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読書記録『ペスト』
カミュのペストを読みました。
名著に詳しくない自分ですが、カミュのペストは知っています。
『著:シーナ・アイエンガー 選択の科学』でカミュの言葉が引用されていて、それが印象に残っていたんだと思います。
肝心の言葉は全く思い出すことが出来ませんが。
2024年12月18日水曜日~2024年12月22日日曜日
著 カミュ 訳 宮崎嶺雄
内容
舞台はアルジェリアのオラン市。
登場人物は、旅人、医者、記者など様々です。
彼らの目線から、ペストの前兆ー流行ー終結までの
人々と街の変化が描写されていきます。
感想
私はタルーという登場人物が好きです。
タルーは謎を持つ旅人で、手記にはペストが流行したオランの様子を事細かく記録しています。
やがて、医師リウーと共に保険隊を組織します。
タルーの魅力を挙げると、2点あります。
1.謎が多い
どこからきたのか?なぜオランにきたのか?
謎をまとう人物は、なぜ謎なのかを自然と追及してしまうため
魅力的に映ります。
最大の謎は
『よそ者なのに命を懸けてまで保険隊を組織した』ことです。
やがて、この謎は
リウーとの数ページに渡る会話で明かされていきます。
「ペスト」の見所の1つだと思います。
そこを読んでも私には、根っこの部分が理解できませんでした。
2.信念
彼の信念は、天災と犠牲者という関係において
天災に徹底抗戦すること。
そして、彼は天災と犠牲者がこの世に存在することを知っています。
が、存在することが理解できない。
知っていはいるが、存在理由が理解できない。
リウー「どんな道徳です、つまり?」
タルー「理解すること、です」
自分には、命を懸けてまで人を助けるリウーにその存在理由を求めて寄生しているように見えました。
なので、多少身勝手とも映るかもしれません。
ですが、私にはかっこよく見えました。
自分の信念を突き通し理解するために、命を懸けてまで行動しているからです。
そんなこと、私にはできません。
盲目的に、「良いことをしよう!」「環境保護!!」
ではなく、自分の中に究極の目的をもって
その目的を果たす途中で間接的に人助けになる生き方も良いのではないかと考えさせられました。
では!
2024年12月28日土曜日11時40分