年金を後倒しでもらう方が良いとされる理由
年金を後倒し(受給開始を遅らせる)で
もらう方が良いとされる理由について考察します。
この選択は経済的な理由やライフスタイルに応じた
判断が求められるもので、
必ずしも全員にとって適しているわけではありません。
が・・・近年「後倒し」の利点がマスコミ等で
語られることが多いようです。
1. 年金額が増える
公的年金は、受給開始を遅らせると増額される仕組みがあります。
繰下げ受給の仕組み:
通常、年金受給は65歳から開始できますが、最大で75歳まで受給開始を遅らせることが可能です。この場合、1カ月繰り下げるごとに0.7%増額され、12カ月で8.4%、10年間(75歳)で最大84%の増額が可能です。
増額された年金を生涯にわたって受け取れるため、長生きした場合には総額が大幅に増加する可能性があります。
2. 長寿リスクへの備え
長寿化が進む現代において、老後の生活資金が不足するリスクを軽減できるのが後倒しのメリットです。
繰下げによって増額された年金は「終身」で支給されるため、長寿リスク(長生きしすぎて貯蓄が尽きるリスク)に対する保険的な役割を果たします。
特に健康状態が良く、長生きする可能性が高いと考えられる人にとっては有利な選択肢です。
3. 税負担の軽減
受給開始を遅らせることで、高所得現役期に年金を受け取らずに済む場合があります。
現役の収入がある場合、年金受給額が加算されると所得税や住民税が増加する可能性があります。
受給開始を後倒しにすることで、税負担の多い現役期を避け、退職後にまとまった年金を増額分とともに受け取る方が有利になるケースもあります。
4. 資産運用やその他収入がある場合に有効
既に十分な金融資産や他の収入源(不動産収入、企業年金など)がある場合、年金の受け取りを遅らせることで、生活資金に困ることなく増額された年金を後年に活用できます。
運用益や他の収入がある間は、増額分を期待して年金を後倒しにする戦略を取るのも一つの方法です。
5. 配偶者の年金や遺族年金との調整
家族構成によっては後倒しの方がメリットを得られる場合があります。
例えば、配偶者が年金を受け取っている場合、夫婦で受給時期を調整することで全体の収入を効率的に増やせる可能性があります。
遺族年金を考慮する際にも、繰下げによる増額が遺族年金に影響を与える場合があります(場合によっては有利になる)。
6. 健康寿命との関連
健康で働き続けられる人にとって、繰下げ受給は良い選択肢になりやすいです。
65歳以降も働く意思と健康がある場合、繰下げを利用することで収入を2重にもらうことを避け、リタイア後の収入を増やす計画を立てることができます。
結論
年金を後倒しでもらうメリットは、特に長寿リスクへの備えと増額効果にあります。健康状態や財務状況、他の収入源を考慮し、自分のライフプランに合った選択をすることが重要です。専門家に相談してシミュレーションを行うのも有効です。
ということは・・・
自分の寿命を予測する必要があるということです
繰下げ受給を選んでも短命で終わってしまった場合には
総受給額は当然減少する可能性が高くなります。
自分で生存期間を決められるならこのかぎりではありません。
また受給額増加が老後の必要資金と一致するのか確認が必要です
後倒しを選ぶことで一時的には収入が減ります
生活費や医療費が足りなくなることがないなら
そももそ年金収入の微増なんてさほどの効果もありません。
繰下げ期間中の収入源が十分確保できているなら
繰下げどころか年金が不要だという・・・は
特別な方々です。