見出し画像

なにするの?歯のクリーニング

こんにちは!
歯科衛生士にしのです。

年末に近づくにつれて予約の電話が鳴りやまないのは歯科医院あるあるかもしれません。

美容院や家のそうじのように、お口の中も綺麗にスッキリさせて新しい年を迎えたい方が多いようです。

「歯のクリーニングしてみたいけどなにするんだろう」
「歯石取りは痛いって聞くし怖いな……」

興味はあるけど、不安で一歩が踏み出せない方もいると思います。

あらかじめ治療の流れがわかっていれば、不安も少しは取り除かれるのではないでしょうか。

そこで今回は歯のクリーニングの流れをご紹介します。

医院によって多少の違いはあると思いますが、ぜひ参考にしてください。

当日の流れ

  1. レントゲン撮影

  2. 口腔内写真撮影

  3. 歯周病検査

  4. 染め出し

  5. 歯石除去

  6. 歯面研磨

  7. 虫歯チェック

  8. フッ素

レントゲン撮影

レントゲン撮影は現在の骨の状態や虫歯、歯周病の状態を確認するために行います。

1番最初にレントゲンで口腔内の状態を確認することは、治療計画を立てるうえでとても大切です。

基本的には口の中全体や顎の骨まで見える大きなレントゲンを撮影しますが、歯石や虫歯などもう少し細いところを確認したい場合は歯だけが写る小さなレントゲンを撮影する場合もあるでしょう。

口腔内写真撮影

現在の口腔内を記録するために、口腔内写真を撮影します。

一眼レフのカメラを使用するのでびっくりするかもしれませんが、お顔は写らないので安心してくださいね。

基本的に痛みはありませんが、唇を引っ張ったり大きな鏡をお口の中に入れたりするので、少し頑張りが必要かもしれません。

医院によってさまざまですが少なくて5枚、多くて12枚撮影するでしょう。

歯茎の状態や虫歯、歯の色や補綴物の有無などを記録するために必要です。

初診時と治療後の変化を比較したり、大きく歯を削る際の歯の形や補綴物の色に迷ったりした時などにも活用します。

歯周病検査

歯と歯茎の間にある歯周ポケットとよばれる溝に、メモリがついた器具を入れて測定します。

歯周ポケットの深さや出血の有無を確認することが目的です。

1本の歯に対して表側3点裏側3点、計6点の歯周ポケットを測る「6点法」が基本です。

歯周ポケットの深さは通常3㎜以下ですが、歯茎が腫れたり歯を支えている骨がなくなったりすると3㎜以上の歯周ポケットが形成されます。

基本的にはチクチクとした痛みがありますが、歯茎の炎症が強いところ痛みが強くなります。

我慢できない場合は遠慮なく歯科衛生士さんに言いましょう。

染め出し

歯に赤い色を付けて磨き残しをチェックします。

プラークは白いので普段はわかりにくいですが、赤い色を付けることによって磨き残しが一目瞭然となります。

「思ってたよりも残ってる!」
「ちゃんと磨いたのに!」

とびっくりされる患者さん、とても多いです。

ちなみに磨き残しチェックのことを歯科用語でPCR検査といいます。

Plaque Control Record(プラークコントロールレコード)の略称で、歯と歯茎の境目(歯の根元)や歯と歯の間の汚れを診ていく検査です。

そのため、歯医者さんで歯磨きを褒められたい場合は歯の根元を意識して磨き、糸ようじも行うと良いでしょう。

歯石除去

歯石除去に痛いイメージをもたれている方も多いのではないでしょうか?

歯石は歯茎の上に付いている歯肉縁上歯石と、歯茎の中に付いている歯肉縁下歯石に分けられます。

歯肉縁上歯石を除去するときはさほど痛みはありません。

しかし、歯肉縁下歯石を除去するときは器具を歯茎の中に入れて除去するため、痛みが発生します。

超音波スケーラーといってお水が出る機会を使用することがほとんどですが、あまりにも硬い歯石がある場合は手用スケーラーを使用します。

ガリガリと力をかけて歯石を除去するので、痛みや不快感があるかもしれません。

あまりにも痛くて我慢できないときは、麻酔をすることも可能なので相談してみてくださいね。

歯石の量が少ない場合は1回で終わりますが、歯石が多くて硬い場合は1回では取りきれません。

歯石除去だけで数回かかる場合もあるでしょう。

歯面研磨

歯面研磨とは、研磨剤をつけて回転式のブラシで歯を磨くことをいいます。

着色を落としたり、歯の表面をツルツルにすることで汚れを付きにくくしたりする効果があります。

歯面研磨ではほとんど痛みがありません。

舌で触るとかなりツルツルになるので、とても気持ち良いですよ。

虫歯チェック

全部綺麗になったところで、虫歯のチェックを行います。

目視とレントゲンを組み合わせることで、虫歯の見逃しを防ぐことができるでしょう。

フッ素

フッ素は定期的に塗布すると、歯の質が強くなり虫歯になりにくくなります。

そのため、フッ素を塗ったからといって虫歯にならないわけではありません。

フッ素を塗布した後は30分うがいと飲食を控えていただくので、気をつけてください。

すぐにご飯を食べる予定がある場合はお断りしても大丈夫ですよ。

まとめ

お疲れ様でした。

歯のクリーニング中は歯茎の周りを触るので多少の痛みや不快感を伴うことは仕方がないかもしれません。

「いきたくないな……」
「まだ痛いところはないし大丈夫かな」

先延ばしにしたい気持ち、とてもわかります。

しかし、歯周病はサイレントキラーとよばれており、放っておくと知らないうちに進行していきます。

症状がないのに気づいたときには歯を抜かなければならない状況になっているかもしれません。

後悔する前に一度、歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか。

自分の口腔内を把握することで不安はなくなり、歯はツルツルに、お口の中もさっぱりと気持ちよくなりますよ。



いいなと思ったら応援しよう!