【ドイツ事情】食器洗剤の泡を洗い流さない!#170
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Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ.
白井宏美です.
毎週水曜日はドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています.
先週の第165回では「絶対、鼻をすすってはいけない!」というテーマでお話しました.
今日は、ドイツでは「食器洗剤の泡を洗い流さない!」というテーマでお話します.
ドイツのホームステイ先で初めてホストファミリーの食器の洗いかたを見たときは本当に驚きました。
たいてい食器洗い機が使われていましたが、たまに手洗いの時もあり、シンクにためた水の中に少し洗剤を入れて泡立てたあと、汚れた食器を入れていきます。
ここまでは普通に心穏やかに見ていたのですが、そのあとの行為に目を疑いました。
ブラシで洗ったあと、泡がいっぱい付いたまま水切りカゴに入れていくのです!
「えっ?いつ水ですすぐの?」と思っていたら、すすぐことなく布巾で拭き上げておしまいでした。
次のホームステイ先でも全く同じ洗い方でしたし、ドイツだけではなくイギリス、北米、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどもそうだと聞きました。
理由はいろいろあるようです。
洗剤の泡を付けたまま布で拭き上げたほうがグラスなど食器がピカピカになるとか、
硬水なので水ですすぐと石灰成分が白い斑点になって残ってしまうからとか。
ドイツの水質に関しては第30回と79回の放送でもお話しました.
いずれにしても、水は必要最小限に使うことが習慣づいているからだと考えられます。
世界を見渡せば、むしろ日本のように気兼ねなく、惜しむことなく水を使える国のほうが珍しいかもしれません。
東京都水道局によりますと、日本ではすでに江戸時代から上水が建設され、人々はそこから水をくみあげて飲料水・生活用水として使用していたというのですから驚くべきことです。
また、株式会社ジャパンウォーターによりますと、現在、日本は水道システムの普及率が97.5%で、さらに水質の良さなどの観点からも主要先進国の中でも、一、二を争う高度なシステムだとのことです。
実は、なんとも思わず流水ですすげることは、とてもありがたく贅沢なことだと気づかされました。
食器を流水で一つ一つすすいでいるのは日本ぐらいかもしれません。
「湯水のごとく・・・」なんて表現が通じるのも日本ぐらいでしょう。
恵まれすぎているがゆえに、水が本来どれほど貴重なものなのかを忘れがちではないでしょうか。
全く洗い流さないのもどうかと思いますが、必要以上にすすいだり、水を出しっぱなしにして洗い物をしたりしないよう、水の無駄遣いには気を付けたいものです。
皆さんは、どう思われますか?
それでは、このあとも素敵な1日を!
Schönen Tag noch!
Tschüs!