完全な正円を自力で切り出す時のポイントと爪楊枝の使い方。
円やカーブの加工に足を踏み入れることでワンランク上の存在になれると思い、比較的難しい曲線の削りを各所に使ったテーブルを製作しました。
我々のように家具職人ではない一般人が正円を切り出す為に必要な設備は電動工具と作業場と薄板を加工して作った特製の治具です。
直線を切る時は丸鋸ですが円を切りたい時には電動トリマーが良いでしょう。
まずは円を切りたい板に釘や紐を駆使して下書きをします。
このとき木目をよく観察して1番綺麗な使いたいところを狙って下書きをします。
またトリマーで削る軌道上に節が来るとやや難易度が上がるので、避けれるなら節は避けといたほうがいいでしょう。
次にトリマーのベース部分がスッポリ入る特製の治具をどうにかして作ります。
その治具を下書きをした板材に釘で打ち付け、釘を中心にゆっくりと工具を動かして徐々に切り出すという段取りです。
トリマーの刃は直径10ミリのストレートビットを使います。
一度に深く刃を入れるとキックバックしてしまい非常に危険な事故になりかねないので、3ミリ刻みで徐々に削り取っていきます。
単純計算で24ミリの板を切り出すときには3ミリ×8周前後で切り出します。
1周トリマーを回し、刃先の出幅を調節して2周目を回します。
刃先の出幅を調整するときは必ずコンセントを抜いて、削りカスを1周ごとにしっかり掃除します。
治具と板の間に削りカスが潜り込んだままトリマーを回すと軌道が安定せず失敗に繋がります。
この切り出し方だと、円の中心に治具を固定するための釘穴が開きます。小さい穴なのでそのままにしても良いですが、爪楊枝をハンマーで打ち込み研磨で面あわせをすることで釘穴を限りなく消すことができます。
爪楊枝を打ち込む時にボンドを使うと塗料はじき現象が起こる可能性があるので接着剤を使わずに打ち込むのがポイントです。
この記事で重要なところは節ありの材料の節なし部分を使うというところです。
節ありと節なしでは結局仕入れ値に差があり節なしの方が当然高いです。
それは見た目の問題もありますが加工のしやすさも大いに関係があります。
木材は鉄やプラスチックとは違って素材の内側が均一ではないという特性があります。
そのため出来るだけいい材料を選んで買ってきて、その中でいい部分を使うという考え方があります。
ちなみに同じ商品の製材でも反りやねじれの状態は一つ一つ違いがあり酷いものはもう大変な変形具合です。
なんやかんやで難しい足も形になりました。
また何かあったら記事書きます。
おわり