【ドイツ事情】ドイツ人は謙遜しない? #249
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Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。
毎週水曜日はドイツ事情について、私の体験も踏まえてお話しています。
先週はドイツでは「三度目の正直」は通用しない!?というお話をしました。
今日は「ドイツ人は謙遜しない?」というテーマでお話します。
もちろん、絶対に謙遜しないわけではありません。
ただ、日本の「謙遜文化」とは明らかに違うのです。
たとえば、ドイツ人のお宅に招待された時、
「素敵なお宅ですね。」と言えば
「そうなの、とても気に入ってるんですよ。」
「きれいなお嬢さんですね。」と言えば
「ありがとう。自慢の娘なんです。」
「お料理お上手ですね」と言えば
「お料理は大好きなんですよ」
「とてもおいしかったです。」と言えば
「よかった、嬉しいです。」
のようにことごとく肯定的な返事が返ってきて驚きました。
日本なら
「素敵なお宅ですね。」には
「いえいえ、もう結構古いんですよ。」
「きれいなお嬢さんですね。」には
「いえいえ、そんなことないんですけどね。」
「お料理お上手ですね」
「お恥ずかしいです。まだまだです。」
「とてもおいしかったです。」
「お口に合いましたか?」
などの返事がイメージできるのではないでしょうか。
日本へ来たドイツ人の知り合いが初めて日本の家庭に招待された時、
奥様に「なんにもありませんがどうぞ。」と言われて家にあがったら
ご馳走がたくさん用意されていて驚いたと言っていました。
お腹いっぱいご馳走になって帰る時、さらに「お粗末様でした。」と言われて困惑したと説明してくれました。
これらの日本語の表現は、文字通りの意味ではなく、奥深さや謙虚さなど伝統的な日本の心が含まれていて、より丁寧な態度で接しようとする表れです。
謙遜が通用する文化は複雑で奥が深いため、なかなか理解するのは難しいことでしょう。
どちらの文化も良いところがありますので、尊重し合うのが良いですよね。
謙遜が行き過ぎたり、卑下しすぎたりするのもよくありませんが、欧米型のほうが簡単で分かりやすいからといって安易に真似するのも問題です。
自分の文化をもっと知って説明できるようにしておきたいなと思います。
皆さんはどう思われますか?
それでは、また明日。
Bis morgen.
Tschüs!