先日ぎっくり腰の治療をした患者さんからのメッセージ

昨晩、数週間前にギックリ腰の治療をしたイギリス人の患者さんからメッセージが届きました。その患者さんは病院でレントゲンを取ってもらい、やれ椎間板がすり減っているとか、腰椎が曲がっているやらなんやらで、今度精密検査を勧められているとのことでした。

私は「レッドフラグ(悪性腫瘍や骨折など)でないならば、椎間板や骨が曲がっているとかは痛みと関係ない。痛みを恐れずに動くことが重要だ!」と言い方を何度も変え説明しました。

治療直後はまっすぐ立てるようになり、痛みもかなり減って歩けるようになりました。治療はその1回で終了、そしてしばらくその患者さんのことを忘れていたのですが、昨晩メッセージが届きました。

「先週発売されたThe Economistという雑誌にあなたの言ったことがそのまま記事になっている。まるであなたがその記事を書いたようだ!」

とのことで、私の治療に感謝しただけでなくその記事に書かれている内容の一つを非常に心配していました。(ちなみにThe economistはゴシップ誌のようなものではなく、ちゃんとした雑誌です。)その記事とは

ですが、その記事では

「慢性の腰痛や首痛に不必要な画像診断や手術が多く行われており、また不必要な痛み止めの服用も社会問題になっており、それらのコストは莫大なもので、がん治療にかかる費用と同じくらいかかっている。」

と書かれていました。その患者さんは私の説明したことを改めて認識したのと共に

「もしその不必要な画像診断や手術を止めれば、もっとがん治療や難病治療にお金がかけられるのに・・・」

と嘆いていました。

痛みと戦う方々はまずは「痛みに対して知ること」。そして「痛みをおそれずに動くこと」。これにつきると思います。もちろんレッドフラグは医者と連携して、そして痛みの「一時的な」緩和はお金を払ってでも受けてみたい手法(マッサージ、鍼、整体、マッサージ器具など)に頼るといいかと思います。ただそれらはあくまでも「一時的」なもの。結局は自分で痛みを理解し、動くことでしか克服できません・・・。


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