突き放す愛情

※ブログお引越し中につき過去記事です。

2020年5月4日

私は三姉妹の長女である。
次女も三女も嫁に行っている。

下2人が嫁に行ってからというもの
ご近所住民や親戚群がこぞって私の独身貴族っぷりを気にかけるようになった。

私自身は大して結婚願望が強いわけではなく
カクカクしかじかな理由で、なかなか結婚というものに憧れを抱けないでいたので
正直なところ大きなお世話ではあったが

長らく抱いていた 自立願望 を
簡単に変換したものを 結婚願望とし
正式に婚活を始めたのが去年、36の歳である。

妹2人のうち、三女には4歳になる息子がいる。
長年の闘病生活と激しい不妊治療の末に授かった、奇跡のベビーであった。

生まれてからも闘病生活が続いていたことにより、実家にいる私も 散々エア子育てを経験させてもらい
既に我が子のような気持ちで生活している。

もはや、甥っ子の存在が
私の結婚願望をさらに激減させていると言っても過言ではなかった。
なんせ、我が子のような愛おしい存在がすぐそばにいることにより、心が満足してしまっているからである。

元々憧れも消え失せつつあった結婚生活は勿論のこと、それまでの面倒くさいステータスに興味が湧かなくなった。

それを払拭したのが、次女の妊娠である。
彼女も 三女ほどの壮絶さはないものの、不妊治療の末に授かった新しい命。

弟妹ができることのない甥っ子に
待望の従弟妹ができるという進展に我が家は大喜びなんであった。

私も嬉しいことに変わりはない。
それ以上に、びっくりするほど寂しい気持ちになっているのも事実であり
きっとその寂しさは、妹にも母親にも伝わらない。

いや、正確に言うと
伝えられない。伝える気がない。

私は、2人が嫁に行った時よりもずっと
取り残されたような気持ちを味わっていて

私にはわかるはずのない
お腹に命が宿っている喜びや
悪阻の大変さを日々語り合っている3人の横で

スタートラインにも立てていない情けなさと
自分に出来ることは何もない という現実を
目の当たりにしつつ

暇を持て余す甥っ子と、遊び続けるだけ。

甥っ子がそばにいてくれて
私は色んな意味で本当に救われている。

私はこの37年間
仕事以外のことを何一つ自分だけの判断でこなせなかった人生だと
心のどこかでずっと思っている。

心配症で過保護で
とりわけ特に私に対して過干渉な母が
いつも先回りして何もかも手を出してしまう。

有り難いと感じていない訳ではないにしろ
いつまで経っても自立できていないように感じて、とても情けなかった。

決して自由を欲している訳ではない。

娘が自立するために、突き放す愛情というものが我が家には存在しないということが
とても苦しかった。

生まれてくる新しい命や
私を叔母という存在以上に慕ってくれる甥っ子
母になる妹達のために

私が姉としてしてあげられることは

なんなんだろうと毎日考える。

妹や妹の友達、
近所の子供(だった)みんなに
次々と恋人ができたり結婚したり子供が生まれたりする噂や報告を小耳に挟むたび

みんな
どうやって出会って
どうやって付き合って
どうやって家族に認めてもらって
どうやってそこまで到達したんだろう

どんな気持ちで相手を家に連れて来るの?
本当に親は賛成してくれてるの?
どうやって説得したの?

と 本気で思っている

37歳、春なのでした。

私は想像するだけでビクビクしているよ。
とは言え、春は程遠い。

アーメン。

いいなと思ったら応援しよう!