【ドイツ事情】そこにいるだけでは認知されない #303
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Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。
毎週水曜日はドイツ事情について、私の体験も踏まえてお話しています。
前回は「日の光は浴びられるだけ浴びる」というテーマでお話しました。
今日はドイツでは「そこにいるだけでは認知されない」というテーマでお話します。
日本では中学や高校だけではなく大学でも出席をとることが当たり前と思われていますよね。
ドイツの大学では普通、出席などとりません。
では、出席していることがどのように認知されるのかというと、発言した時です。
質問したり意見を言ったりして初めて、出席していると認知されます。
もちろん、大教室での講義では全員が発言するわけにはいきませんが、特にゼミなどでは黙って座っているだけでは「そこにいない」という扱いをされてしまいます。
教授にも他の学生にも、存在を認知されないわけです。
また、会社での会議も、本当に参加が必要な人だけ、つまり発言する人だけが参加します。
日本のように「とりあえず顔を出しておかないといけない」というようなことはありません。
発言しないでただ座っている人は会議には必要ないのです。
さらには、量販店は別として、洋服やバッグなどの専門店にも日独の違いが表れています。
日本では「お客さんがそのお店に入ってきた」ということがコミュニケーションの開始であり、それを受けて店員さんが「いらっしゃいませ」と言います。
ドイツではお店に入ってきただけではコミュニケーションの開始と捉えられません。
Guten Tag! などと挨拶して初めて店員さんにお客さんだと認知されるのです。
ですから、ドイツで専門店に入る時は、必ず自分から挨拶してくださいね。
以上のように、日本では「そこにいる」ということに意味があり、他の人に認知されるのですが、ドイツでは「そこにいるだけでは認知されない」のです。
言葉を発して初めて相手に認知されて、コミュニケーションを開始することも可能になります。
皆さんはどのような感想を持たれましたか?
それでは、このあとも素敵な1日を!
Einen schönen Tag noch!
Tschüs!
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