ウィークエンド
恵比寿ガーデンシネマで鑑賞。LGBTQの映画祭、レインボーリール東京でチラシをみかけて気になっていた作品。数年前、同映画祭で1回だけ公開していたらしい。2011年イギリス作品、アンドリュー・ヘイ監督。本作は英国インディペンデント映画賞を受賞。ネタバレ注意!
あらすじ:金曜の夜、友人たちとのパーティのあと、ラッセルは一夜限りのパートナーを求めて立ち寄ったクラブでグレンを誘い出すことに成功し、2人はともに週末を過ごす。ライフガードとして働く孤児のラッセル、アーティストを目指す皮肉屋のグレン。2人だけの時間を過ごす中で、ラッセルとグレンはお互いのこだわり、切実さを学んでいった。そんな2人だけの週末が終わろうとする中、ラッセルはグレンからある事実を知らされる。映画.comより
SXSW - サウス・バイ・サウスウエスト テキサス州オースティンで毎年開催される音楽・映画の大規模イベント。2011年オープニングはダンカン・ジョーンズの「ミッション・8ミニッツ」と「ウィークエンド」が話題をかっさらったのでした。
"SXSW can feel very male, very straight and very white, and though it's a great festival, when you have a film that's different it's hard to find your place."
SXSWは自体は80年代から続く質の高いイベントでクリエイターにとっても注目をあびやすい。それでもヘイ監督は「SXSWは白人・男性・ストレートっぽさがあるので、枠からはずれた作品は身の置き場にちょっとこまる」点を指摘している。監督、実は若かりし頃からブラック・ホーク・ダウンやグラディエーター、モナリザ・スマイルなんかにもアシスタントエディターとして参加しているつわもの。最近は「荒野にて」「さざなみ」あたりが新しいけど、どちらも私は未見。ただ、本作をみてびっくりしたのは「いい意味でゲイゲイしい作品なのでストレートのひとがみてよいのか」ということ。調べたらヘイ監督同性婚してるじゃん。実体験かよ!!
100分もない短い映画で、金曜の夜にであったふたりが過ごす2日間を淡々と描く。数日だけの恋の話、なんていいうとビフォア・サンライズ と比較されがちですが、あの雰囲気が好きなかたにはオススメです。字幕も昨年話題になった「ゴッズ・オウン・カントリー」と同じ方なので安心。
グレンとラッセルの雰囲気が柔らかくてよい。身に覚えのある会話と関係性、クローゼットで世界を隔ててしまうくせ。背が低いグレンのキスの仕方がとにかく可愛く、ラッセルの大型犬ぽさを強調している。そんでグレンのほうが押しが強いです。ちっこいほうが攻めがちって私のツボすぎる。
カムアウトしていてもちょっと居心地の悪そうなラッセル、クラブで別の相手と絡んでいるとき合ってしまう視線、トイレでの品定め、二度とあわないかもしれない相手との語りあい、ストレートとつるむ罪、つるまない罪、求めている居場所、探してない居場所、グレンの向こう見ずな優しさ(カムアウトの練習)ひとりで泣く、モーニングコーヒー、秘密のいいあいっこ、背中をおしてくれる友人、もてなくても愛しい家族、このあたりは100回くらい(わかる~~~~)ボタンを脳内で押していた。ヘイ監督、ずるいね。
愛とはなにか? 「ひとりでも決して独りではないこと」
監督の言葉がすっとしみてくる。
ふたりのこれからはわからない。思い出は綺麗なままでサヨナラになるのか。ラストショットの美しさは言葉にできない。
"I saw you, I thought you were out of my league"
"Are you happy ?" " I'm absolutely fine"
"Don't presume that you understand me"