる脚に少しでも長さの違いが出るとガタガタが発生してしまうものです。
ダイニングテーブルのように脚と脚の感覚が広いものや、旅館の客室に置いてあるような脚の断面寸法が大きいものなどは比較的不陸が出にくいとこに加え、腕のいい家具職人さんが作っているので時間がたっても安定感のあるものが多いですね。
テーブルの高さは49cmで椅子の高さより少し高いくらいの寸法です。
ラウンジチェアやソファ、ベンチなどに座ったときに飲んでいるコーヒーや紅茶を置くのに最適なサイズ感です。
もちろん、植物や彫刻などを置いてディスプレイ的な使い方をしても良いと思い合います。
結果的に必要なものだけで組まれた無駄の無いデザインになりました。
ありそうで意外に探してみると無い、そんな家具になったのではないかと思います。
先月から十てつ(とてつ)というメーカーでオンライン販売を開始しました。
興味がある方は是非購入して便利に使っていただければと思います。
誤字脱字あったらすいません。