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土から育てるスパイスカレー #2 カレーライスの栽培が身近になる3つのこと
~前置き~
家庭菜園でカレーライスの食材を栽培して、その食材を使ってカレーライスを作ろう、という内容で情報発信しています。何故そのような情報発信をするのか、というと、
土からカレーライスを作るのは単純に面白いのでお勧めしたい。結果的にカレーライスの味の向上につながればいい。
という理由です。土からカレーライスを作るのは本当に面白いので、宜しければお気軽にお付き合い下さい。
~結論~
知っておくとカレーライスの栽培が身近になる3つのことは
スパイスは各種栽培できる
主要食材は玉ねぎとトマト
栽培面積は小さくて大丈夫
~説明~
まず1から説明します。カレーライスというとスパイス、スパイスというと熱帯地域で栽培されている、という印象があり、実際にそのようです。ただし、だからと言ってスパイスが全て暑い気候を好む訳ではありません。また、暑さを好む植物であっても「暑さ」に程度があり、26℃から30℃が「好まれる暑さ」の場合もあります。レシピの農場は、長野県の中央アルプス麓、標高860メートルの準高冷地にありますが、2024年の夏は26℃から30℃の日なんて当たり前でした。
スパイスが植物としてどういう気温を好むのか、を確認すれば熱帯地域でなくとも栽培可能なスパイスが見つかります。レシピの農場で栽培するスパイスを世界規模で見た場合の主要産地はインドが主ですが、インドの冬から春にかけて栽培されているものがあります。実は、インドの冬から春にかけての気温は、標高860メートルの準高冷地の春から夏の気温に似ています。そのようなスパイスは暑さが好きな訳ではなさそうです。ただ、標高860メートルの春は急な寒気がでることもありますので、トンネル栽培などの工夫をすれば栽培可能性はより高くなります。
ターメリックや生姜などは、暑い気温が「長続き」する必要があります。準高冷地の農場では真夏は30℃を越しますが、暑い日が長期間続くわけではありません。そうなると、どうなるかと言いますと、成長途中での収穫となります。例えば熱帯地域では3月から12月が栽培期間であっも、標高860メートルでは5月から11月までが栽培期間となり、栽培期間が短い分、収穫量と良品率に影響します。ただ、ターメリックや生姜そのものを商品として販売するのでなければ、カレーライスには十分な収穫ができます。
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長くなりましたが、フェンネル、コリアンダー、カロンジ、アジョワン、マスタード、ターメリック、生姜、唐辛子の栽培は難しくなく、気候的にも時季を選べば問題ありません。
一方で栽培が難しいものも、実はあります。クミンとフェヌグリークの二つです。この二つに関しては諦めています。市販品でよし、と割り切っています。そうは言っても栽培はしてみていますが。
2.主要食材は玉ねぎとトマト、についての説明ですが、カレーライスの食材の構成で一番量が多いのは玉ねぎとトマトです。(肉を除く)スパイスが一つ栽培できなかったとしてもカレーライスの調理はできますが、玉ねぎやトマトがなければ、少なくともwild curryやピンクカレーはできません。栽培の重要度で言えば、玉ねぎとトマトが最重要となります。玉ねぎやトマトを栽培したことがある方でしたら、カレー栽培は問題なくできるはずです。
3.栽培面積は小さくて大丈夫、についての説明です。栽培面積は作るカレーの量に比例するのは当然として、植物一株で意外と多くのカレー食材となります。トマトを栽培したことがあれば、トマト一株で数多くの収穫を経験されたと思います。もしかしたら、トマトが一株あればカレー10皿分以上の食材数となり得ます。ですので、例えばwild curryを1回4食、それを3回ほど食べる程度でしたら縦50センチ横数メートルの場所があれば作ることができます。詳しくは、栽培方法の説明時にお伝えしたいと思います。
これら3つのことを知って、カレー栽培がより身近になれたなら嬉しいです。