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【転職活動】内定通知書の意味と労働条件通知書のチェックポイント〜応募時の求人票を見るときにも使えます!〜

転職活動の終盤に入り、企業からいただいた内定通知書。
「確認してください」と言われても一体何を?どうやって?なんて戸惑いませんか?

また、明確な条件通知が無いまま入社し、「入社前に聞いていた話と違う!」と入社早々、転職先に不信感を抱いたことはありませんか?

今回は内定時に確認すべき書類と項目を解説します。
後半では労働条件に関する解説や条件交渉のタイミングも解説しますので、内定を獲得した人はもちろん、これから転職活動を始める方にも参考になると思います。ぜひご一読ください!


内定時に発行され得る書類

最終面接を終え、企業が採用の意思を固めると、「採用通知書」、「内定通知書」「労働条件通知書」のいずれか1つ以上を受け取ります。
厳密には3つとも異なる書類なのですが、企業・文脈によっては曖昧に扱われることもあります。

採用通知書と内定通知書の違い

どちらの書類も法的な発行義務はありません。

採用通知書は、採用としたいという企業の意思を伝えるものです。法的効力はありません。
一方、内定通知書は採用を内定した、という企業からの通達です。
応募者が「内定承諾書」を返送することで、企業ー個人間の雇用契約に両者が合意したことになります。

そのため、正式な内定通知書には社判が押されていることが望ましいですが、押印のない内定通知書がPDFで送られてくることもあります。
※エージェントによっては、企業に対し内定通知書の社判を必須にしているところもあります。

労働条件通知書と内定通知書の違い、オファーレターとは?

労働条件通知書は、労働基準法の中で交付が定められています。
雇用形態に関わらず、個人と労働契約を締結する時には、企業は労働者に労働条件を明示しなければいけません。

そのため、内定通知書と労働条件を合わせたフォーマットや、1ページ目に内定通知書、2ページ目以降が労働条件通知書、という形で送られてくる場合もあります。
内定通知書と労働条件通知書が一緒になった様式を「オファーレター」とも言います。

労働条件通知書の確認方法

内定通知書等が送付され「確認してください」と企業やエージェントから言われたら、「労働条件通知書の内容を理解し、同意できるか」を判断します。

労働条件通知書に記載されている項目

労働条件通知書には、以下の項目を通知することが定められています。
特に1〜5は書面での交付が、6〜14は規定がある場合に口頭または書面で通知することが定められています。

  1. 労働契約の期間(期間の定めの有無、定めがある場合はその期間)

  2. 就業の場所・従事すべき業務の内容

  3. 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替 制勤務のある場合の就業時転換に関すること

  4. 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期

  5. 退職に関すること

  6. 昇給に関すること

  7. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法、支払時期に関すること

  8. 臨時に支払われる賃金、賞与などに関すること

  9. 労働者に負担させるべき食費・作業用品その他に関すること

  10. 安全及び衛生に関すること

  11. 職業訓練に関すること

  12. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関すること

  13. 表彰、制裁に関すること

  14. 休職に関すること

簡単にいうと、
いつからいつまで、どこで何の仕事をするのか、どれくらい長く働いていつ休めるのか、賃金はどのように計算し、いつ支払われるのか、退職する時の約束事は何か、
を書面で伝えるよう規定されています。

6以降も規定がある企業が多く、一般的に記載されていることが多いです。
また、一部の内容は福利厚生などに含まれる場合もあります。
 例)職業訓練に関しては、研修制度として記載される、など。

参考:厚生労働省リーフレット「働こうとする皆様・働く皆様へ 労働条件は書面で確認しましょう!」
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/var/rev0/0021/0888/0524-2-2.pdf

労働条件通知書で確認すべき内容

基本的には労働条件通知書の内容は、すべてしっかり読み込みましょう。
そして、理解できない点や曖昧に感じた点、求人票や面接で聞いた話と違うと感じた点は、企業やエージェントに確認します。

労働条件通知書を確認する目的は、契約条件として合意できるか、を確認することであり、自分が有利になるために重箱の隅を突く時間ではないことは注意しましょう。
また、通知書の内容は企業からの要望である、ということも頭の片隅に入れておきましょう。

労働条件通知書の全文を読むことを前提に、特に明確にしておいた方が良い項目は以下の通りです。

  • 入社日

  • 契約期間

  • 試用期間中の待遇変更の有無

  • 賃金(給与体系)

  • 就業場所

  • 業務内容

  • グレード

  • 内定取消し事由

入社日は、面接などの中である程度擦り合わせた通りになっているか、入社可能な日程になっているのか、を確認します。
(たとえば、プロジェクトの関係で3ヶ月後しか入社できないと伝えたのに、入社日が1ヶ月後になっている、など)

契約期間は、正社員の場合は無期となり、非正規雇用(契約社員やパートなど)は期限が明記されていると思います。
期間延長の可能性も含め、ご自分の認識と齟齬がないか、確認しましょう。

正社員の場合は試用期間中の待遇の変更の有無も確認しましょう。
試用期間中は、契約社員になっていたり、基本給が下がる、一部手当が無くなるといった待遇の変更が行われる場合もあります。
特に試用期間中だけ契約社員になっている場合は、上記の「契約期間」にも「契約満了後に正社員登用」などの記載があるかどうか、確認しましょう。

賃金に関しては、内訳を確認しておきます。
基本給と各種手当、賞与の算定基準(基本給だけか、一部手当も含むのか)などがどうなっているか、改めて確認しましょう。

就業場所と業務内容は、正社員の場合、流動性が高いため「変更の可能性あり」などの文言が併記されていることがあります。
しかし、入社当初の就業場所と業務内容(+所属部署)は記載されます。
入社前後で話が全然違う、といったことが無いよう、ご自身の認識と齟齬がないか、しっかり確認しましょう。
また、グレード(等級)は、入社後の立ち位置や企業の期待値を把握することができ、「最初から管理職だと思っていたのに、最初は平社員待遇だった」といった齟齬が起きないよう確認しましょう。

最後に、内定の取り消し事由も見ておきましょう。
滅多なことでは起こりませんが、不当な内定取り消しを防止するためにも把握しておくことをお勧めします。

労働条件に関するよくある質問

ここからは、エージェント時代によくいただいた、労働条件に関するメジャーな質問4つにお答えします。
応募時の求人票を見る時にも役立ててください。

裁量労働制の企業ってブラックですか?

結論、「企業による」ということになります。
次の見込み残業代にも言えますが、制度はあくまで枠組みであり、適切に運用するか悪用するかは企業次第です。
面接やオファー面談で実態を確認してみましょう。

なお、裁量労働制には、業務内容や就業形態に合わせて、「事業場外みなし労働時間制」、「専門業務型裁量労働制」、「企画業務型裁量労働制」の3種類があります。
いずれも労働基準法などで、対象職種や導入要件・手続きの方法が定められています。
賛否はあると思いますが、司法としては業務内容や業務の進め方に応じて労働者が不利にならないように定められていることは認識しておきましょう。

見込み残業代を導入している企業はブラック企業ですか?

これも裁量労働制と同じく、「企業の使い方次第」です。
ただし、労働条件通知書の中で、見込まれているいる残業時間および対応する金額は明記されている必要があります。
また企業には、見込み残業代を超えた分の給与支払い義務もあります。
 例)見込み残業代が30時間分の契約でで35時間の残業をしたら、超過の5時間分が給与に上乗せして支払われます。

見込み残業代制度を導入するメリットは、従業員、企業双方にあります。
従業員にとっては、生産性を上げることで残業代を実際より多くもらえることになり、実質の時給を上げることができます。
例えば30時間分の残業代が入ってくるのに、20時間しか残業しなければ、10時間分の得をします。

企業としては、見込み残業時間内で社員が就業していれば、各社員の残業代の計算が不要になる上、年間の人件費の予測がしやすくなり、予算計画や利益予測を立てやすくなります。

一方で悪用すれば、見込み残業時間いっぱいまで社員を働かせたりするケースもあり、まさに制度は使いようとなります。

週休2日制と完全週休2日制の違い

週休2日制は、1ヶ月の内、1回以上2日間の休日があることです。
完全週休2日制は、毎週必ず2日間の休日がある勤務形態を指します。
なお、どちらの場合も「2日間」は2連休とは限りません

注意点として、週休2日の内訳をよく見ておきましょう。
「完全週休2日制(土日)、祝日」とあれば、土日と祝日が休日になります。
しかし「完全週休2日制(土日)」となっている場合は、土日と祝日の内、2日が休日になることを意味します。

内定通知書発行後の条件交渉はできますか?

基本的に、通知書発行後の条件変更は難しいため、条件交渉は通知書が出る前に済ましておきましょう。

理由としては、多くの場合、正式な内定通知書は社判が押されていたり、社内稟議を経て、企業の決定事項として通達しているからです。
内定通知書発行後に年収などの条件を変えることは、再度稟議を通し、会社の決定事項をひっくり返すことになります。
ご自身の社内に置き換えて考えると、「年収交渉」という言葉以上に、企業にとっては重い話になることがイメージされるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、内定時の書類の確認方法について解説しました。

入社後に後悔しないためにも、労働条件はしっかり確認しましょう。
ただし、繰り返しになりますが、事細かに確認するのではなく、自分自身が働くときに重要なこと、入社をするかどうかという意思決定に関することに絞って確認しましょう。

きちんと擦り合わせたい時は、オファー面談を希望することも可能です。
オファー面談についてはこちらの記事をご参考ください。

入社前後に大きく待遇面を変えられた、というトラブルはしばしば耳にします。
多くの場合、内定通知書に詳細が記載されていなかった(または口頭補足のみ)、そもそも内定通知書を渡されていなかった、という方が多いです。

トラブルを避け、転職して良かったと思える転職ができるよう、ある程度の自衛はしましょう。
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