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音楽聴いて泣いたことありますか?ヒゲダン「プリテンダー」
幼い頃
家にあった「禁じられた遊び」のソノシート
(うっすいペラペラのレコード)を聴いて
訳もわからず泣いた事がある
それが映画の主題曲なんだとか
その映画が第二次世界大戦下のフランスの話だとか
戦災孤児になった女の子と 村の男の子との話だとか
すっごくかわいそうな話なんだとか
そんなことは 一切知らない幼稚園児が
どうしようもなく悲しくなって
この世の終わりかってくらい 号泣しました
大人になって
音楽を聴いて泣くなんてこと ないよなあ
って 思ってたのに
ヒゲダンの
「プリテンダー」聴いて
泣きました
私の学生時代を思い出したからです
私は京都の私立大学で日本史を学んでおりました
2年生の時
自主ゼミサークルやろうやないか
って話になりました
学生達が自主的にサークルを作って自由に研究を進める
何をどう研究してもいい
とにかく そういうサークルを作れば 大学が補助金を出す
それじゃあ俺たちも という事になったのです
それは週一回くらいのペースだったと思うのですが
私はひどく楽しみにしておりました
なぜかといいますと
女子学生に会えるからです
日本史の専攻には三分の一くらい女子学生がいましたが
普段の講義だけでは なかなか話す機会がありません
でも
自主ゼミサークルってことになれば 話は別です
期待したとおり 集まった10人のうち女子学生が3人
うれしかったですねえ
だって
3人のうちの一人の子がすごく気になってたんです
サークルが始まってしばらくは 夢のようでした
黙っていても毎週一回は その子と会える
会えるだけじゃありません
いくらでも自由に話せるんです
歴史学の話なら 好きなだけ
1ヶ月もたつと
サークルが終わったあと みんなで夕食を食べるようになりました
おいしい物を食べながらだと 自然に話が弾みます
好きな食べ物 行ってみたい国
将来の夢
そして
好きな異性のタイプetc
みんなで奈良に遊びに行ったりもしました
毎日 サークルあってもいいのになあ
私は その子に夢中でした
ところが
一年もたつ頃 あることに気がついたんです
あの子
メンバーの中のS君とやけに親しくねえか?
いつも 一緒に会場の教室に来ますし
学内でも 一緒にいるところをよく見かけます
もしかして あいつら付き合ってんじゃねえか?
別のメンバーに聞いてみました
え?知らなかったの?そうらしいよ
え?知らなかったの?そうらしいよ
え?知らなかったの?そうらしいよ
え?知らなかったの?そうらしいよ
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君とのラブストーリー
それは予想どおり
いざ始まれば一人芝居だ
ずっとそばにいたって
ただの観客だ
感情のないアイムソーリー
それはいつもどおり
なれてしまえば悪くはないけど
君とのロマンスは人生柄
続きはしないことを知った
もっと違う設定で
もっと違う関係で
出会える世界線 選べたら良かった
もっと違う性格で
もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな
そう願っても無駄だから
グッバイ
君の運命の人は僕じゃない
辛いけど否めない
でも離れがたいのさ
その髪に触れただけで痛いや いやでも
グッバイ
それじゃ君にとって僕はなに?
答えはわからない わかりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするならば
「君は綺麗だ」