対戦型FPSにおける弾の当て方とそのメタ分析

1.はじめに
 対戦型FPSゲームには、様々なジャンルが存在する。そして、FPSゲームにはそれぞれ異なったヒットボックスや挙動があり、それぞれのゲームにおいて求められるAim(敵を狙う)能力は異なっているというのは一般的な見解である。この見解に基づくのであれば、同じゲームをプレイしているのであれば求められるAim能力が同じであり、どのプレイヤーの視点も最適化されていくにつれて似たような物になっていくのが自然ではないかと考えられる。
 しかし、現状ではプレイヤーごとに視点移動もターゲットへのAimも個性が存在し、それは世界最高峰のプレイヤーたちでも共通である。この様な状況で、多くのプレイヤーたちが弾の当て方について戸惑いを抱くのは当然のことだ。
 「弾の当て方」が今後、FPSにおいてどのような立ち位置になっていくのかは、そこまで考える段階に進んできたプレイヤーたちの感覚によって決定されてゆくべきものである。しかし、そのためには弾の当て方というものを明確化し、一つの要素として確立していくことが必要であると思われる。本稿はそのような試みの一つである。

2.弾の当て方とAimの関連性
 議論を進める前に、「弾の当て方」そのものについて暫定的に定義しておきたい。まず弾の当て方とは、マウスコントロールや空間把握能力などといったAim要素から産まれるものではなく、それぞれのプレイヤーが最初から持っている物である。すなわち、Aim能力向上の初期段階でアプローチする部分ともいうべきものだ。
 このアプローチは、間違いなくFPSプレイヤー全員が無意識的に行っており、意識的にも行える物だ。そして、意識的に変更しない限りは初めてプレイするFPSタイトルや長くプレイしたタイトルに影響を受けている要素でもあるだろう。その為、出身のFPSが同じであると似たようなスタイルを持ったプレイヤーが散見される。このスタイルについては後に説明する。

3.弾の当て方についての議論
 弾の当て方とは、どのようにカテゴライズしていけばよいのだろうか?その一つの考え方として、「敵と照準が重なったら撃つ」のか「敵と照準がどれだけズレてるのかを修正して撃つ」のかという議論が存在する。

 この議論を考えてみると、どちらかに偏ることはあれど片方しか行わないという状況がほとんど起こりえない事はすぐにわかるだろう。VALORANTであれば、Aimを置いている位置に敵が入って来て静止するシーンは無数に存在し、その状況において照準と敵のズレを認識する事は不可能である。その他のゲームにも、照準に敵が重なる事を待つシーンは発生するため、この議論では弾の当て方が説明できるとは言えない。
 しかし、この議論は弾の当て方の核心に迫る議論ではある。そもそも敵(ヒットボックス)と照準(弾の当たり判定)が重なった瞬間に打てば、理論上は100%弾が当たる。この場合、確実に弾が当たる方を選択する事が自然であるため、全員がどの状況においても前者の撃ち方になるはずなのだ。しかし、私たちは照準(Aim)のズレを修正した後、敵と照準が重なったかどうかの認識ははっきりと行っていない。つまり、私たちは弾が当たる確立を最大限に高めているシーンと、そうでないシーンの二つがあり、Aimの過程でそれを使い分けているのだ。

4.弾の当て方は連続階調的に分けられる
 ここまで、過去の議論を用いながら弾の当て方をカテゴライズしてきた。そしてこのカテゴライズした二つのシーンを連続階調的に分類していく事で、弾の当て方のスタイルを表す事が出来る。
 まず、この二つのシーンを弾が当たる確率(0~100)で連続階調的に捉え、自分が状況ごとにどの程度の確率で妥協しているのかを考えてみてほしい。100%に近い状況であればあるほど「狙って当てている」ということであり、0%に近い確率であればあるほど「撃って当てている」という事になる。(0%に近い状況において、「狙っていない」という表現をしないのは、当たる確率と狙っているかどうかは別物であるという考え方によるものであるが、この内容は割愛する。また、「撃って当てる」という表現が非常に抽象的であるので補足すると、「標的の"方"に向かって撃つ」というようなニュアンスである。)
 この連続階調的考え方において、状況ごとに「当て方をどのラインに置くのか」というのが一人一人差が出る部分である。当たる確率においてもどこからどこまでの範囲で使い分けるのか、「撃って当てるシーン」ではどのような特徴があるのか、命中率ごとにAimを合わせるスピードもそれぞれ異なるだろう。この決定がプレイヤーごとのスタイルであり、能力差ともなる。
 
5.弾の当て方のメタ分析
 では、この個人差が出る弾の当て方に正解は存在するのだろうか?結論から言ってしまうと、ある程度ゲームごとにメタが存在する。もちろん、命中率とAimスピードの反比例関係のように個人の技量が大きく左右するため、一定以上の基準を超えた当て方であったり、ある程度の範囲に収めた当て方に絞るべきであるという曖昧な基準のみの提示しかできない。
 一例としてVALORANTを使う。このゲームはHSの威力が高いゲームであり、初弾のHS命中精度はそのまま勝敗に直結する。そして、実際にHS%が高いプレイヤーが高いレベルでプレイしている事も考えると「狙って当てる」に比重を偏らせ、頭を丁寧に狙う当て方が強いと考えて問題ないだろう。ただし、「撃って当てる」当て方をしないと勝てないシーンも生まれてくるため、妥協点をどの高さにするのかについては各々が検討しなければならない。
 この様に、そのゲームの特徴と、個人のAimレベルの兼ね合いによって勝てる妥協点が決まり、それがその人にとっての「弾の当て方」のメタであると言えるだろう。

6.終わりに
ノリで書いたけどあきたからもういいや
ろとさんへ 勝手にツイートを載せました。だめだったらいってください。


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