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吾輩はコンサルタントである 〜詐欺師とコンサルタントの違いとは〜

「コンサルタントなんて詐欺師だ」「口だけで全然役に立たない」──。
ネットを見ていると、こういった声をよく目にします。
たしかに、世の中には“口先だけ”で高額報酬をだまし取る悪質な業者も存在しており、そんな彼らを見て「コンサルタント=詐欺師」と思われてしまうのも無理はありません。
コンサルタントという言葉は法的な資格が必要なものではなく、誰でも名乗れてしまうため、そのような紛い物も存在しているのも事実です。

しかし、その手の人たちは"詐欺師”・“自称コンサル”であって、本当の意味でのコンサルタントとはまったく違うものです。専門性や実務経験があって、クライアントの課題解決に泥臭くも汗を流し本気でコミットする──それが真のコンサルタントだと私は考えています。

今回は、現役コンサルタントである私が「コンサルタントとは何か?」を解説しながら、「詐欺師まがいの自称コンサル」との違いや、騙されないための見分け方をお伝えしたいと思います。


1章:コンサルタントの定義とは?

コンサルタントの本来の役割は、クライアントが抱える課題を解決し、成果を出すための支援をすることです。具体的には以下のようなポイントが求められます。

  1. 専門知識や経験に基づいた助言

    • ITコンサルなら、システム設計や業務改善、技術導入などの知見を提供

    • 経営コンサルなら、事業戦略や組織改革などの支援

  2. クライアントに対する責任

    • 意見を述べるだけでなく、クライアントが実際に行動し改善できるように伴走する

  3. 客観的な視点と論理的なアプローチ

    • 感覚や根拠薄弱なノウハウではなく、データや分析に基づく提案を行う

要するに、**「クライアントの課題解決に貢献し、実際に価値を提供できるプロ」**こそが、本来のコンサルタントであると言えます。


2章:詐欺師とコンサルタントの違い

「詐欺師まがいの人」と「本物のコンサルタント」を、次のように表にまとめました

コンサルタントと詐欺師の違い

本物のコンサルタントは、クライアントの成長を支援し、信頼を積み重ねる仕事ですが、詐欺師は短期的な利益のために信用を犠牲にする行動を取ります。
成果を重視するコンサルタントは、「詐欺師」「ニセコンサル」とは全く異なる存在です。


3章:「詐欺師まがいなコンサル」はコンサルか?

結論として、「詐欺師まがいの人たちは本物のコンサルではない」と断言できます。たとえば、次のような人が当てはまるでしょう。

  • 話術だけで契約を取ろうとする人
    ┗ 実務経験や具体的なスキルがなく、“営業トーク”だけで高額報酬を得ようとする

  • 成果に責任を持たない人
    ┗ プロジェクトがトラブルになっても逃げたり、クライアントに丸投げしたりする

  • 実際の課題解決には関与せず報酬だけ請求する人
    ┗ 一度きりの「悪徳商法」的な売り逃げを狙い、継続的な支援を考えていない。または、長期に大した成果も上げず寄生する。

こうした人たちが「コンサルタント」を名乗ることで、真面目に価値提供している本物のコンサルタントまで悪いイメージを持たれてしまうのは、大きな問題です。


4章:「本物のコンサルタント」を見分ける4つのポイント

では、どうすれば「本物のコンサルタント」と「詐欺師まがい」の差を見極められるのか?
クライアント側の視点でチェックするべきポイントを挙げてみましょう。

1. 実績や具体的な事例があるか

  • 本物のコンサルタント

    • 過去のプロジェクトや成功事例を具体的に説明できる

    • たとえば「〇〇を改善して△△%のコスト削減に成功した」など数字で語れる

    • 実際のクライアントからの推薦やリピート依頼がある

  • 偽物のコンサルタント

    • 実績が曖昧、成功事例をハッキリ提示できない

    • 抽象的な表現ばかりで、具体的な証拠を示せない

    • 「守秘義務で公開できません」など都合の良い言い訳ばかりする

2. クライアントの話をきちんと聞くか

  • 本物のコンサルタント

    • クライアントの状況・課題をしっかりヒアリングし、情報を整理した上で提案する

    • 質問が多く、複数の選択肢を比較検討してくれる

  • 偽物のコンサルタント

    • クライアントの話を聞かず、最初から“自分が売りたいサービス”に誘導する

    • 「このツールを入れればすべて解決!」と雑に押し付ける

3. 具体的な提案を出せるか

  • 本物のコンサルタント

    • クライアントごとに“オーダーメイド”の施策を考える

    • 「なぜその方法が有効なのか」という根拠やデータも示せる

  • 偽物のコンサルタント

    • 大枠だけを語って、詳細の説明がない

    • 「とにかく契約すれば効果が出ます」と煽るだけ

4. 責任を持って関与するか

  • 本物のコンサルタント

    • 提案後の実行支援やフォローアップにも積極的に関わる

    • 失敗があっても改善策を提示し、最後まで伴走する

  • 偽物のコンサルタント

    • 「提案で終わり」で、実行フェーズはノータッチ

    • 問題発生時に責任を取らない、逃げる


5章:まとめ

コンサルタントに対するネガティブなイメージがあるのは事実ですが、本物のコンサルタントはクライアントの成功を第一に考え、長期的な信頼関係を築く存在です。私は、クライアントを“運命共同体”のように捉えていて、一度きりのアドバイスではなく、共に課題を乗り越え、成長していくパートナーでありたいと思っています。

もちろん、世の中には悪質な“自称コンサル”がいるので、クライアント側も見分ける力を持つことが重要です。この記事を通じて、少しでも「コンサルタント」の本来の姿や、悪質業者との違いを理解していただけたなら嬉しく思います。

「コンサルタントは本当に詐欺師なのか?」
──その答えは、「詐欺師まがいの偽物もいるが、本当に価値を提供するコンサルタントも確かにいる」ということ。もしコンサルタントとの協業を検討しているなら、ぜひここで紹介したチェックポイントを参考に、安心して任せられる“本物”を選んでください。

あなたが“共に未来を創るパートナー”となるコンサルタントに出会えることを、心から願っています。

6章:おまけ

今回は、一般的なコンサルティングファーム(コンサル企業)と“自称コンサル”の対比という視点でお話ししましたが、実際のところ大手コンサルファームに所属しているからといって、必ずしもプロ意識が高い人ばかりとは限らないのも事実です。コンサル業界は“人”そのものが商品であるため、結局のところ“担当する個人”によって当たり外れがどうしても生じてしまいます。
その結果、主にクライアントとのコミュニケーション不足が原因で、訴訟問題になるといった例もいくつか存在します。

ただ、総じてコンサルティングファームは研修制度や人材育成の仕組みが整っており、社員の質やスキルレベルは他業界と比べても高いと言われています。それでも企業は“生き物”ですから、どうしても能力やモチベーションにばらつきが出ることは否めません。

だからこそ、クライアントの立場からすれば、企業ブランドだけでなく、「実際に相対するコンサルタント個人」を見極めることが何より大事です。そして私自身も、コンサルという職業の価値を高められるように、これからも努力を続けていきたいと思います。


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