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土から育てるスパイスカレー #4 いつ種を蒔けばいいか

~前置き~

家庭菜園でカレーライスの食材を栽培して、その食材を使ってカレーライスを作ろう、という内容で情報発信しています。何故そのような情報発信をするのか、というと、

土からカレーライスを作るのは単純に面白いのでお勧めしたい。結果的にカレーライスの味の向上につながればいい。

という理由です。土からカレーライスを作るのは本当に面白いので、宜しければお気軽にお付き合い下さい。

~結論~

種を蒔くのは春に集中しています。

2月~3月
パプリカ、唐辛子、(玉ねぎ)

3月~4月
トマト、マスタード、クミン、フェヌグリーク、カロンジ、フェンネル、アジョワン

4月~5月
コリアンダー

5月~6月
生姜、ターメリック、胡麻

8月~9月
玉ねぎ

10月~11月
にんにく

これらの時季を逃ししまったら育たない、ということはないと思いますが、収穫量が少なくなるかも知れません。なお、この種蒔きの時季は長野県の準寒冷地の場合ですので、温暖地や寒地などは前後します。

~説明~

“winter sowing” 冬の種蒔き、という栽培方法があります。

家庭菜園レベルでの栽培技術で、数年前からアメリカや欧州で流行り始めたものです。“栽培技術”とはかなり言い過ぎと思いますが、winter sowingで検索すると、画期的な家庭菜園技術として紹介されています。

winter sowingをごく簡単に説明しますと、

  • 冬のまだ寒い時期に

  • 保温が保たれるプラスチック容器に土を入れ

  • 雨や雪といった水分が容器の中に浸透するよう開口部を作り

  • 種を蒔き

  • 屋外の半日影の場所に置き

  • そのまま春を待つ

要はプラスチック容器に種蒔きして湿気を確保した状態を維持し、暖かくなったら勝手に発芽して育ちますよ、という考え方です。

この考え方は何もプラスチック容器でなくとも、一般的なビニールトンネル栽培でも通用し、更には普通の露地栽培でも通用します。

適度な湿り気のある土で暖かくなれば発芽し育つ、という“画期的な栽培技術”ですが、庭の雑草などは種蒔きすらしなくても、暖かくなれば勝手に発芽します。ごく当たり前の事ですが、ごく当たり前のことを意外と誰もやっていません。誰もやっていないので、画期的な技術として紹介されているようです。

例えば種を買います。種袋の後面には、栽培方法として種蒔きの時期が説明されています。4月下旬から5月初旬が種蒔きの時期です、とか。確かにその通りにすれば問題無いのですが、3月下旬に種蒔きしては駄目なのでしょうか、はたまた前年の9月では駄目なのでしょうか。winter sowingというやり方では、それはできますよ、としています、雑草が勝手に発芽するように。雑草は発芽に適した気温になると勝手に発芽し育ちます。

自然農の畑では去年トマトを栽培した場所で、春になるとトマトの苗が勝手に育っている、という経験を何度もしたことがあります。要は畑に落ちてしまったトマトの中の種が無事に冬を越し春の暖かさと土の湿り具合のバランスで、つまり植物が持つ自然本来の営みの中で、生存に適した条件が揃えば、発芽し育つのです。しかも、何故かそのような苗は春先の突然の寒さに強い傾向があります。

全ての植物がこの考え方でできる訳ではなく、できる植物は限られています。大根など品種によっては、まだ寒い時期に種を蒔いてしまうと可食部が大きくならず花を咲かせてしまう場合もあります。また、冬から春先の厳しい自然条件の中で傷んだり虫や小鳥たちに種を食べられてしまうリスクもあります。

そんなリスクはあるものの、3月と4月の種蒔きのものを試しに3月初旬や或いは温暖地であれば2月に種蒔きしてみて下さい。

種蒔きの後は何もしないでおきます。冬から春にかけて土は適度な湿り気がありますので、水やりも必要ありません。あくまで自然の流れに任せ、ただただ発芽を待ちます。そうすると桜の開花が始まる頃に、ぽつりぽつりと芽を出してくるはずです(上記リスクはあります)。

コリアンダー
マスタード
フェヌグリーク