【保存版】直木賞作家 今村翔吾の天才的創作法まとめ
こんにちは!SHUHEIです。
今回は2024年10月14日のりハックより、直木賞作家の今村翔吾さんの天才的な創作方法についてまとめました。
物語作りの意外なインスピレーション元『ACのCM』
作家が物語を作る際、資料や歴史的な事実をベースにアイデアを得ることが一般的です。しかし、今村翔吾さんは、他の作家とは異なるユニークなアプローチをとっています。インスピレーションを得ている意外な方法、それはAC(公共広告機構)のCMです。
「ACのCMを見ると、普遍的な物語が浮かんでくるんです。」と今村さんは語る。
ACのCMは、日本が抱える社会的な課題や人が歴史を超えて抱える問題をシンプルかつ直感的に伝えるものが多く、それが物語の着想の源になるといいます。
コロナ前に流れていた『外国人差別』の存在を感じさせるACのCM
かつて、コロナ禍の前に放送されていたインバウンド関連のCMでは、外国人観光客が日本の地方を訪れ、地元の人々とじっくり英語でコミュニケーションを図るシーンが描かれていました。
「言葉よりも心、思いやりが大切」というものでしたが、今村さんはそこに社会の潜在的な課題を感じました。
「このCMが流れるということは、外国人観光客が多いことに対して、日本の地方ではまだ多少の抵抗感が残っているんだろう、と考えました。言葉や文化の違いを乗り越えようという姿勢を見せているんだけど、その背景には外国人へのアレルギー反応や潜在的な差別があるということを、CM自体が暗示しているんじゃないか、と。」
歴史を遡り見つけた差別の根源を小説で表現
ここから今村さんは、差別の根本とは何かを歴史の中で探り始めました。
そして、たどり着いたのが平安時代に「鬼」と呼ばれた人々の物語です。社会によって異質な存在として扱われ、蔑まれた存在でした。この歴史的事実が、現代社会における差別や偏見につながっているのではないか、と今村さんは考えました。
「日本の歴史の中で、差別の最初の形は平安時代の『鬼』や『土蜘蛛』など、異民族や異なる文化を持つ人々を化け物として扱い始めたのではないかと思います。」
この視点から、今村さんは現代の問題を平安時代の物語に落とし込み、歴史と現代の架け橋としての小説を作り上げています。
今村さんの作品『童の神』では、鬼と呼ばれた人々が主人公です。
物語は、平安時代の貴族社会の中で生きる「わ(奴隷や従者)」と呼ばれた秘密の低い者たちや、異民族の血を気にする人々が、中央の権威に従わないから「鬼」これらの鬼たちは、平安京から遠く離れた地域に住み、貴族たちから化け物に扱われ、追いやられていました。
主人公達は鬼として扱われる一方で、中央からの圧政に立ち向かいながらも、自分達と自由を大事にし差別に抗う姿が描かれています。
このテーマは、ACのCMのように短くても深いメッセージを持ち、現代の読者に強い印象を与えるものとなっております。
ACを活用した発想法で小説のプロットを考えてみた
ここからは、今村さんの発想方法を使って、実際に小説のプロットを書いてみます。
ACのテーマである「自殺予防- 心のケアや、相談することの大切さを強調したメッセージ」を小説の題材とします。
今村さんは、ACのCMや現代の問題を見つめ直し、それを歴史的な出来事や人物に結びつける手法を用いています。そのアプローチをもとに、「自殺の根源」を歴史の中で探り、物語を作成していく形でプロットを考えます。
1. テーマ設定
自殺予防は現代でも深刻な問題ですが、これを歴史的に遡って、自殺の根源となる精神的な圧力や社会的背景を描くことがポイントです。歴史上、多くの時代で人々は過酷な環境に追い込まれ、自殺に至る選択を迫られてきました。そこで、本作では 「集団の重圧や名誉、孤立が自殺に繋がる」 というテーマを設定します。
2. 歴史的背景の選定
今村翔吾さんが平安時代を選んだように、自殺の歴史を掘り下げて、その時代背景を考えることが重要です。ここでは、戦国時代 を背景に選びます。戦国時代は、武士や領主が名誉や忠義を重んじ、自ら命を絶つことが一種の美徳とされる文化がありました。この 「名誉を守るための自殺」 という価値観は、現代の自殺問題に通じる根深い問題として描くことができます。
3. 物語の概要
物語は、戦国時代の武家社会を舞台に、ある名門武士の家系に焦点を当てます。名誉や忠義を何よりも重んじる時代に、家名を守るための「自決」が奨励される中、その価値観に苦しむ若者 が主人公です。彼は、家族や周囲からの圧力に耐えきれず、次第に精神的に追い詰められていく。
一方で、物語にはもう一人の主人公が登場します。
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