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【ドイツ事情】いくら回しても開かない鍵!#89

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※ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています.

Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ.
白井宏美です.

毎週水曜日はドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています.

今日は,ドイツの「いくら回しても開かない鍵!」というテーマでお話します.

私が初めてドイツへ行ったのは大学生の時で,ハイデルベルク大学の1ヵ月夏期ドイツ語講座に参加しました.

1か月間住むところは,普段はハイデルベルク大学の学生さんが住んでいる下宿でした.

その学生さんが夏休みで旅行へ行っている間,私に部屋を貸すという仕組みになっていました.

そのアパートメントに着いて,管理人さんから鍵をもらってドアを開けようとしたら,まさかの事態になったのです!

何の疑いもなく,日本でやっていたように鍵をドアのカギ穴に差し込んで回してガチャっと音がしたらドアノブを持って開けようとしたのですが,開かないのですよ,これが!

そもそも日本のドアノブのように回ったり動いたりしません.

「え,どういうこと?」と思って,鍵を回してみると右にも左にもグルグルグルグル2周も回るのですね.

でも,いくら回しても開きません.

回って止まったところで開けようとしてもダメです.

右に回してみたり左に回してみたり,ドアノブを押したり引いたり,ガチャガチャガチャガチャ,鍵と格闘すること20分!

「もうこれはダメだ」と思って管理人さんのところへ行って聞きました.

結局,鍵を左へ2周回して,さらに10度ほど回さなければならないことが分かりましたが,これがやってみると難しいのです.

鍵を2周回すところまでは軽く回るのですが,一旦止まる所があるんですね.
そこをさらにグイッと力を入れて10度ほど回して力をキープしたままドアノブを押すとやっと開きます.

まさか,鍵を開けるだけでこれほど体力と気力を使うとは思ってもみませんでした.

慣れるまでは毎回,鍵を開けるのがストレスになっていたほどです.

その後,アウクスブルクやブレーメンでホームステイしたり,博士号取得のためにハノーファーに滞在したりした際の玄関の鍵は,またどれも微妙に違っていて苦労が絶えませんでした.

大げさに聞こえるかもしれませんが本当なんです.

左回しだけかと思ったら右回しだったり,カギを斜め10度ほどにする時に、ドアやドアノブを押しながら、もしくは引きながらでないと回らない場合があったり,90度横で開く場合など,とにかく一筋縄ではいかないのです.

ホテルでもカードキーではなく,このような伝統的な鍵が使われていることも多いので,開け方の確認と練習は必須です.

このようにドイツにいた時はさんざん苦労させられたのですが,日本に帰ってきて久しぶりに鍵を開け閉めするとなんだか簡単すぎて,今度は不安になりました.

もっとグルグルグルグル回してしっかり閉めたいと思ってしまう自分に困っています.おかしなものですね.

それでは,また!
Bis dann!
Tschüs!

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