ジェネシア・ベンチャーズがFastLabelへの投資を決めた理由
FastLabelは、2021年2月にジェネシア・ベンチャーズから出資を受けています。
ジェネシア・ベンチャーズは、格差を広げるテクノロジーではなく、すべての人がその恩恵を享受できるテクノロジー、そしてそれらを生み出すスタートアップを支援し、より豊かな社会の実現を目指すVCです。
今回、FastLabelへの出資を担当している株式会社ジェネシア・ベンチャーズ 相良俊輔様より、FastLabelの投資に至った注目ポイントをお伺いしました!
FastLabelへの投資において、事業面で重視したポイントは大きく二つあります。
市場が大きく変化する潮目を捉えたプロダクト
一つ目は、市場が大きく変化する潮目を捉えたプロダクトであることです。画像認識AI開発の現場では、ユーザー<>ベンダー間の情報の非対称性が高かった時代に重視された「アルゴリズム」がコモディティー化の一途を辿り(ビッグテックのどこかが開発してOSSないしは廉価なself-serveツールとして公開する流れは不可避)、ユーザー企業のリテラシーが高まるにつれて、アルゴリズムに食べさせる「データ」の品質が鍵を握る時代へと変遷しています。
データ分析における顧客のペインポイントは「解析」の行程ではなく「収集・処理」の行程にある、というのは前職のトレジャーデータにおいても肌身で感じた市場ニーズだったため、FastLabelの思想を自然と受け入れることができました。
強い顧客ニーズが認めらること
二つ目は、いわゆる「セクシーな」領域でなく、誰もやりたがらない一方で、強い顧客ニーズが認めらることです。「混み合っていない」市場で、強固なニーズに下支えされながらじっくりと時運を待つことができるという点は大きな魅力でした。
時運とは何かというと、アノテーションがアノテーションで終わらなくなる未来、データがコードになる未来を指しています。AI開発における川上を抑えることで、川中(アルゴリズムへの接続)、川下(運用、精度のチューニング)までをシームレスにカバーすることが可能になると見ています。土建屋さんが突如としてゼネコンに様変わりする世界線です。
2021年2月に初回投資をしてから2年半が経ちますが、当時と今で明確に変化が感じられるのが経営者の視座と胆力です。上田さんは元ソフトウェアエンジニアということもあり、初回投資時にはどちらかというと物静かで淡々と事を進めるタイプの人物かなという印象を持っていましたが、多くの困難に直面したりそれを乗り越えたりする体験を経て、現在は組織やプロダクトの成長について高い熱量で考え抜き、接写と俯瞰、短期と長期など相反する視点を併せ持ちながら経営を推進されており、良い意味で大きく印象が変わりました。
生成AIのブームも一巡し、冷静な目で顧客の課題やビジネスモデルを見つめるタイミングに入っている昨今ですが、「誰もやりたがらない一方で誰かがやる必要のある」産業の雪かき仕事を着実に実行するFastLabelにおいては、これまでと変わらず地に足をつけて、他方ではギアを全開に回しながら大きなインパクトを創出していく事を期待していますし、私たち自身も伴走者としてその一助となれるよう常に挑戦を続け、日々出来ることの幅を拡げる努力を重ねていきたいと思っています。
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