【ドイツ事情】「三度目の正直」は通用しない!? #245
Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。
毎週水曜日はドイツ事情について、私の体験も踏まえてお話しています。
先週は「カーニバルにもいろいろある」というお話をしました。
今日は、ドイツでは「三度目の正直」は通用しない!?というテーマでお話します。
ドイツにも「三度目の正直」と似たようなことわざはあるのです。
"Aller guten Dinge sind drei."というもので、二度やってダメでも、三度目挑戦してみようと背中を押してくれるようなことわざなのですが、実際は通用しないことが結構あるのです。
たとえば、大学入学資格試験の Abitur(アビトゥーア)を受けることができるのは原則1回で、必要に応じて2回までは受験可能ですが、3回目はありません。
日本のように何年も浪人することはできないのです。
また、医師免許試験など特定の職業に就くために必要な資格試験も、受験の機会が2回までしかない場合があります。
連邦軍の入隊試験も2回までです。
他にもあります。
ドイツで正規に留学するためには、合格しなければならないドイツ語能力試験があるのですが、その代表的な DSH と TestDaF も受験できるチャンスは(大学や語学学校によって異なることもありますが)原則2回までです。
私の場合、ハノーファー大学で博士号を取った時も、この「三度目の正直」は通用しないという状況に直面しました。
Doktorandin(博士論文執筆許可者)として受け入れてもらえるかの審査もチャンスは2回までと言われ驚きました。
Doktorandin になれたあと、単位や成績など必要条件を揃え、博士論文を書き上げ、最終口頭試問を受けるのですが、合格できなかったり、もし何かの理由で中断してしまったりすると、やり直し(再挑戦)はあと1回しかできないということで、緊張が絶えませんでした。
いずれも三度目はなかったのです。
ただし、これは州や時期によって違う場合があるかもしれません。
ドイツ人の友人に、「日本では何度でも大学も資格試験も受けられるので、何年も挑戦している人が多い」という話をしたら、「三度目はないというほうが吹っ切れていい、他の分野で自分の才能を見つけるために早めに軌道修正できるからいい」と言っていました。
皆さんはどう思われますか?
明日は祝日ですから、次は金曜日に。
Bis Freitag.
Tschüs!