頭空っぽのままで楽しめる映画『スラムドッグス』を見た

実写の動物が人の言葉を喋るかわいい絵面の映画、食わず嫌いでした。人間の醜い心のうちを動物に代弁させるなんて、けっ……! 

と思っていたのです。でも、『スラムドッグス』は馬鹿な方面に振り切っていたので、ストレスを感じずに最後まで見ることができました。

映画の大筋は、オナニーと水たばこを吸うことしかしていない、どこに出しても恥ずかしくないカス野郎に捨てられた小型犬が、同じくノライヌ仲間と共に、飼い主に復讐を果たすまでの珍道中となっています。難しい話は一切なし。

道中に犬ならではのギャグ要素が挟まれるという構成です。このギャグ要素が、あまりに下らなくてよかったです。

仲間であることを確かめ会うために、尿を掛け合ったり、人間に捕まって「保健所」のような施設に収容された際は、脱出のために、クソを比りだしまくったり。ラストの人間への復讐もとにかくくだらない。

小学生が考えた下品なネタを、大人が全力で実現している感じがたまりませんでした。

ただ、ただのくだらない映画というわけではく、大人向けのブラックジョークも光ります。

しかも、吹き替え版では、津田健次郎とか森久保祥太郎、志村知幸など、豪華声優陣が声を当ておバカを演じていて無駄にリッチ。この点も良かった。

あまりにくだらなさ過ぎるので、人を選ぶ映画かもしれません。ただやれポリティカルコレクトネス、社会問題、考察……なんだか、最近の娯楽作品はいろいろと難しすぎる。疲れた…。なんて思っている方にはちょうど良い馬鹿さの映画ではないでしょうか。

私は見ていて楽しかったです。

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