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花の都TOKYO!

2年ぐらい前に出張で行った品川以来のTOKYOでした。

その日早めに終わらせてもらえた恋人タミオ君を連れて、幼馴染の結婚式に参列すべく、二人揃って仕事終わりに新幹線に飛び乗った。


名古屋駅で買った、冷え切ったお弁当を新幹線の中で食べた。

そして、おかげさまで予定より一時間早く東京駅に着いた。


式場に入っても違和感のないようにスーツを持参していたタミオ君は、靴も一緒に持って行かないといけないことによる荷物過多を懸念して諦めた。タミオ君のスーツ姿が見てみたかった気もするけど、少しでも現地で軽やかに動くために正しい選択だったと思う。

東京は大雨だった。
事前に調べておいた天気予報を元に持参した、小さすぎる折り畳み傘を差してビショ濡れになりながらも予約したホテルにチェックイン。

それでもお風呂に入っただけで、あっという間に0時。

家でお風呂を済ませてきたタミオ君も一緒に入った。
結婚式前の私はありとあらゆる毛の処理をしたかったが、お風呂のドアがガラス張りだったので、本来は隠したい行為だと熱弁した上で剃った。
なぜかタミオ君も触発されて全身の毛を剃っていたが、まぁわかっちゃいたけどタミオ君の方が時間がかかって、思わぬ長風呂になってしまった。

何しに来たんだ俺たちは と言って大笑いしながら
東京の小洒落たビジネスホテルで毛を剃る大人たち。


おそろいのバスローブを着て必ず観戦すると事前宣告されていたワールドカップを巨大なテレビで見た。私は時折叫ぶタミオ君の声に何度も目を覚ましながらウトウトしていた。

前半と後半の間にあるなんとかタイムを利用して、ツルツルになったタミオのタミオを愛でるなどした。

ダブルベッドのお部屋を予約したはずが、シングルベッドが2つだった。(ちなみに朝食もついてるはずだったのに付いてないプランを予約していたので、コメダでモーニングなんかしちゃった)

御子ちゃんはドジッ子なのか と今更聞かれた。
やっとわかったか。


シングルベッドx2はなんだい寂しいな、と思ったけど
結果お互い布団からはみ出ず振動も気にせず安眠できた。
朝方、目覚めてからタミオ君の布団に潜入したところ、タミオ君もすぐに目を覚まして交わるなどした。
ちゃんと恋人チックな時間も作れたな、よかったよかった。

ヘアメイクとチェックアウトを済ませて、コメダでモーニングしてから駅に向かった。傘がいらないぐらいの小雨だったので、帽子をかぶって歩いた。


東京駅から、結婚式場がある最寄り駅まで電車で移動して
最寄駅から式場までの道がわからず時間がギリギリになってしまったので、急いで現地で着替えて かわいくなった姿で一緒に写真だけ取ってすぐに解散。

披露宴までが終わるまでの約4時間、タミオ君は延々と駅近くの店を歩き回ったそうだ。式場の電波が悪くてあんまり途中連絡もできなかったし、事前に選別して送っておいた暇つぶしスポットのリンクも全く参考にしていない様子だった。

それでも予定していた終わり時間頃には式場まで迎えに来てくれて
私も、名残惜しい気持ちを抑えて一番乗りで会場を後にして合流した。

心配していた4時間は
一人ランチもウィンドウショッピングもそれなりに楽しめたようだった。私も気にはしながらも披露宴や久々の再会を満喫した。


合流してから1件だけ、事前に調べておいたレザー製品のお店に一緒に行った。タミオ君にキーケースをプレゼントするためだった。

今日はタミオ君の誕生日。
東京小旅行は、結婚式参列や方位取りとは別に、お誕生日祝いを兼ねていた。だからこそホテルや新幹線はもちろん、道中の食事や行き帰りのお弁当、現地での移動切符まで全て、『今日はお誕生日旅行だから(^^)』と口走りながら私が払った。

総額にすりゃそこそこの値段にはなる。
自分がついてきてほしかったのもあるし、興味のない方位学で振り回した結果でもあるし、結果旅行先で4時間別行動をしないといけないという惨い罪悪感を「お金で解決した」感があって私はもどかしかったけど

『これでお誕生日祝いは締め括りだ!』と連行したお店で選んでもらったキーケースは、とても可愛くて私も気に入った。
家族や会社に買ったお土産は棚に乗せたけど、キーケースの袋だけは抱いて座って大事に大事に運んでくれた。

プレゼントまでを別で用意するとは思っていなかったみたいで、とても喜んでくれた。私も嬉しかったし、初めての旅行記念にもなった。



迷路みたいな東京駅で、疲れた身体を引きずるように彷徨った帰り道。

買い物は好きだけど時間をかけたいタミオ君に、ちゃんと確認して予約した帰りの新幹線も気づけばギリギリ。

彼は多分、買い物をした後に それより安いものや良いものを見つけるのが嫌なタイプなので(そりゃそうなんだけど時間に追われて急がなきゃいけない時に他の店を見て回ってから元の店に戻るという工程は踏んでいられない)帰りの夜ご飯弁当も、会社や家族へのお土産も、急いで決めなきゃいけない状況にさらに疲労が蓄積したようだった。

申し訳ないね、申し訳ないんだけどこれも明日の仕事を控えた我々のためなのよ、って口には出さないけど思いながら連れ歩いて
今日寝る時に絶対わかるから!って自分にも言い聞かせてとにかく歩いた。


結果、お買い物を急かしてでも19時台の新幹線に乗れてよかったと思っている。
名古屋についたのは21時。その後どうしてもトイレに行きたくなったタミオ君が、改札に私と荷物を置いてトイレに行ったきり30分戻ってこなくなるという事件も起きたりして。

疲れてたし、もしかしたら具合が悪かったのかなと思って心配しながら電話すると、なんとまさかの地元で迷子。
名古屋に着いたからって油断した。タミオ君は東京はもちろん名古屋の都会にも慣れていないんだった。

私は一人大荷物を抱えて手ぶらのタミオ君を探し歩き、自宅の最寄り駅についたのは いつもの寝る時間22時を大幅に超えていた。


手を洗って服だけ脱いで床に転がってしまったタミオ君を執念で起こし、今日は絶対に入ってくれとお風呂に突っ込んだ。


私も1年でだいぶタミオ君を攻略できたのかな。
疲れて口数少なくなった無表情のタミオ君に気を使うことなく、後々のことを考えて行動をするのは大事だ。効率ばかりを考えていても面白くないけど、マイペースで優柔不断で優しいタミオ君とはバランスが取れている と、思いたい。


***


そして ここまで毎日考えなきゃいけなことが多すぎてスッカリ忘れていたが、実は私も来週誕生日を控えている。

4時間以上のウィンドウショッピングで、タミオ君もいろいろと探してくれたようだった。結果何も買ってないし合流してからも時間がなくて私の分までは見に行けなかったけど、私は自分がしたいと思っていたことはできたから満足だった。

多分逆だったら落ち込むな、って後から思った。

案の定、今朝仕事に行った後にタミオ君から届いたLINEには
費用を全部出してもらって申し訳ない気持ちと、一緒に東京に行けて、一緒にいられた時間は少なかったけど幸せな誕生日旅行になったという感謝の気持ちが両方綴られていた。




単独散策も含めて一日中歩き回ったタミオ君は、疲れ果てて新幹線で爆睡していたし、何度も何度も『疲れたね』と言うので

『疲れたね。でもずっと歩き回ってたタミオ君はもっと疲れてるよね。待っててくれてありがとう。』と伝えながらも

タミオ君から 楽しかったね という言葉が聞きたかった私は少しだけ切ない気持ちにもなった。


夜、無事に家に帰ってお風呂に入って布団に入った後、『一緒に東京に行けたのは嬉しかった』と言ってニコニコ私を抱きしめるタミオ君を至近距離で見ながら、よかったな と思った。『ちゃんとおもてなしできた?』と聞く私に『うん』とだけ答えて、タミオ君は寝落ちした。


お金を出せば行きたいところに行けるし
食べたいものだって食べられる。

でも、せっかくお誕生日旅行なのに一緒にいられない という事実だけが、どうしても私の心の中に引っかかっていたので
疲れたけど、行ってよかった と思ってもらえたなら、よかったな。



今週末から正式にお引越しして、新マンションで二人の生活が始まる。


この部屋で食べる朝ごはんは最後かも!って、今朝寝起き姿のままオートミールおじやと一緒に写真を撮ったりして
ケーキは食べれなかったけど、また来週二人分お祝いしよう って約束して、いつも通りお見送りした。


*****


今朝タミオ君が仕事に持って行くおにぎりを、お風呂に入っている間に炊いたご飯で用意しながら、コッソリお手紙を書いておいた。



東京ついてきてくれてありがとう。
もっと一緒にいられたらよかったけど、楽しかったし嬉しかった!
お誕生日おめでとう。これからもよろしくね。
あいしてるぞ(はぁと)


お昼休み、おにぎりと一緒に映ったお手紙の写真には
手書きでメッセージが添えられていた。


こちらこそいつもありがとう。
あいしてるぞ


ちゃんと色々、大丈夫そうだ。

幼馴染の結婚式は素晴らしかったし、いいもんだな って思ったけれど、自分たちがやりたいかどうかはまた別の話だな って実感もした。

同じ目標に向けて、時には喧嘩もしながら意見を伝え合ったり歩み寄ったり、さらに相手の大切な人たちを巻き込んだ大きな機会って、結婚式が夫婦最初のミッションじゃないかなと思ったりする。

そういう、ある意味試練になるようなイベントを二人で乗り越える(という言い方はおかしいかな、達成する?)ことによって、深まる絆もあるんじゃなかろうか。

凪は平和だけど、波が良い刺激になることだって絶対あるもんね。


でもやっぱり、愛する他人と試行錯誤しながら お互いを思いやり合って家族になっていく過程って やっぱり素敵だし
自分もそんな風にタミオ君と日々を重ねていきたいな、と改めて思った一日でした。

おしまい。


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