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【お仕事図鑑 vol.14】 総務の仕事について解説!

「社内の何でも屋」というイメージもある総務部。
中小企業では、人事や経理などの仕事と兼務されることも多く、総務の仕事を切り取ると、なんだかまとまりがなく見えるかもしれません。

しかし、実は総務は企業運営に欠かせない存在です。
総務の人たちは、経営層から一般社員まで関わり状況を俯瞰しながら、自社が成長する基盤を整える役割を担っています。

今回は、会社の縁の下の力持ち、総務の仕事とキャリアパスについて解説します!
管理部門の仕事は、食品業界に限らずどのような企業にもあり、その基本的な職務は変わりません。
食品業界に関わらず、職種に興味のある方はぜひご一読ください。


総務の仕事とは?

総務の仕事は、一言で言えば「会社運営の基盤を整えて快適な環境を作り、会社のレベルアップに貢献する」ことです。
そのため、以下のような業務を通じて、全社員のサポートを行なっています。

  • ファシリティ管理

  • 社内運営

  • 商事法務 (株主総会等の運営など)

  • 窓口業務・庶務

  • その他(他部門領域の仕事など)

なお総務の仕事は、会社の裏方として幅広く活躍することから、企業ごとに業務内容が大きく変わります。
企業の規模や考え方によって、どの隣接領域に近い立ち位置で会社運営に関わるのか、細かく分業して一部の総務業務に特化するか、など総務に求められる役割が変わるためです。

ファシリティ管理

総務の中核業務の1つで、機器や備品、施設管理の仕事です。
施設管理の例としては、賃貸オフィスや自社ビルの管理、自社でもつ宿泊施設(社員寮や保養所など)の管理業務があります。
賃貸オフィスなどでは、新設や移転の際に、賃貸オフィスを契約したり、オフィス内のレイアウト(配線も含め)を考えたりします。
自社ビルの場合は、関連業者と連携しながら、空調や電気設備等のメンテナンスなども行います。

備品管理については、オフィス内のデスクやキャビネット、プリンター、セキュリティカード、社用車などの管理を行います。
また、社内の消耗品(文房具や封筒など)の在庫管理と発注業務なども対応しています。
企業によってはPCや貸与スマホなどの管理も行なっていますが、キッティング(初期設定など)が発生する場合は、社内のシステム部門が対応しているケースもあります。

社内運営

総務の仕事としてイメージしやすい中核業務かと思われる、全社規模のイベント運営や規程の改変・導入などの仕事です。
事業運営に対しては、社内規定・マニュアルの改変や各部署への落とし込み、コスト削減に向けた全社的な業務改革などを行ないます。

また近年はBCP計画の策定も重要な総務の業務です。
BCPとは、自然災害などの緊急事態が発生した際にも最小限のコストで復旧し、事業継続を行うための対策・計画のことで、厚生労働省も中小企業での導入を推進しています。
簡単な例では、海外のクラウドストレージを活用し、大地震で国内のデータセンターが壊滅しても海外にデータが保存されている状態を作っておくこともBCPの1つです。
東日本大震災を機に注目され、新型コロナウイルス感染症蔓延においてもその重要性が示されました。

社員向けには、社内行事の企画・運営や福利厚生のサポートがあります。
例えば、社員旅行の企画・手配やキックオフイベント、社内表彰の企画・運営は総務が主導しています。
その他、社内保養所の利用状況の管理や、健康診断の周知・予約なども総務で行なっています。

商事法務

企業の法務業務の内、内部統制など社内向けの法務業務(商事法務)を総務が担うことはよくあります。
メジャーな商事法務の仕事は、株主総会や取締役会の運営・事務局業務です。
上場企業ではスタンダードな業務と言えるでしょう。

また、契約書や機密情報などを含む社内の文書管理や、経営会議における議事録作成、管理、コンプライアンスに関する施策の社内への落とし込みなども総務が担当することが多くあります。

窓口業務・庶務

会社の顔として、来客や電話応対、重要な取引先や関係者、社員の慶弔対応などを行ないます。
また、社内報・社外広報の発行、HP・SNSの管理といった広報的な業務や、郵送物の発送・仕分けなどの庶務業務も総務の仕事です。

隣接部門との兼務

総務は会社運営に関わる業務を幅広く行うことから、隣接部門の業務を一部担うことがあり、特に中小企業では兼務が当たり前になっています。
結びつきやすい部門は、人事、経理、法務、広報などです。

法務業務や広報関連業務は、すでに上で説明した通りです。
しかし兼務として最も多い部門は「人事部」で、中小企業では「人事総務部」として設置されることが多くあります。
総務人事部では、社内規定や人事制度の一括運用から、労務業務、採用業務まで一貫して対応します。

また中小・零細企業では経理業務と兼務することもあります。
例えば以前私が勤務していた個人事務所は、採用を経営陣が、労務を社労士事務所が行なっていました。
そのため、唯一のバックオフィス担当の方は経理業務を中心に担当しながら、健診予約や入退社の手続きなど総務的な業務も担当されていました。

総務のやりがいと大変さ

総務は縁の下の力持ちであるため、影響力の大きな仕事ができる一方で、マルチタスクをこなしながら、あちこちの関連部署と連携し、仕事を進めていかなくてはいけません。
総務のやりがいと大変さは以下のとおりです。

<やりがい>
・色々な部門と関わり、会社の動き方・動かし方が見える
・経営層から一般社員まで、様々な部門・立場の人をサポートできる
・幅広い業務を任されるため、経験値を増やしやすい

<大変さ>
・様々な部門の板挟みになりがち
・「やって当然」と思われがちで、周囲から評価されにくい
・細々した仕事が多く、仕事の成果を実感しにくい
・業務の幅が広くタスクが多い割に、専門スキルが身につかない

総務に必要なスキル・キャリアパス

総務で必要とされる(身につけられる)スキル

様々な部署と連携し、迅速に着実な仕事をするために、総務業務では以下のようなスキルが必要になります。

  • 社内外の人と連携し、ニーズを吸い上げていくコミュニケーション力

  • マルチタスクや突発的な状況に対応できるタスク管理・遂行力

  • スケジュール管理・調整力

  • 資料作成等を行うパソコンスキル

また、最近の中小企業では、全社的なDX化に向けて総務部がシステム導入や業務改革を担うことも多く、ITスキルも求められることがあります。

総務に関する資格一覧

総務業務に特別な資格は必要ありませんが、立場上、隣接部門の知見を持っておくことは重要です。
今回は総務の仕事に活かしやすい3つの国家資格をご紹介します。

  • 衛生管理者(総務の取得者多め)

  • 中小企業診断士

  • 社会保険労務士(いわゆる「社労士」)

衛生管理者は、取得している総務の方を比較的よくお見かけします。
中小企業診断士と社労士は、合格率が1桁と難易度が高く、持っているだけで有利な資格です。
総務として、経営者の近くで経営課題に対する提言をしたり、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役を目指す方は、中小企業診断士の取得がおすすめです。
一方、人事業務において、就業規則等の制定や労働社会保険に関わる手続き業務などは社労士の独占業務なので、労務業務の内製化を目指すのであれば、社労士を目指すのも良いでしょう。

この他、組織開発等に関わるのであればキャリアコンサルタント、経理関連に関わるのであれば簿記や公認会計士などを取得しておくと良いでしょう。

総務職のキャリアパス

総務の仕事は、上位職位を目指したり、より大きな全社プロジェクトを担当することがキャリアアップに繋がらいます。
また自社に精通するため、複数の管理部門を経験することもあります。

転職活動においては、隣接部門も含めた幅広い業務経験があると幅が広がります。
応募先に総務の専門性を伝える際は、以下の経験をアピールと良いでしょう。

  • 業務企画、コスト削減の実績

  • 上場企業でのコンプラアンス対応や株主総会の運営経験

  • 危機管理、BCP対応

  • 施設管理

まとめ

今回は、縁の下の力持ち、総務の仕事について解説しました。
一見「何でも屋」と言われますが、経営層から現場社員まで様々な立場の人をサポートすることで、会社の成長を推進する重要なポジションです。

そのため、スピード感を持ってマルチタスクをさばき、多方面のステークホルダとのコミュニケーションが必要な、難しい仕事です。
普段あなたが気にしていない環境も、実は総務の努力によって成り立っているのかも!?
ぜひ周りを見渡して総務の仕事を見つけてみてください!

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