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第11回第1問と第16回能力担保研修教材(設例1)を使ったパワハラの論点解説



 第19回第1問が第14回以来の「錯誤」という民法の問題でした。間に民法なのか刑法なのか判別のつかない「懲戒」を挟みました。次に民法の問題で出題されるとしたら「ハラスメントを原因とする損害賠償請求事件」=「不法行為+使用者責任」または「債務不履行(安全配慮義務違反)」が考えられます。ということで、ここでハラスメントの解説をしておきます。今回は、過去問の解き方というよりは、平成時代に会社員としてパワハラやセクハラを見たり聞いたり経験してきた昭和生まれの前期高齢者が、ハラスメントに関する情報をかなり掘り下げて書いてありますので、日常の社労士としても仕事にも役立つ(自己の認識に気付いて真っ青になるかも?)ものと思います。上っ面ではなく。正確で掘り下げた知識(情報)の勉強の機会だと受け止めて、長いですが、最後まで読んでください。聞きかじりのいい加減な言葉を振り回す人が多くて、一々、間違いを正して嫌がられる昭和の爺のボヤキと思って気楽に読んでいただいた方が、頭に入りやすいかもしれません。そういえば、「小言幸兵衛」という落語がありました。いや、「人生幸朗」師匠のボヤキ漫才かな。

 ここで、ちょっと余計なことを書いておきます。塾生OB・OGの意見に従って、第1問(労働紛争事例問題)については、過去問別ではなく、錯誤、懲戒、パワハラなどのテーマ(論点)別にして情報を整理し、解き方を解説をしたうえで、実際の過去問にあてはめて解いてみると、過去問には論点が複数組み合わされているうえに、どうも辻褄があわないというか、あの論点もあるはずなのに出題の趣旨には書かれていないのは何故かな?と思うことがあって、大変苦労しています。世間に出回っている参考書の類が、過去問を順番に解くやり方や、単に各論点の法律的解説に終始している理由がよく分かりました。はっきり言って、そのやり方の方が楽です(ぼやき漫才でした。)。

 ついでと言ってはなんですが、パワハラ問題をやっていて、セクハラに関する情報の整理が出来ていないことに気付きました。2019年改正女性活躍推進法等もありますので、セクハラの情報整理を次回の記事に書くことにしました。

 



目 次

1. 第11回第1問を使ったパワハラの論点解説

(1)  パワハラが原因の損害賠償請求

(2)  第11回(平成27年)第1問の派生する論点

(3)  第11回(平成27年)第1問の論点(職場のいじめの法的責任)

(4)  第11回(平成27年)第1問の論点(不法行為)

(5)  第11回(平成27年)第1問の論点(使用者責任)

2. 第16回能力担保研修教材(設例1)を使ったパワハラの論点解説

3. 第11回第1問の解答例とその解説

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