【ドイツ事情】仕事より大事な Urlaub(バカンス) #118
Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ.
白井宏美です.
毎週水曜日はドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています.
第113回では『暑ければ授業なし!?Hitzefrei(暑気休み)』についてお話しました.
今日はドイツの Urlaub についてお話します.
Urlaub は休暇,バカンスのことです.
もう少し詳しく説明しますと,個人が会社・官庁・軍隊などから許可を得てもらう有給休暇のことです.
ドイツでは最低24日間の年次有給休暇が義務づけられていて、30日間もらえる場合も多くあります.
これに対して,学校・裁判所・議会など公共機関の一定期間の休暇は Ferien と呼ばれます.
Urlaub はとても重要視されているんですよ.
ドイツ人の友人の家に行った時,まだ Urlaub まで数か月あるにもかかわらず,壁のボードに旅行鞄につめる物をリストアップしたメモが貼ってありました.
私が訪問している最中でも,持っていくものを思い出したら,その都度メモに書き加えていました.
Urlaub をどう過ごすかということは,最重要事項のひとつなのです.
また,日本のように有給を取りづらいという雰囲気は全くありません.
きっちり使い切ります.むしろ有給を取らないほうが変な目で見られるほどです.
会社では誰かが休みに入っても仕事が分かるようにファイル等を共有していたり,担当を引き継いだりしていますが,本人にしか分からないことは「担当者は休みだから」と平気で待たされることは当たり前です.
郵便物が届くのも時間がかかったり,町のいろんなお店も Wir machen Urlaub(休暇中)という張り紙が貼られて2~3週間閉まったままだったりします.
私はよくドイツ人と共同研究をしているのですが,共同研究者が Urlaub に入れば連絡が途絶えます.
仕事よりも Urlaub が優先されるのです.
メールを送っても「○月○日まで休暇中です.」という自動返信があるのみです.
日本では休んでいてもメールをチェックする人が多いのではないでしょうか.
人気のある旅行先は,国内ではバルト海の海岸,バイエルン・アルプスなどで,国外ではスペイン,イタリア,オーストリア,カナリア諸島,クレタ島などがあります.
日本人は観光名所をできるだけ沢山見て回ろうとしますよね.
10日間でヨーロッパ一周なんてツアーがあったりして,毎日スーツケースの荷物を出したり詰めたり大忙しですが,ドイツ人はたいてい一か所に2~3週間とどまります.
ハイキングやサイクリングを楽しんだり,海辺のテントに入り波の音を聞きながら読書したり,昼寝したり,夕日をながめたりしてゆったり過ごします.
オンオフの切り替えをしっかりできるのが,ちょっと羨ましいと思うのですが,皆さんはどう思われたでしょうか?
それでは
Schönen Tag noch!
Tschüs!