「 がらんどう 」

僕は音を持たない伽藍堂
あの、木管のような
木の洞のような 空虚さだけで
自己を持たぬ自動書記
詩人の通り過ぎたあとにだけ
音楽に耽る 僕は
詩を書いている
ようやっと息を吐くように
言葉でもって
僕を、書いている


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