競わない長男

毎年恒例、キアゲハの羽化

素直ですごいよなぁ、と11歳の長男と話しながらこの頃とても思う。

小学校で児童のコロナ感染が出た先月。
学校から配布された休校案内の手紙を読んでいる私に
「コロナにかかたって誰かがもし悪口を言ったら、俺が(その子を)守るから」だって。

そのストレートに吐き出された感情に、じわり…と涙が。
人に優しくなんて、そんなこと言わなくてもこの子たちはちゃんとわかってる。


私が小学生の頃はどんなに級友と仲が良くても、その関係には<ライバル>という含みがあったような。

誰より勉強ができるとか、運動できるとか、かわいいとかかっこいいとか。
競って成り立っていたところもあった学友とのバランス。
そんな時代、だったのか、はたまた私が意識し過ぎていたのかはわかんないけど。


長男はいつも
「あの子はサッカーがめっちゃうまいよ!」
「漢字が得意ですごいわー」
とか、学校でのことを屈託なく話してくれる。
自己否定ではなくて、純粋に誰かを讃える言葉で。

そんな話に家事の傍でふんふんと耳を傾けながら、新時代がきてるのかしら?なんて思ったり。そう<共生>の時代が。

「負けないぞ〜!」って奮闘することも、もちろん大切な場面はある。
何も平和ボケしてるみたいに生きろ、と言いたいわけでは全くない。

ただ、何かこう、他者をおおらかに受け入れている、そんな雰囲気を感じる今の子どもたちに、気持ちがほだされ、はっ!と足を止めてもらうことも多い。

誰かと比べてないで、自分のやりたいようにやればいい。
そんなふうに息子に背中を押されている気分になるのです。
だから私だって、「この先、やりたいことをやればいい」と彼らの背中を押す心の準備ができている。


今年の春から農園で働いてくれている新しいスタッフも大学卒業したばかりの新進気鋭。
世間とか、誰かのジャッジに囚われていない(ようにみえる)発想やその態度が新鮮で、話をしていて楽しい。

その一方で、私たちから伝えられること、これももっともっと言語化をしていかねば、と新たな想いも。

若い人から謙虚に学び、自分たちの経験やスキルを惜しみなく伝承していく。40代に突入して、まだまだ現役イケイケではありますが(笑)、後に残していく、ということも考えるようになったこの頃です。

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