認める力
対人関係において、自分と違う、異質なものに対してどうしても構えてしまうところがあるだろう。異質なものは、うまくいけば、協力しあって結束を固くできるが、反発しあってしまうと、全く合わないということになってしまう。
どうやったらスムースに異質なものを認めて、協力関係を築けるだろうか?
月並みではあるが、異質の中に同質性を見つければよいのだ。
棒磁石の例を取る。磁石は、N極とS極という正反対な性質があると考える。よく棒磁石はN極を赤、S極を青で塗ってある。この赤と青は交わることがなく、完全に分かれている、異質なように思える。
実際、棒磁石の素材はどう構成されているかといえば、全て均一なのである。N極の端からS極の端まで。全ての鉄の原子の磁性が全て同じ方向を向いているのである。
よって棒磁石は原子レベルではN極もS極も全くの均一で同質と言える。
それは見た目の赤と青、同じ色は反発しあい、違う色は引き合う。その異質な姿に惑わされるのだ。
このように上位概念で纏めることで異質が同質に転ずることがある。
磁石というものの見方をすれば、S極とN極が有るが、鉄と言う上位概念で纏めれば、磁石も普通の鉄も同質になる。
犬と猫は異質と言えるが、動物という上位概念からすれば、両方のスペックの共通部分であるから、同質になる。
犬即動物 色即是空
猫即動物 色即是空
動物即犬 空即是色
動物即猫 空即是色
だから
猫即犬 となり、異質を同質へ転ずることができる。
人間を例に取れば
嫌いな人も人間だ
好きな人も人間だ。
同じ人間だから嫌いな人も認めよう。
ということになる。
まあそう簡単に嫌いな人は認められないが、例えば、「人間」の変わりに、仲間とか家族とかであれば、認め合うことはできるだろう。