【ドイツ事情】「ネズミ」と呼ばれて #147
※ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています。
Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ.
白井宏美です.
毎週水曜日はドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています.
前回(第143回)では「靴を脱がない理由」というテーマでお話しました.
今日は「ネズミと呼ばれて」というテーマでお話します。
このタイトルを見たとき、いじめられたか、またはひどい目にあった話かと思ったかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
それが全く逆で、愛された、良くしてもらった話なのです。
ただ私自身、最初はそれがわからなかったんですよね。
皆さんは「ネズミ」って呼ばれたら、どんな気持ちになりますか?
私が二十歳すぎにドイツでホームステイしていた時のことです。
ホストマザーが私のことを
Meine kleine Maus!
って呼ぶのです。
直訳すると「私の小さなネズミ」となります。
ホストマザーの言い方や態度などから悪気がないことはわかるのですが「ネズミ」って言われるのが嫌で、ドイツ人の友人に話してみると「そのホストマザーはいい人よ。Hiromi のことを可愛がってくれてるのよ。」と教えてくれました。
実は、ドイツでは彼女や子供に対して「かわいい子」という意味合いで Maus と呼ぶのです。
さらにバリエーションがあって Mausi とか Mäuschen ともよく呼ばれました。
確かに語尾を少し変えて Mausi にするとかわいらしい感じにはなりますが、ネズミはネズミですw
Mäuschen の -chen は名詞につけて中性名詞をつくるものです。「縮小の後つづり」とも呼ばれ、小さいもの、愛らしいものを意味します。
このMäuschen は日本語でいうなら「ネズミちゃん」みたいな感じになります。
頭ではわかっても「ネズミ」と呼ばれるのは最後まであまり嬉しくはありませんでしたw
ネズミってそんなにかわいいでしょうか?
それぞれの文化で作られたイメージは簡単には変えられないものだと思ったものです。
皆さんはどう思われますか?
それでは,また明日。
Bis morgen.
Tschüs!