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安心できる場所

ミッションをコンプリートして、無事に帰ってきました。


最寄り駅で母が待っていて、家まで送ってくれる短時間では語り尽くせない9日間の思い出を爆弾トークのように注がれて溺れた。

長らく一人で頑張ってくれた恋人タミオ君が、その日夜ご飯を用意してくれていた。
そんなことを母には伝えていなかったし、移動中は主に飛行機モードにしていて連絡もろくに取り合えないので、もうどうしようもなかったんだけど


母が気を利かせて買っておいてくれたお弁当とともに迎えに来てくれたので、まだ家にいたタミオ君のお迎えを断って、用意してくれていたカット済みの野菜をジップロックに閉じ込めて、炊いてくれたご飯はお弁当の分を残して冷凍した。

タミオ君にはとても申し訳なかったけど
母が【良かれと思って】してくれることは大概が強行突破なのでどうにもならなかった。ありがたいのに。ありがとうとは言うけれど、みたいな話。


家についてからも喋り続ける母に
タミオ君が冗談交じりに『泊まっていきますか』なんて言う。

『いやいやヤメテ』と本音が漏れる。

『感動の再会を邪魔してごめん』と、笑いながら母は言う。帰るまでに3回以上言った。本当に思ってるかもしれないけど、それでも止まらない爆弾トーク。私は寝不足と疲労で意識が朦朧としているし、体中が浮腫んでいてアッチコッチが凝り固まっていて、電車でドア横の手すりを使って背中をほぐしながら帰ってきた挙句に、9日ぶりに再会するタミオ君と【ただいま】以外の会話を交わせないまま30分以上母のトークを聞いた。

聞いた、というか もう 夜勤明けの出張帰りに受ける母の爆弾トークほど頭に入ってこない会話はない。


母が帰った後、母が買ってきてくれたお弁当を一緒に食べる。
明日の朝のパンも買ってくれていた。

ありがたいと心底感じなければならない と自分を奮い立たせるような複雑な気持ち。それでもタミオ君の横に座って、違う種類のおかずを分け合いながら食べたお弁当は美味しかった。

ただ寄り添って座っているだけで、少し疲れが取れるというか まぁ疲れは取れないけど、力が抜けるのがわかった。

ずっと意図せず体中に力が入っている。
そりゃ凝り固まって動けなくなるわけだ。


いつもの寝る時間も越えた頃。

落ち着いて、ハグしてハグされて
改めて『おかえり』と言ってもらい
改めて『ただいま』と伝えられて

あー帰ってきたな、と思った。

今回の出張では宿の皆様ともだいぶ心の距離が縮まって、逆ホームシックも強めに発症していたけれど


途中、毎度の母の爆弾トークは挟んだものの
帰ってきた家には恋人がいて
安心できる場所があるということの有難さを実感した。


宿では高さの合わない枕で首を痛めていたので、出張後半の4日間ぐらいは頭痛が止まらなかった。枕のせいだとわかってからは、枕を使わなくなって改善の兆しはあったものの、常に首筋をグリグリしていないと頭がグアングアンしちゃっていた。

翌朝も頭痛で目覚めるなどして、タミオ君が早朝からマッサージをしてくれた。頭を圧迫されて、首を揉まれて、背中をほぐされて、体中の違和感はさすがにすぐには直らなかったけど、嘘みたいに頭痛が消えた。


恋人同士の交わりが叶ったのは、体力もだいぶ回復した翌日のこと。
最近は寒くて上の服を着たまま及んでしまうケースもあったけど、その日はお願いして全部脱いだ。全身で可能な限り体温を感じたい気持ちだった。

定期的に重なれることも大事だけど
できない状況が続くというのも、ある意味スパイスになるのかもしれない。

私は抜け切れていない疲労により、頂点に達することはできなかったけれど、とても満足だった。
タミオ君はそれを気にして翌朝も挑んでくれたけど、結局途中であらゆる場所が痛くなってしまって断念。

心の安定も大事だけど
身体の不調も、響いてしまうもんなんだな。

それでもやはり、触れ合えることや、重なり合えることに喜びを感じられることは変わらない。繋がっている安心感と達成感は、必ずしも比例はしない。私に必要なのは達成感では、ない。

このあたりの話はどこかで追々綴りたいこともあるんだけど、また今度。



9日間空けていた家は、特別どこかが汚れているわけでもなく、キレイに使ってくれていた(掃除もちゃんとしてくれてた)んだなと思った。

唯一、台所の排水溝ネットが変えられていなかったぐらい。それ以外の場所は、たぶん私が普段何気なくやっていることを同じようにこなしてくれていた様子。

『たくさん買い物しちゃった』と事前宣告されていた通り、そこら中に買い足された食料や調味料がしまってあった。部屋の片付けには一切手を付けられなかったようだし、買い足したものの台所に仕舞い切れなかった食料は部屋にも積まれていた。(ぉぃぉぃ


でもまぁとりあえず、家をキレイに保ってくれて、本人も元気でいてくれて、初めての一人暮らしなんだし それで充分か と思った。

毎日洗い物を頑張った手はアカギレでガサガサの血だらけになっていて、私が手荒れケアに使っているメディカルクリームも ヒリヒリしちゃって使えないと言っていた。

その日から今日まで4日間。どんな状況であれ洗い物は私が担って、朝晩プロペトを塗った。ワセリンはしみないけど ベタベタになるので、ハンドルが汚れないように朝は私が手の甲だけに塗って見送った。

数えきれないぐらい割れちゃってた傷はほとんどなくなって、細かい瘡蓋と乾燥だけになった。だから今朝からメディカルクリームに移行した。


今我が家では業務スーパーで買った、68円の激安食器洗い洗剤を使っている。たくさん使わないと泡立ちが足りないし、寒いからお湯も使う。そりゃ荒れるよね。9日間出張先で上げ膳据え膳だった私は手荒れが治ったし、その代わりに日頃から乾燥しているタミオ君の手がバッキバキに割れた。

せめて手に優しい洗剤に変えておけばよかったな、68円を使い果たしてからにしようと思ってまだ出してないけど、実はあるんだ。


そんなこんなで、お互いが普段は受けないダメージの補修に奮闘した4日間。日曜日はお休みが被ったので、二人して人生初IKEAにも潜入したけど 長くなっちゃったのでまたその話は今度。


私も疲れたけど、タミオ君も疲れただろうな。

どうやって一人で頑張ってたんだろうかと思うぐらい、私が帰ってきてからはまたすぐ寝ちゃう生活に戻っているけれど。

でもこうして、離れて過ごすとか、一人で頑張るとか、お互いが普段やってくれていることを代わりにやるとか、そういう機会をあえて作ることも大事だな と思った。

それはきっと、当たり前のように一緒に居られているからこそ感じられることであることも わかる。


出張 is 一石二鳥。
今後も出張依頼は変わらずドシドシ引き受けよう。


1月ももう終わりですね。
毎日時間が経つのが早すぎるな。

大事に過ごそう。


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