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歴史に学ぶサバイバル術(1)ジョゼフ・フーシェ:フランス革命とナポレオンの時代を生き抜いた男


革命の申し子の二大巨人を手玉に取った男

 ブルボン王朝が滅び、その後のフランス革命も次々に路線変更。さらにそのあとナポレオンがすい星のように現れるもや果て消え去り、再度ブルボン王朝が復活と、この時代のフランスはまさに予断を許さない激動の時代であった。その激動の時代を生き抜いたばかりか、多数の人間をギロチンに送り恐怖政治を敷いたロベスピエールや、ヨーロッパの王侯貴族を震え上がらせたナポレオンと互角にやり合った人間がいる。それがジョゼフ・フーシェだ。シュテファン・ツヴァイクの小説でも有名である。


徒手空拳から成りあがったフーシェ

 フーシェはナントという港町の商人の家に生まれたが、生まれつき病弱だったので、教会の寄宿学校でまなび、やがてそこの教師となった。その革命の機運に乗じて政治家となり、中央に進出する。そして血なまぐさいスローガンを抱えて革命政策の冷徹な執行人とって名をはせるが、やがて実権を握るロベスピエールと対立し、巧みな裏工作で失脚寸前にまで追い込むも、やがて追放されてしまう。彼はこの時、赤貧のどん底に追い込まれてしまう。彼はそこからどうやって挽回したのか?実はこの時代の経験が彼のその後の出世の秘密となった。

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