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“Quiet Luxury(クワイエット ラグジュアリー)” 、その概念からおすすめブランドまで徹底解説

2010年代は「ストリート」が大きなトレンドとなりましたが、2020年代に入り、流石に下火になってきた印象です。

そんな中、ファッションメディア等で数年ほど前からよく目にするのが “Quiet Luxury(クワイエット ラグジュアリー)”というワード。

この記事では、“Quiet Luxury(クワイエット ラグジュアリー)”の概念から、それを体現する代表的なブランドまで一挙にご紹介します。


“Quiet Luxury(クワイエット ラグジュアリー)”とは…

“Quiet Luxury(クワイエット ラグジュアリー)”とは、アメリカのドラマ「Succession(原題)」から広がった言葉で、日本語では「控えめなラグジュアリー」と訳されているのを目にします。

ざっくり言うと、高級なベーシックウェア。2010年代中盤にトレンドとなった「ノームコア」のラグジュアリー版と言うとイメージしやすいのではないでしょうか。

ビジュアルに関しては、ロゴを配していないデザインであること、ミニマルなデザインであることが共通の認識としてありますが、“Quiet Luxury”を語る上で重要なのは、こうした表層のデザインのみではありません。


「思考(知性)」が重要な“Quiet Luxury(クワイエット ラグジュアリー)”の概念

“Quiet Luxury”がミニマリズムやノームコアと異なるのは、見た目のデザインよりも思考や姿勢といった内面との関連が強いという点です。

“Quiet Luxury”について書かれた海外メディアの記事を読むと、「understated(=控えめな)」、「timeless(=タイムレス)」、「longevity(=長く使用できる)」、「high-quality(高品質)」といった言葉が多くの記事で使用されています。

時を経ても古びないデザインの良品を長く使用していくという姿勢の表れでしょう。

また、これらの言葉と同様に複数の記事で使用され、特に印象的だったのが、「investment pieces(=投資的な価値のあるアイテム)」というワード。

例えば、時を経ても価値が下がらないと考えられる、ラグジュアリーブランドのタイムレスなデザインのバッグを中古で購入することも“Quiet Luxury”と捉えることができるのです。

SNSで見せびらかすために派手な服を消費するのとは真逆の発想で、知性や品性というものを感じさせます。

このような思考の背景には、サステナビリティやロゴアイテムの過剰な人気への反動という側面もあるでしょう。


「Quiet Luxury」を体現するブランド

では、ここからは“Quiet Luxury”を体現するブランドを紹介していきたいと思います。

1. The Row(ザ ロウ)

女優としても有名なOlsen(オルセン)姉妹が手がける、アメリカのラグジュアリーブランド「The Row(ザ ロウ)」。

「Quiet Luxury」について書かれた記事に必ずと言っていいほど登場するブランドです。

ブランドのルーツであるTシャツをはじめ、「Margaux(マルゴー)」、「Park Tote(パークトート)」、「Half Moon(ハーフムーン)」といった名品揃いのバッグなど、最高級の素材を使用したミニマルで洗練されたデザインのアイテムを多く展開しています。

レディースは言わずもがな、近年はメンズにおいてもジワジワと頭角を現しています。

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2. Bottega Veneta(ボッテガ ヴェネタ)

バッグや財布などの革製品で有名な、イタリアの老舗ラグジュアリーブランド「Bottega Veneta(ボッテガ ヴェネタ)」。

「Intrecciato(イントレチャート)」と呼ばれる編み込みレザーを用いたアイテムはブランドのアイコンとなっており、ご存知の方も多いと思います。

イタリア語で「工房」を意味する「Bottega」という言葉がブランド名に使用されているように、数あるラグジュアリーブランドの中でも一際、職人魂を感じさせるブランドです。

デザインディレクターを務めるDaniel Lee(ダニエル リー)氏の下、他のブランドとは対照的な、アイテムにロゴを入れない戦略を採用している点も、正に“Quiet Luxury”を体現していると言えます。

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3. Brunello Cucinelli(ブルネロ クチネッリ)

カシミア製品をルーツに持つイタリアのラグジュアリーブランド「Brunello Cucinelli(ブルネロ クチネッリ)」。

「人間中心主義」という哲学の下、地域に根ざした事業を展開し、環境保護にも積極的に取り組むなど、世界中から賞賛を浴びるブランドで、内面(思考)が重要な「Quiet luxury」にはピッタリなブランドです。

他のラグジュアリーブランドの業績が低迷する中でも、「Brunello Cucinelli」は好調を維持しているのも合点がいきます。

エレガントなカジュアルスタイルからフォーマルまでカバーしており、最高品質の素材を使用したクリーンで上品なアイテムが揃います。

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4. Loro Piana(ロロ ピアーナ)

最高級のカシミア、ウール素材を使用した製品で知られる、イタリアの歴史あるラグジュアリーブランド「Loro Piana(ロロ ピアーナ)」。

「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)」と同様に、世界トップクラスのテキスタイルメーカーでもあります。

男性は、高級スーツ生地のブランドとして認知している人も多いのではないでしょうか。

2013年にLVMHグループ傘下に入り、最近では藤原ヒロシ氏とコラボするなど、カジュアルウェア領域でも存在感を高めています。

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5. Khaite(ケイト)

画像の引用元:https://khaite.com

2016年にCatherine Holstein(キャサリン・ホルスタイン)氏によって設立されたアメリカに拠点を置くブランド「Khaite(ケイト)」。

過去に女優のKatie Holmes(ケイティ ホームズ)氏が、同ブランドのカシミアブラとカーディガンを身につけた写真が話題となり、人気に火がついたようです。

カーディガンをはじめとするカシミア素材のニット、デニム類、バッグ(Lotusトート、Olivia Hobo)などのアイテムが特に注目度が高く、多くのセレブリティーから支持を得ています。

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6. Totême(トーテム)

2014年にスウェーデン出身のファッションブロガー、Elin Kling(エリン クリング)氏と夫であるKarl Lindman(カール リンドマン)氏がストックホルムを拠点に設立したブランド「Totême(トーテム)」。

スカーフが一体となったオーバーサイズのジャケット、T-lock bagなどがブランドの代表的なアイテムで、ベーシックカラーを基調にしたミニマル且つ実用的なデザインは、北欧らしさを感じさせます。

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7. LEMAIRE(ルメール)

デザイナーのChristophe Lemaire(クリストフ ルメール)氏による、フランス発のブランド「Lemaire(ルメール)」。

Lemaire氏は、過去には「HERMES(エルメス)」でアーティスティック・ディレクターを務め、現在は、UNIQLOの中でも上質なワードローブを展開するライン「UNIQLO U(ユニクロ ユー)」のアーティスティック・ディレクターを務めていることでも有名です。

シンプルでエフォートレスなスタイルが特徴で、製品は、どれも実用性と美しさのバランスをとったタイムレスなデザイン。

中でも、クロワッサンの形をした“クロワッサン・バッグ”は特に人気です。

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8. JIL SANDER(ジル サンダー)

「ミニマル × ラグジュアリー」と言えば、このブランド。「JIL SANDER(ジル サンダー)」。

JIL SANDER氏の出身はドイツですが、ブランドはミラノに拠点を置いています。

2024年現在、メンズのディレクターをLuke Meier(ルーク・メイヤー)氏が、レディースのディレクターを妻のLucie Meier(ルーシー・メイヤー)氏が務めています。

過去にはRaf Simones(ラフ シモンズ)氏がディレクターを務めていたこともありますが、

ディレクターが変わっても、ミニマルなデザインと美しく高級感のある素材を融合させたシャープなスタイルは一貫しています。

ウェアももちろんですが、近年は「Cannolo(カンノーロ)」や「TANGLE(タングル)」といったバッグ類の人気が高まっている印象です。

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